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193.夢かもしれない

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 二輪挿しじゃなくて交互に抱かれてしまったけど、どうにか夕飯時までには身体の熱が冷めた。二人に抱かれるのは好きだけど、こういうギリギリなのは勘弁してほしい。
 夕飯時には先輩の旦那さんである村長もいたが、不機嫌そうに無言で食べていた。そして食べ終えた後、

「話が違う」

 と言った。
 先輩を抱きたいと言ったことについてだろう。やっぱだめかぁと少しだけ落ち込んだ。

「カイトだったか」
「はい」
「どうしてそんなにルイを抱きたがる?」
「……ずっと好きでした。この世界に来て五年経ちましたけど、先輩のことを忘れたことはありませんでした」

 もちろん忘れてた時もあるけどな。でもこっちの世界には男しかいないから、余計に先輩のことが思い出された。こんなことなら玉砕覚悟で告白しておけばよかったんじゃないかって、思ってた。

「……この世界に来た時間軸が違うのか。なら、お前の中でルイが美化されてるんじゃないのか?」

 それも間違いないと思う。

「はい。美化されてると思います。仕事ができない者に対しては容赦のない上司でした。時にはいじめなんじゃないかと思ったこともあります。でも、好きでした」

 先輩がテーブルに突っ伏して頭を抱えている。やめてくれえという悲鳴まで聞こえてきそうだった。

「……そうか。お前はルイの職場の後輩だったな」
「はい」

 インさんは少し考えるような顔をした。

「童貞だったら……そうか……そうだな……」

 何やらぶつぶつ言っている。どうせ童貞ですよーだ。先輩も童貞じゃないのかよー。

「明日の昼にしろ。ヤることヤッたら帰れ」

 言ってることが身も蓋もなかった。

「ってことは……?」

 先輩が首を傾げる。

「朝食後に抱かせてやれ。昼飯食わせたら追い出せよ」
「……わかった」

 俺は目を丸くした。先輩を抱かせてもらえることになったなんて、まるで夢みたいだった。だから自分の頬をつねってみたけど痛かった。

 でも夢の中じゃなくて現実で頬をつねってることもあるんだよな。

「何ベタなことやってんだ? 傷ついたら困るだろ、やめとけ」

 先輩に指摘されたのですぐにやめた。夢ではないようだった。


「信じられない……」

 本当に先輩を抱かせてもらえることになるなんて。

「あー……えーと、ヤる時は俺うつ伏せになるから、余計なとこ触るなよ」

 先輩が言いづらそうに言う。

「? 俺、先輩のおっぱいも飲みたいです」
「……だったら目隠ししろ」

 先輩がめちゃくちゃなことを言う。どうも見られたくないものがあるようだ。
 ……それは。

「もしかして、先輩のちんちん小さいのかな……」

 与えられている部屋に戻ってから呟いた。俺のは一応普通のサイズだと思うけど、当然ながらジャンやジャックのイチモツよりもはるかに小さい。お、男の真価はちんちんの大きさではかれるものじゃないやいっ!
 すいません、嘘つきました。でっかいちんちん、憧れます。ジャンやジャックほど凶悪な大きさではなくてもいいと思うけど、先輩のこと「ああんっ! すごいいぃっ!」って啼かせたい。

「? ちんちんが小さいのは喜ばしいことだが……」

 ジャックが不思議そうに言う。そういうもんだっけ?

「でかいよりはいいだろう」
「でかすぎるよりはね……」

 ジャックのはでかすぎる。今はそのでかさが愛しいんだけどさ。

「でも、なんで小さい方が喜ばしいんだ?」
「少なくとも娼夫には好かれる要素だ」
「ああ……」

 確かに相手のイチモツが小さい方が負担は少ないだろう。ってよく考えたら先輩童貞のままでこの世界に来ちゃったんだよな。小さいのがコンプレックスだったのかもしれない。
 でも先輩のおっぱいも飲みたいんだ。
 どうしたらいいかなと考えて、先輩の尻穴と胸だけが出るようにしてシーツを巻いてもらえばいいのではないかと思った。

「……そんなことしないで諦めればいいだろう」

 ジャックに呆れられてしまった。でも俺はどうしても先輩のおっぱいが飲みたいんだ。それもできれば抱きながら。
「お前はあほか」とののしられそうだけど、俺の頭の中は先輩のおっぱいでいっぱいだった。
 そのせいか、ジャンに裸に剥かれてもいつも通りだとしか思えなかった。

「兄さん、せっかくカイトが想い人を抱けることになったのですから”お仕置き”しましょう。もちろん”お仕置き”の本番は帰ってからにしますが、ここで二輪挿ししてもかまわないですよね?」
「……ああ、そうだな」

 ジャックの目がギラリと光った。

「え? あ、うん……でも……」
「カイト、”でも”はないよ。嫉妬に狂った夫を宥めるには熟れたおまんこが必要だ。大丈夫、いっぱいかわいがってやるから……」
「そん、なぁ……」

 今夜も二人のイチモツをたっぷり受け入れさせられるみたいだ。尻穴が恐れと期待にきゅんきゅんする。

「カイトは俺たちのイチモツが好きだよな?」

 ジャックに念を押すように言われてしぶしぶ首を縦に振った。

「……イチモツだけじゃない」
「カイト?」
「俺、ジャンのことも、ジャックのことも好き、だから……」

 そんなことを言ったらどうなってしまうのかはわかっていた。でも協力してくれた夫たちだ。きちんと想いは伝えなければいけないと思った。
 そうしたことで後悔することになったとしても。
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