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156.抱かれる頻度は変わらないらしい
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「……今日ってなんか……ジャン、激しかった……」
「そうだな。いつもはなんだかんだいってカイトを気遣うのに」
ジャックに抱きしめられてごろごろしている時に呟くと、ジャックも同意した。やっぱりジャンは俺の身体気遣ってくれてるんだなって、それはそれで胸がきゅんきゅんした。
「まぁあれはあれだ」
「あれって?」
「カイトがロンドに抱かれただろう? 俺と同じで、嫉妬したんだ」
「えええ?」
でもロンドを受け入れたのはジャンなのに? 俺は首を傾げた。
「カイトを守る為だって割り切ったつもりだったが、ってやつだろうな。俺も嫉妬したしな……」
ジャックは苦笑すると俺の額にちゅと口づけた。嬉しくてどきどきしてしまう。ただ抱きしめられるだけでいいなんて乙女かな? って思ってしまうけど、その前に抱かれすぎだから。抱かれすぎちゃってもうおなかいっぱいというかんじだ。
「嫉妬なんて、することないのに……」
俺にとって、ジャンとジャックは大事な旦那様たちだし。あ、もちろん先輩のことも大好きだ。抱きたいって意味で。
「カイト、顔が赤いぞ。何を考えたんだ?」
ククッと笑い、顔中にキスをされて嬉しいと思ってしまう。胸きゅんが止まらないから止めてほしい。
「なんでもないっ」
プイッと顔を背けたけど、すぐに優しく顎を掴まれてキスをされてしまった。
「んんっ……!」
キスされるとすぐに感じてしまうからやめてほしいのに、ジャックのキスが好きすぎて俺はすぐに夢中になってしまった。
そうして、ジャンが昼食だと呼びにくるまで俺はジャックとずっと口づけ合っていた。
「……兄さん相手でも嫉妬してしまいそうですよ」
「そんな必要はない。カイトをかわいがるにはお前もいないとな」
「それならいいのですが……」
二人じゃないと、というのが理解できない世界だが、巨人族自体一婦多夫制のようだからしょうがないんだろう。
「なぁ、怒らないで聞いてほしいんだけど……」
「なんだ?」
俺に、と栗の皮を剥きながらジャンが応じた。
「巨人族の結婚てさ、一対一じゃだめなの?」
「あまり一般的ではないな。巨人族の妻は結婚すると子種を得る為より発情しやすくなる。夫一人ではとても身体が持たないから複数夫を持つのが普通だ」
「ええええ……」
あれだけジャンもジャックも俺を抱くのに巨人族の奥さんはもっと求めちゃうってこと? どんだけだ。
「でも俺は巨人族じゃないから今でもかなり厳しいんだけど……」
二人は首を傾げた。
「カイトは確かに誘ってはこないが、俺たち二人を受け止めても大丈夫だろう?」
「そ、それは天使だからで……」
なんか話が噛み合わないと思って更に聞いてみたら、巨人族の奥さんというのは子を宿しにくいらしく、それ故に寝る時間と食事、身体を清める時間以外はイチモツを受け入れていなければいけないのだという。
それって実は仲良しし過ぎでは? と思わないでもない。
だからどんなに泣き叫んでも、奥さんが感じている限り夫は奉仕し続けるのだという。それでも子ができるのは早くて三年かかるというのだから、やっぱりヤりすぎなんでは? と思ってしまう。
その理屈でいうと、俺はずっと感じるだけだから二人に延々抱かれ続けるコースなわけで。
「俺、巨人族じゃないから……もっと優しくしてほしい。抱かれるだけじゃなくて……ただ一緒に抱きしめ合うとか、そういう時間もほしいんだけどだめか?」
こんなこと言うのすっごく恥ずかしいんだけど、ちゃんと言わないと伝わらないと思うから伝える。
「抱く以外、愛しいと伝えるすべがない」
「本音を言えば、もっと抱きたい」
ジャックとジャンが困ったように言った。
「それだと……俺だけじゃ我慢できないんじゃ……」
俺の身体は持たないから、そしたら浮気を認めるしかないんだろうか。でも二人は俺の旦那様で……何言ってるんだかわからなくなってきた。
「そんなことあるはずがないだろう!」
「カイトがかわいすぎるからだ!」
ジャックとジャンにすごい剣幕で言われて俺は目を丸くした。
「……俺だけ……?」
「「カイト以外いらない!!」」
二人に即答されて胸がきゅんきゅんした。恥ずかしくて目が泳いでしまう。
「で、でも俺の身体持たないから……」
「わかった。ならば身体を鍛えよう」
「えええ?」
どうやって?
「兄さん?」
「カイトは一日一回騎乗位をするといい。それで自分のいいように動くんだ。そうすれば腰回りが鍛えられるから体力もつくに違いない!」
「ええええ」
騎乗位をする前に他のところを鍛えなければいけないのでは……。
「……ご主人様……その前に奥様は普通に身体を鍛えた方がいいのではないでしょうか……」
さすがにロンドが口を出し、ビットも何度も頷いたので毎日騎乗位は回避できた。でも二人の愛を受け止める為に身体は鍛えないといけないようだ。というわけでロンドに教わってワイドヒップリフトという動きをしてみたのだが、エロすぎる! とかえって二人に襲われてしまうはめになった。
身体は鍛えた方がいいよな。うん、切実に。
「そうだな。いつもはなんだかんだいってカイトを気遣うのに」
ジャックに抱きしめられてごろごろしている時に呟くと、ジャックも同意した。やっぱりジャンは俺の身体気遣ってくれてるんだなって、それはそれで胸がきゅんきゅんした。
「まぁあれはあれだ」
「あれって?」
「カイトがロンドに抱かれただろう? 俺と同じで、嫉妬したんだ」
「えええ?」
でもロンドを受け入れたのはジャンなのに? 俺は首を傾げた。
「カイトを守る為だって割り切ったつもりだったが、ってやつだろうな。俺も嫉妬したしな……」
ジャックは苦笑すると俺の額にちゅと口づけた。嬉しくてどきどきしてしまう。ただ抱きしめられるだけでいいなんて乙女かな? って思ってしまうけど、その前に抱かれすぎだから。抱かれすぎちゃってもうおなかいっぱいというかんじだ。
「嫉妬なんて、することないのに……」
俺にとって、ジャンとジャックは大事な旦那様たちだし。あ、もちろん先輩のことも大好きだ。抱きたいって意味で。
「カイト、顔が赤いぞ。何を考えたんだ?」
ククッと笑い、顔中にキスをされて嬉しいと思ってしまう。胸きゅんが止まらないから止めてほしい。
「なんでもないっ」
プイッと顔を背けたけど、すぐに優しく顎を掴まれてキスをされてしまった。
「んんっ……!」
キスされるとすぐに感じてしまうからやめてほしいのに、ジャックのキスが好きすぎて俺はすぐに夢中になってしまった。
そうして、ジャンが昼食だと呼びにくるまで俺はジャックとずっと口づけ合っていた。
「……兄さん相手でも嫉妬してしまいそうですよ」
「そんな必要はない。カイトをかわいがるにはお前もいないとな」
「それならいいのですが……」
二人じゃないと、というのが理解できない世界だが、巨人族自体一婦多夫制のようだからしょうがないんだろう。
「なぁ、怒らないで聞いてほしいんだけど……」
「なんだ?」
俺に、と栗の皮を剥きながらジャンが応じた。
「巨人族の結婚てさ、一対一じゃだめなの?」
「あまり一般的ではないな。巨人族の妻は結婚すると子種を得る為より発情しやすくなる。夫一人ではとても身体が持たないから複数夫を持つのが普通だ」
「ええええ……」
あれだけジャンもジャックも俺を抱くのに巨人族の奥さんはもっと求めちゃうってこと? どんだけだ。
「でも俺は巨人族じゃないから今でもかなり厳しいんだけど……」
二人は首を傾げた。
「カイトは確かに誘ってはこないが、俺たち二人を受け止めても大丈夫だろう?」
「そ、それは天使だからで……」
なんか話が噛み合わないと思って更に聞いてみたら、巨人族の奥さんというのは子を宿しにくいらしく、それ故に寝る時間と食事、身体を清める時間以外はイチモツを受け入れていなければいけないのだという。
それって実は仲良しし過ぎでは? と思わないでもない。
だからどんなに泣き叫んでも、奥さんが感じている限り夫は奉仕し続けるのだという。それでも子ができるのは早くて三年かかるというのだから、やっぱりヤりすぎなんでは? と思ってしまう。
その理屈でいうと、俺はずっと感じるだけだから二人に延々抱かれ続けるコースなわけで。
「俺、巨人族じゃないから……もっと優しくしてほしい。抱かれるだけじゃなくて……ただ一緒に抱きしめ合うとか、そういう時間もほしいんだけどだめか?」
こんなこと言うのすっごく恥ずかしいんだけど、ちゃんと言わないと伝わらないと思うから伝える。
「抱く以外、愛しいと伝えるすべがない」
「本音を言えば、もっと抱きたい」
ジャックとジャンが困ったように言った。
「それだと……俺だけじゃ我慢できないんじゃ……」
俺の身体は持たないから、そしたら浮気を認めるしかないんだろうか。でも二人は俺の旦那様で……何言ってるんだかわからなくなってきた。
「そんなことあるはずがないだろう!」
「カイトがかわいすぎるからだ!」
ジャックとジャンにすごい剣幕で言われて俺は目を丸くした。
「……俺だけ……?」
「「カイト以外いらない!!」」
二人に即答されて胸がきゅんきゅんした。恥ずかしくて目が泳いでしまう。
「で、でも俺の身体持たないから……」
「わかった。ならば身体を鍛えよう」
「えええ?」
どうやって?
「兄さん?」
「カイトは一日一回騎乗位をするといい。それで自分のいいように動くんだ。そうすれば腰回りが鍛えられるから体力もつくに違いない!」
「ええええ」
騎乗位をする前に他のところを鍛えなければいけないのでは……。
「……ご主人様……その前に奥様は普通に身体を鍛えた方がいいのではないでしょうか……」
さすがにロンドが口を出し、ビットも何度も頷いたので毎日騎乗位は回避できた。でも二人の愛を受け止める為に身体は鍛えないといけないようだ。というわけでロンドに教わってワイドヒップリフトという動きをしてみたのだが、エロすぎる! とかえって二人に襲われてしまうはめになった。
身体は鍛えた方がいいよな。うん、切実に。
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