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122.先輩の近況と考えてみたこと
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もう触ったら嫌いになるっ! って威嚇して、俺はジャックも寝室から追い出した。ジャンはいつのまにか寝室を出ていて、昼食の準備をしてくれているみたいだった。もー、しつこいって思う。ビットは寝室の端に詰めているから、俺はシーツを頭まで被ってこっそり自分の乳首がどうなっているのか確認した。
陥没していたはずなのにもう普通に顔を出している。色もなんかサーモンピンクっぽく見えて、なんかエロい。やだなぁって思った。俺、ちんちんも色素薄くて嫌なんだよな。まぁ、童貞だからしょうがないんだけどさ……。
童貞で思い出した。
俺が自分のテクを磨けば先輩のこと抱けるはずなんじゃ?
二人にはもういっぱい抱かれてるからどう触れられれば気持ちよくなるかもわかってる。
おっぱいが出るようになっちゃったのは不本意だけど、これだけ抱かれたなら先輩とっ……。
って思ったんだけど、先輩に最後に会ってからもう一月ぐらい経っていたみたいだった。
「え……先輩が結婚……?」
そういえばそんなようなことを聞いていた気がする。新しい村に移ったら結婚するつもりみたいだとかなんとか。もちろんそこには俺と同じように結婚したいなんて願望はないはずで、所有者に押し切られた形のようだった。
「そっか……」
なかなかに、ショックだった。俺はとっくにジャンとジャックと結婚したことになっていたのだけど、それでも先輩が誰かに嫁いだと聞いて平静ではいられなかった。
「じゃあ、もうダメなのかな……」
泣きそうになる。先輩に筆おろししてほしかったのに。
女々しいかもしれないけど、涙がぽろりとこぼれた。それに二人は慌てた。
「確認してこよう。カイトは天使だから例外かもしれない」
一度ぐらい先輩を抱きたいよう。一度だけでいいから。もし、そうして抱かせてもらえたらそれで諦めるから。
「カイト、そんなにあの先輩が恋しいのか?」
恋しいか、恋しくないかと聞かれたらよくわからない。でも俺の童貞は先輩に捧げたいって思っていたから……。
「……わかんない。でも先輩のこと抱きたい」
「……問い合わせはしてみるがあまり期待はするな」
ジャンに言われて頷いた。
でも、だったらそれじゃあ、どうして俺は二人に抱かれていたんだろう。
今はジャンのこともジャックのことも好きだと思ってはいるけど、それだけなら毎日のように抱かれなくてもいいはずだ。
「ちょっと、一人にして……」
なんかショックでよくわからなくなってる。いっぱい抱かれてわけわかんなくなっちゃえばそれはそれでいいのかもしれないけど、そういうんじゃない気がした。
「せめて……会いたいな……」
先輩がとうとう人妻になったってことは、複数の夫ができたってことなんだろうか。
何を食べたかわからない昼食を終えた後、できれば一人にしてほしかったけどそれは無理そうだった。ベランダに出てお茶を淹れてもらう。ジャックの腕に抱かれてぼおっとした。
人妻、かぁ。
「会えれば、いいのか?」
髪に後ろから口づけられた。
「……せめて、だよ。俺の童貞もらってほしいのは変わんない」
「そうか」
なんていうのかな。ある意味けじめ、みたいなもので。まぁでもけじめで抱かせてくれじゃたまったものじゃないよな。
そういえば竜族のロンドも俺のこと抱きたいんだっけ?
そう考えたら頬が熱くなった。
「……何を考えてる?」
ジャックの声が低くなった。ジャックは妙なところで勘がよくて困る。でもジャンとジャックが抱かせてもいいみたいなこと言ったんじゃないか。
「……あとで、話す」
こんな、ベランダで話すことじゃない。庭の向こうで周りを見回っている人が見えた。あれはレイドだろうか。それとももう一パーティーの方だろうか。毎日ご苦労様だなって思った。
先輩の件についてはジャンに確認してもらうことにして、俺はやっとお茶を飲んだ。さっきよりは味を感じたから、すごくこの味覚とかっていうのも感情に左右されるものなんだなって思った。
ジャックの腕の中はひどく安心する。お茶を飲み、お茶菓子を摘まんでのんびりしたら寝室に戻された。ベッドに下ろされそうになったけど、俺はジャックの首に腕を回してそれを阻止した。
「カイト?」
「まだだっこ」
甘ったれと言いたければ言うがいい。ジャックは俺の身体を支えながら、もう片方の手で自分の鼻と口を押えた。どうしたんだろう?
「ジャック?」
「……あまりかわいいことを言ってくれるな……」
甘ったれなのは間違いなさそうだ。俺は抱き着いたまま首を傾げた。
「……どんどん愛らしくなるな」
「……そんなわけないだろ……」
愛らしいとか、もっとちっちゃくてかわいい人に言うべきだ。俺はもう三十だぞ。そう思ったら、恥ずかしくなった。
「だっこ」ってなんだよ~。
腕を外そうとしたら更にきつく抱きしめられた。
「逃げるな」
「べ、別に逃げてなんか……」
「さっきは何を考えていたんだ?」
やっべ、覚えてた。
「え……大したことじゃないよ」
「言ってみろ」
恥ずかしいけどしぶしぶ口を開いた。
「前に……その、ロンドに俺を抱かせるみたいなこと言ってただろ? あれってまだそのつもりなのかなって……」
「……それについてはジャンと話す。それよりも……」
ジャックの声が低くなった。まずいって思った。
「カイトはアイツに抱かれたいのか?」
「そういう、わけじゃ……」
ないって言おうとしたのに噛みつくように口づけられて、案の定弁明はさせてもらえなかった。
もー、ジャックってば嫉妬深すぎ。
陥没していたはずなのにもう普通に顔を出している。色もなんかサーモンピンクっぽく見えて、なんかエロい。やだなぁって思った。俺、ちんちんも色素薄くて嫌なんだよな。まぁ、童貞だからしょうがないんだけどさ……。
童貞で思い出した。
俺が自分のテクを磨けば先輩のこと抱けるはずなんじゃ?
二人にはもういっぱい抱かれてるからどう触れられれば気持ちよくなるかもわかってる。
おっぱいが出るようになっちゃったのは不本意だけど、これだけ抱かれたなら先輩とっ……。
って思ったんだけど、先輩に最後に会ってからもう一月ぐらい経っていたみたいだった。
「え……先輩が結婚……?」
そういえばそんなようなことを聞いていた気がする。新しい村に移ったら結婚するつもりみたいだとかなんとか。もちろんそこには俺と同じように結婚したいなんて願望はないはずで、所有者に押し切られた形のようだった。
「そっか……」
なかなかに、ショックだった。俺はとっくにジャンとジャックと結婚したことになっていたのだけど、それでも先輩が誰かに嫁いだと聞いて平静ではいられなかった。
「じゃあ、もうダメなのかな……」
泣きそうになる。先輩に筆おろししてほしかったのに。
女々しいかもしれないけど、涙がぽろりとこぼれた。それに二人は慌てた。
「確認してこよう。カイトは天使だから例外かもしれない」
一度ぐらい先輩を抱きたいよう。一度だけでいいから。もし、そうして抱かせてもらえたらそれで諦めるから。
「カイト、そんなにあの先輩が恋しいのか?」
恋しいか、恋しくないかと聞かれたらよくわからない。でも俺の童貞は先輩に捧げたいって思っていたから……。
「……わかんない。でも先輩のこと抱きたい」
「……問い合わせはしてみるがあまり期待はするな」
ジャンに言われて頷いた。
でも、だったらそれじゃあ、どうして俺は二人に抱かれていたんだろう。
今はジャンのこともジャックのことも好きだと思ってはいるけど、それだけなら毎日のように抱かれなくてもいいはずだ。
「ちょっと、一人にして……」
なんかショックでよくわからなくなってる。いっぱい抱かれてわけわかんなくなっちゃえばそれはそれでいいのかもしれないけど、そういうんじゃない気がした。
「せめて……会いたいな……」
先輩がとうとう人妻になったってことは、複数の夫ができたってことなんだろうか。
何を食べたかわからない昼食を終えた後、できれば一人にしてほしかったけどそれは無理そうだった。ベランダに出てお茶を淹れてもらう。ジャックの腕に抱かれてぼおっとした。
人妻、かぁ。
「会えれば、いいのか?」
髪に後ろから口づけられた。
「……せめて、だよ。俺の童貞もらってほしいのは変わんない」
「そうか」
なんていうのかな。ある意味けじめ、みたいなもので。まぁでもけじめで抱かせてくれじゃたまったものじゃないよな。
そういえば竜族のロンドも俺のこと抱きたいんだっけ?
そう考えたら頬が熱くなった。
「……何を考えてる?」
ジャックの声が低くなった。ジャックは妙なところで勘がよくて困る。でもジャンとジャックが抱かせてもいいみたいなこと言ったんじゃないか。
「……あとで、話す」
こんな、ベランダで話すことじゃない。庭の向こうで周りを見回っている人が見えた。あれはレイドだろうか。それとももう一パーティーの方だろうか。毎日ご苦労様だなって思った。
先輩の件についてはジャンに確認してもらうことにして、俺はやっとお茶を飲んだ。さっきよりは味を感じたから、すごくこの味覚とかっていうのも感情に左右されるものなんだなって思った。
ジャックの腕の中はひどく安心する。お茶を飲み、お茶菓子を摘まんでのんびりしたら寝室に戻された。ベッドに下ろされそうになったけど、俺はジャックの首に腕を回してそれを阻止した。
「カイト?」
「まだだっこ」
甘ったれと言いたければ言うがいい。ジャックは俺の身体を支えながら、もう片方の手で自分の鼻と口を押えた。どうしたんだろう?
「ジャック?」
「……あまりかわいいことを言ってくれるな……」
甘ったれなのは間違いなさそうだ。俺は抱き着いたまま首を傾げた。
「……どんどん愛らしくなるな」
「……そんなわけないだろ……」
愛らしいとか、もっとちっちゃくてかわいい人に言うべきだ。俺はもう三十だぞ。そう思ったら、恥ずかしくなった。
「だっこ」ってなんだよ~。
腕を外そうとしたら更にきつく抱きしめられた。
「逃げるな」
「べ、別に逃げてなんか……」
「さっきは何を考えていたんだ?」
やっべ、覚えてた。
「え……大したことじゃないよ」
「言ってみろ」
恥ずかしいけどしぶしぶ口を開いた。
「前に……その、ロンドに俺を抱かせるみたいなこと言ってただろ? あれってまだそのつもりなのかなって……」
「……それについてはジャンと話す。それよりも……」
ジャックの声が低くなった。まずいって思った。
「カイトはアイツに抱かれたいのか?」
「そういう、わけじゃ……」
ないって言おうとしたのに噛みつくように口づけられて、案の定弁明はさせてもらえなかった。
もー、ジャックってば嫉妬深すぎ。
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