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97.なんか説教された。文化の違いは困る
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昼食を終えてもビットの顔は赤いままだった。
ビットはずーっと俺の痴態を見ていたからしょうがないのかなって思わないでもない。その後ビットを近くにいさせて俺はシーツにくるまったままベッドで転がった。ジャンがもう少し離れたところにいて俺を眺めている。なんか不思議なかんじだったけど触られたくないんだからしょうがない。
見られててもどーでもいいやってちょっと投げやりな気持ちになった。シーツを少し剥して、自分の乳首を確認する。うん、乳頭が出てる。もう陥没乳首ではなくなったみたいだ。あれだけ触られてたらこうなって当然かもしれない。
「カ、カイトッ!?」
俺が胸を晒したのを見てビットが慌てた。
「なに?」
「お、おっぱい見せちゃ、だめだろ……」
「お、おっぱいって……」
そう言われるとなんともエロい響きだ。いきなり恥ずかしくなって俺はシーツを掻き合わせた。ビットは嘆息した。そしてちら、とジャンを窺う。
「お前、カイトに言いたいことがあるなら言ってみろ。妻は自覚が足りないからな」
「はい……ありがとうございます」
ビットは俺を呆れたように見る。だからなんなんだよー。
「奥様は無防備すぎる!」
「は?」
「寝室ではしょうがないかもしれないが、一歩部屋を出たら足を隠すべきだ! 服で隠されてるはずなのに足先が見えるんだよ! 誘ってんのか!」
「えええ……」
確かに居間に出る時の服も足先が隠れるぐらい長い服を着させられてはいるけど、なんか足隠れてるのってやなんだよな。だから裾を蹴っちゃうんだけどだめだったのか。
「ベランダでもたまに足出してたりするし! レイドたちが困ってたぞ。あれはヤッていいのかって……」
「ほう、それは聞き捨てならんな」
「ひっ! じょ、冗談ですからっ!」
「……俺が悪いんだよな? ジャン、だめだ」
「カイトがそう言うなら今回は聞かなかったことにしてやろう」
「あ、ありがとうございます」
どうにかレイドの首は繋がったみたいだった。
それにしても足、かぁ。確かに既婚者は隠さなきゃいけないんだっけ。そうしないと誘ってることになっちゃうからって。文化の違い、怖い。
俺はシーツから覗いている足を隠してみた。
ビットと竜族がうんうんと頷く。どうやらこちらの世界では既婚者の足出しは本当にNGらしい。
「なぁ……俺にはわかんないんだけどさ、足ってエロく見えんの?」
「奥様が素足晒してたら超エロい」
「奥様の素足……」
ビットに即答され、竜族は言葉を詰まらせた。
「妻の足は本来夫しか見てはならない。寝室に控えている者たちは別だが」
「ふうん?」
首を傾げる。5年も暮らしてきたけどまだまだ知らないことはあるものだなと思った。
「ってことは、先輩の足を見てしまった俺は……」
足よりもおいしそうな乳首にむしゃぶりついてしまったわけだが。
「あれはカイトが天使さまだから許されたことだが、そうでなければ殺されても文句は言えない」
寝室に突撃ってやヴぁいことだったんだな。早川先輩が寛容でよかった。
回復魔法をかけられているから身体の疲れなどはないが、精神的な疲れがやヴぁい。二人に触れられないように過ごそうとしたらどうしたらいいのかわからない。
でも、それならそれで寝ればいいかとも思った。
「カイト、眠いのか?」
「ん……眠い……」
目をこしこしと擦ったら、いつのまにか側に来ていたジャンに手を外された。
「傷がつくぞ」
「触っちゃだめ……」
「頭を撫でるのもだめか?」
「だめ……」
ジャンはちょっとだけ困ったような顔をした。ハンサムの困り顔ってやっぱカッコイイなと思いながら意識が落ちた。
次に目が覚めた時、日が少し陰っているように感じた。
「ん……」
髪を撫でる手が心地いい。俺は無意識にその手に頭を摺り寄せた。
「カイト、かわいい……好きだ」
この声はジャックだなって思った。二人とも何気に声もよくて困る。
「好き、なら……言うこと、きいて……」
そう言って顔を上げた。
「すまない」
ジャックの手が離れる。俺はジャンの姿を探した。きょろきょろと見回すと部屋の隅で、壁に寄り掛かって立っていた。
「ああ、カイト。起きたのか」
「なぁ……」
二人に愛されてるってことは重々わかっている。
「なんでそんなに我慢きかないんだ? 俺、巨人族じゃないんだけど……」
「そうだな。カイトがかわいすぎるからとしか言えない」
ジャックが困ったように答える。
「カイトの匂いで興奮するんだ。カイトが感じれば感じるほど強くなる。そうしたらもう止まらないだろう?」
ジャンが答える。顔が熱くなった。そっか、匂いか。
それじゃあ……しょうがないかもってちょっと思った。
俺が感じたら匂いが強くなるって、感じてんのダダ漏れじゃん。俺が好きだったら余計に張り切っちゃうわけで……。
また顔が熱くなった。そろそろ血圧上がりすぎでやヴぁいかも。
「俺、巨人族じゃないから……大事に、優しくしてくれなきゃ、やだ……」
ばかなことを言っているのはわかっている。でもこういう主張はしておかないとだめだと思うのだ。
「そうだな。蕩けるほど甘くだもんな」
「カイト、欲情してるだろう」
ジャンがニヤリとする。匂いでバレるなんて反則だ。俺は両手で顔を覆った。
ーーーーー
次回はエロだぜ!
BL小説大賞応援ありがとうございました!
スピンオフ「敏感なイケメン騎士は童顔騎士に溺愛される」完結しました~。
超敏感な騎士が同僚に身も心も落とされちゃう話です。敏感だから感じすぎちゃってやヴぁい。
まだの方は読んでやってくださいませ~
11/19 新作スピンオフ「ナルシストな僕のオナホが繋がる先は」連載開始しました~。
こちらは短く終わる予定。
ナルシーな魔法使いがオナホを使ってオナニーしているところを騎士に見られてしまう物語でふ。とんでもなくあほでエロな展開にどこまでみなさまどこまでついてこられるのか!(ぉぃ
安定のあほエロハッピーです。
作者の頭おかしすぎです(何
ビットはずーっと俺の痴態を見ていたからしょうがないのかなって思わないでもない。その後ビットを近くにいさせて俺はシーツにくるまったままベッドで転がった。ジャンがもう少し離れたところにいて俺を眺めている。なんか不思議なかんじだったけど触られたくないんだからしょうがない。
見られててもどーでもいいやってちょっと投げやりな気持ちになった。シーツを少し剥して、自分の乳首を確認する。うん、乳頭が出てる。もう陥没乳首ではなくなったみたいだ。あれだけ触られてたらこうなって当然かもしれない。
「カ、カイトッ!?」
俺が胸を晒したのを見てビットが慌てた。
「なに?」
「お、おっぱい見せちゃ、だめだろ……」
「お、おっぱいって……」
そう言われるとなんともエロい響きだ。いきなり恥ずかしくなって俺はシーツを掻き合わせた。ビットは嘆息した。そしてちら、とジャンを窺う。
「お前、カイトに言いたいことがあるなら言ってみろ。妻は自覚が足りないからな」
「はい……ありがとうございます」
ビットは俺を呆れたように見る。だからなんなんだよー。
「奥様は無防備すぎる!」
「は?」
「寝室ではしょうがないかもしれないが、一歩部屋を出たら足を隠すべきだ! 服で隠されてるはずなのに足先が見えるんだよ! 誘ってんのか!」
「えええ……」
確かに居間に出る時の服も足先が隠れるぐらい長い服を着させられてはいるけど、なんか足隠れてるのってやなんだよな。だから裾を蹴っちゃうんだけどだめだったのか。
「ベランダでもたまに足出してたりするし! レイドたちが困ってたぞ。あれはヤッていいのかって……」
「ほう、それは聞き捨てならんな」
「ひっ! じょ、冗談ですからっ!」
「……俺が悪いんだよな? ジャン、だめだ」
「カイトがそう言うなら今回は聞かなかったことにしてやろう」
「あ、ありがとうございます」
どうにかレイドの首は繋がったみたいだった。
それにしても足、かぁ。確かに既婚者は隠さなきゃいけないんだっけ。そうしないと誘ってることになっちゃうからって。文化の違い、怖い。
俺はシーツから覗いている足を隠してみた。
ビットと竜族がうんうんと頷く。どうやらこちらの世界では既婚者の足出しは本当にNGらしい。
「なぁ……俺にはわかんないんだけどさ、足ってエロく見えんの?」
「奥様が素足晒してたら超エロい」
「奥様の素足……」
ビットに即答され、竜族は言葉を詰まらせた。
「妻の足は本来夫しか見てはならない。寝室に控えている者たちは別だが」
「ふうん?」
首を傾げる。5年も暮らしてきたけどまだまだ知らないことはあるものだなと思った。
「ってことは、先輩の足を見てしまった俺は……」
足よりもおいしそうな乳首にむしゃぶりついてしまったわけだが。
「あれはカイトが天使さまだから許されたことだが、そうでなければ殺されても文句は言えない」
寝室に突撃ってやヴぁいことだったんだな。早川先輩が寛容でよかった。
回復魔法をかけられているから身体の疲れなどはないが、精神的な疲れがやヴぁい。二人に触れられないように過ごそうとしたらどうしたらいいのかわからない。
でも、それならそれで寝ればいいかとも思った。
「カイト、眠いのか?」
「ん……眠い……」
目をこしこしと擦ったら、いつのまにか側に来ていたジャンに手を外された。
「傷がつくぞ」
「触っちゃだめ……」
「頭を撫でるのもだめか?」
「だめ……」
ジャンはちょっとだけ困ったような顔をした。ハンサムの困り顔ってやっぱカッコイイなと思いながら意識が落ちた。
次に目が覚めた時、日が少し陰っているように感じた。
「ん……」
髪を撫でる手が心地いい。俺は無意識にその手に頭を摺り寄せた。
「カイト、かわいい……好きだ」
この声はジャックだなって思った。二人とも何気に声もよくて困る。
「好き、なら……言うこと、きいて……」
そう言って顔を上げた。
「すまない」
ジャックの手が離れる。俺はジャンの姿を探した。きょろきょろと見回すと部屋の隅で、壁に寄り掛かって立っていた。
「ああ、カイト。起きたのか」
「なぁ……」
二人に愛されてるってことは重々わかっている。
「なんでそんなに我慢きかないんだ? 俺、巨人族じゃないんだけど……」
「そうだな。カイトがかわいすぎるからとしか言えない」
ジャックが困ったように答える。
「カイトの匂いで興奮するんだ。カイトが感じれば感じるほど強くなる。そうしたらもう止まらないだろう?」
ジャンが答える。顔が熱くなった。そっか、匂いか。
それじゃあ……しょうがないかもってちょっと思った。
俺が感じたら匂いが強くなるって、感じてんのダダ漏れじゃん。俺が好きだったら余計に張り切っちゃうわけで……。
また顔が熱くなった。そろそろ血圧上がりすぎでやヴぁいかも。
「俺、巨人族じゃないから……大事に、優しくしてくれなきゃ、やだ……」
ばかなことを言っているのはわかっている。でもこういう主張はしておかないとだめだと思うのだ。
「そうだな。蕩けるほど甘くだもんな」
「カイト、欲情してるだろう」
ジャンがニヤリとする。匂いでバレるなんて反則だ。俺は両手で顔を覆った。
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次回はエロだぜ!
BL小説大賞応援ありがとうございました!
スピンオフ「敏感なイケメン騎士は童顔騎士に溺愛される」完結しました~。
超敏感な騎士が同僚に身も心も落とされちゃう話です。敏感だから感じすぎちゃってやヴぁい。
まだの方は読んでやってくださいませ~
11/19 新作スピンオフ「ナルシストな僕のオナホが繋がる先は」連載開始しました~。
こちらは短く終わる予定。
ナルシーな魔法使いがオナホを使ってオナニーしているところを騎士に見られてしまう物語でふ。とんでもなくあほでエロな展開にどこまでみなさまどこまでついてこられるのか!(ぉぃ
安定のあほエロハッピーです。
作者の頭おかしすぎです(何
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良かったら獅子帝の世界をお楽しみください
ありがとうございました!
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