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25.よく考えた結果がこうなったらしい
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……後戯もしつこすぎて泣けた。
尻穴の中をたっぷり舐められてイッてしまったし、俺自身を舐め回されてイッてしまったし。本当にもう精も根も尽き果てたかんじ。また身体を拭かれて洗浄魔法をかけられて、俺はやっと身体を休めることができた。
「夕食の準備をしてくるからな」
と言われ、俺はどれだけ長い間抱かれていたのかと愕然とした。ビットは寝室の外に出て立つらしい。この寝室にはかなり強力な魔法がかかっていて、窓一つとっても許可なく開けることはできないし、よほどのことがない限り外からの侵入もできないようになっているのだという。一応表はレイドが見回ってるんだよな。そういえば奴隷を増やすようなことを言っていた。そんなに買って大丈夫なんだろうか。
ベッドでごろんごろんと転がりながら、とりとめもないことを考えている間に眠ってしまった。だって疲れてたし。
「カイト、夕食だ。起きられるか?」
抱き上げられて瞼に頬に鼻にキスをされ、俺はぼんやりと覚醒した。それなりに休めたように思う。手の甲で目を擦ったらやんわりと外された。
「目が傷つく」
「ん……」
なんか甘さが抜けなくて、俺は無意識に唇を突き出した。そこに当たり前のように唇が重なる。
はむはむと唇を食まれ、ほんの少し開いた間を舌でこじ開けられた。
「んんっ……」
歯列を舐められ、舌を舐められ、そのまま絡め取られる。ジャックの舌は肉厚で長いからすぐに唾液が溢れてしまう。
舌を絡め取られて軽く引っ張られる。それがひどく甘くてすぐにぼうっとなってしまった。
やっぱりキスされるのは好きだと思う。
「んっ、んっ……」
絡め取られた舌を精いっぱい動かしてジャックの舌を少し舐め返すと、口腔内をべろべろと舐め回されてしまった。気持ちいいよぉ。
なのにジャックはうっとりしている俺から唇を離してしまった。
「……これ以上はだめだ」
「やっ、ジャック……もっとキス……」
「夕食が先だ」
もういじわる。むかついたのでジャックの胸に頭を摺り寄せた。あとでいっぱいキスしてもらうんだから。
「……そんなにキスが好きだなんて、カイトはかわいいな」
頭上からとてもいい声で呟きが落ちてきて、俺は顔に熱が上がるのを感じた。だってすごく気持ちいいし。だけどここでへたなことを言ったらなんか押し倒されてしまうような気がしたからぐっと我慢した。うん、俺えらい。
今日の夕食は具沢山スープとサラダ、そしてミートボール入りのスパゲッティだった。俺、これ好きなんだよな。思わずにこにこしてしまう。ルパン〇世の映画で出てきた時食べたいなーって思ったやつだーって。
「スパゲッティが好きなのか?」
「んー、そういうわけじゃなくて、このミートボールが入ってるスパゲッティが好きなんだ。食べ応えあるな~」
うん、おいしい。食べ始めたらかなり腹が減っていたことがわかった。どんどん口に入ってしまう。
「そんなに急いで食べなくても誰も取らないから、しっかり噛んで食べろ」
なんか母親みたいなことを言われた。頷いて、よく噛むようにする。おいしい。
しっかり食べておなかがぱんぱんになった。おいしいもので満腹になるってすごく幸せなことだ。
ふと視線を感じてそちらを見やった。ビットが優しい目で俺を見ていた。
思い出した。なんで俺を売ったのかの理由は聞いたが、仲間としてどう思っていたのかはまだ聞いていない。
だって三年も一緒にいろんなところを回ったのだ。なんでそんな仲間を売るなんて思考ができたのか聞いてみたいと思った。
俺はビットを手招きした。
「ジャック、俺、コイツにまだ聞きたいことがあるんだ。いいか?」
「ああ、もちろんかまわない」
ビットは表情を硬くした。
居間に移動して、ソファに座ったジャックの膝に乗せられる。巨人族ってくっつくのが好きなんだなって思う。目の前に飲み物を用意された。ビットは奴隷なので立たせたままである。
「しつこいって思うかもしれないんだけど、俺、やっぱなんでお前らに売られたのかわからないんだ。あんなに楽しく一緒に働いてたのに、って。本当は、俺お前らに嫌われてたのか……?」
そうだったなんて考えたくないけど、そうとしか考えられなくて目が潤んできた。やだな、俺こんなに涙もろかったっけ。
「違う。カイ……いえ、奥様は何も悪くありません。悪いのは自分たちです」
「一緒にパーティー組んでた時、俺のことどう思ってたんだ?」
「正直、一緒にいて楽しかったです。このままずっと一緒にやっていけたらなって……思ってました……」
「じゃあなんで……」
ビットが伏せていた目を上げた。
「でも、天使さまは自分たちでは養えない。天使さまを毎日抱くのはいい。でも回復魔法が使えるのは自分とシャオだけで、洗浄魔法を使えるのも自分だけ。攫われないように守らなければならないし、少しでも怪我をしたら死んでしまうようなか弱い存在とは一緒にいられなかった。かと言って何も告げずに別れたら天使さまはすぐに死んでしまう。自分たちには天使を守れるような権力者の伝手もなかった。……だから売った」
「そん、な……」
「……少なくとも、奴隷商の元でなら天使さまは養ってもらえる。自分たちのことをいくら恨んでくれてもいい。だけど、どんな形でも生きていてほしかったんだ……」
俺にはこの世界の知識はほとんどなくて、天使さまなんて存在も自分がなって知らされた。他になんかやりようはなかったのかと恨みに思うけど、コイツらはコイツらなりにない頭を絞って考えた結果がこれだったのだろう。
「……そっか、わかった」
だからもうそれ以上は何も言えなかった。
尻穴の中をたっぷり舐められてイッてしまったし、俺自身を舐め回されてイッてしまったし。本当にもう精も根も尽き果てたかんじ。また身体を拭かれて洗浄魔法をかけられて、俺はやっと身体を休めることができた。
「夕食の準備をしてくるからな」
と言われ、俺はどれだけ長い間抱かれていたのかと愕然とした。ビットは寝室の外に出て立つらしい。この寝室にはかなり強力な魔法がかかっていて、窓一つとっても許可なく開けることはできないし、よほどのことがない限り外からの侵入もできないようになっているのだという。一応表はレイドが見回ってるんだよな。そういえば奴隷を増やすようなことを言っていた。そんなに買って大丈夫なんだろうか。
ベッドでごろんごろんと転がりながら、とりとめもないことを考えている間に眠ってしまった。だって疲れてたし。
「カイト、夕食だ。起きられるか?」
抱き上げられて瞼に頬に鼻にキスをされ、俺はぼんやりと覚醒した。それなりに休めたように思う。手の甲で目を擦ったらやんわりと外された。
「目が傷つく」
「ん……」
なんか甘さが抜けなくて、俺は無意識に唇を突き出した。そこに当たり前のように唇が重なる。
はむはむと唇を食まれ、ほんの少し開いた間を舌でこじ開けられた。
「んんっ……」
歯列を舐められ、舌を舐められ、そのまま絡め取られる。ジャックの舌は肉厚で長いからすぐに唾液が溢れてしまう。
舌を絡め取られて軽く引っ張られる。それがひどく甘くてすぐにぼうっとなってしまった。
やっぱりキスされるのは好きだと思う。
「んっ、んっ……」
絡め取られた舌を精いっぱい動かしてジャックの舌を少し舐め返すと、口腔内をべろべろと舐め回されてしまった。気持ちいいよぉ。
なのにジャックはうっとりしている俺から唇を離してしまった。
「……これ以上はだめだ」
「やっ、ジャック……もっとキス……」
「夕食が先だ」
もういじわる。むかついたのでジャックの胸に頭を摺り寄せた。あとでいっぱいキスしてもらうんだから。
「……そんなにキスが好きだなんて、カイトはかわいいな」
頭上からとてもいい声で呟きが落ちてきて、俺は顔に熱が上がるのを感じた。だってすごく気持ちいいし。だけどここでへたなことを言ったらなんか押し倒されてしまうような気がしたからぐっと我慢した。うん、俺えらい。
今日の夕食は具沢山スープとサラダ、そしてミートボール入りのスパゲッティだった。俺、これ好きなんだよな。思わずにこにこしてしまう。ルパン〇世の映画で出てきた時食べたいなーって思ったやつだーって。
「スパゲッティが好きなのか?」
「んー、そういうわけじゃなくて、このミートボールが入ってるスパゲッティが好きなんだ。食べ応えあるな~」
うん、おいしい。食べ始めたらかなり腹が減っていたことがわかった。どんどん口に入ってしまう。
「そんなに急いで食べなくても誰も取らないから、しっかり噛んで食べろ」
なんか母親みたいなことを言われた。頷いて、よく噛むようにする。おいしい。
しっかり食べておなかがぱんぱんになった。おいしいもので満腹になるってすごく幸せなことだ。
ふと視線を感じてそちらを見やった。ビットが優しい目で俺を見ていた。
思い出した。なんで俺を売ったのかの理由は聞いたが、仲間としてどう思っていたのかはまだ聞いていない。
だって三年も一緒にいろんなところを回ったのだ。なんでそんな仲間を売るなんて思考ができたのか聞いてみたいと思った。
俺はビットを手招きした。
「ジャック、俺、コイツにまだ聞きたいことがあるんだ。いいか?」
「ああ、もちろんかまわない」
ビットは表情を硬くした。
居間に移動して、ソファに座ったジャックの膝に乗せられる。巨人族ってくっつくのが好きなんだなって思う。目の前に飲み物を用意された。ビットは奴隷なので立たせたままである。
「しつこいって思うかもしれないんだけど、俺、やっぱなんでお前らに売られたのかわからないんだ。あんなに楽しく一緒に働いてたのに、って。本当は、俺お前らに嫌われてたのか……?」
そうだったなんて考えたくないけど、そうとしか考えられなくて目が潤んできた。やだな、俺こんなに涙もろかったっけ。
「違う。カイ……いえ、奥様は何も悪くありません。悪いのは自分たちです」
「一緒にパーティー組んでた時、俺のことどう思ってたんだ?」
「正直、一緒にいて楽しかったです。このままずっと一緒にやっていけたらなって……思ってました……」
「じゃあなんで……」
ビットが伏せていた目を上げた。
「でも、天使さまは自分たちでは養えない。天使さまを毎日抱くのはいい。でも回復魔法が使えるのは自分とシャオだけで、洗浄魔法を使えるのも自分だけ。攫われないように守らなければならないし、少しでも怪我をしたら死んでしまうようなか弱い存在とは一緒にいられなかった。かと言って何も告げずに別れたら天使さまはすぐに死んでしまう。自分たちには天使を守れるような権力者の伝手もなかった。……だから売った」
「そん、な……」
「……少なくとも、奴隷商の元でなら天使さまは養ってもらえる。自分たちのことをいくら恨んでくれてもいい。だけど、どんな形でも生きていてほしかったんだ……」
俺にはこの世界の知識はほとんどなくて、天使さまなんて存在も自分がなって知らされた。他になんかやりようはなかったのかと恨みに思うけど、コイツらはコイツらなりにない頭を絞って考えた結果がこれだったのだろう。
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