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19.童貞で何が悪いんだよぉ!
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居間のソファに、ジャックに抱かれたまま腰掛ける。ジャンが台所から料理を運んできた。
野菜たっぷりのスープと山盛りのバケット、そして唐揚げだった。この唐揚げ、なんの肉かわかんないんだよな。
「わぁ……おいしそう。いただきます」
手を合わせて三人で食べ始める。居間の隅でビットが控えている。なんだかすごく視線を感じて、ちら、とビットを見た。ビットの顔がほんのりと赤く染まったように見えた。なんなんだろう。
……もしかして。
「カイト、どうかしたのか?」
ジャックが俺を抱き込んだまま髪に口づける。もうそういうのやめてほしい。
「ううん。後で聞くから、いい……」
スープもおいしいし、唐揚げもおいしい。唐揚げ、だよな。俺竜田揚げとか、フリッターとかの区別もつかないけど、とにかくなんか衣をつけて揚げた肉だ。
「この肉って何?」
「魔物の肉だ」
「ふうん」
魔物ったっていろいろいると思うんだけど、ま、いっか。もぐもぐもぐもぐとおいしく食べて、満腹になったらなんか眠い。あー、水分いっぱい取らなきゃー。
「……ごちそうさな」
ジャックがちゅ、ちゅと頬とか額、鼻に口づけてくる。くすぐったくてなんか笑ってしまった。
「くすぐったいよ……」
「……カイトを休ませなければいけない。だが触れたい」
「もう……」
ジャンが俺たちの様子をにこにこしながら眺めている。不思議な兄弟だなと思う。って、複数で一人の嫁とか、やきもち焼いたりしないんだろうか。
「なぁ……」
「ん?」
「その、さ……巨人族って旦那いっぱいに奥さん一人なんだろ? 嫉妬したりしないの?」
「……妻が贔屓をすれば妬くこともあるだろうが……カイトは俺とジャンどちらが好きなんだ?」
「んん?」
なんで俺が二人のことを好きとかって話になんの? 眉を寄せた。
好き、かなぁ? 抱かれるのはすんごく気持ちいいし、大事にされてるとは思うけど……。
「俺が好きなのは早川先輩だよ?」
今のところ好きって胸張って言えるのは早川先輩だけかも。好きでもないのに二人に抱かれて乱れてるのかって? だってすっごいテクニシャンなんだぞ二人とも。身体が逆らえないってかんじ。
ジャンがにっこりした。でもなんか目が笑ってないように見える。
あ、なんかまた俺やらかしちゃった?
「……カイトは僕たちの奥さんなのに、他の男の名前を出すってどういうこと?」
えー……だって勝手に奥さんにされちゃったし……。
「だ、だって……結婚するとか、俺知らなかったし……ジャンたちが勝手に決めただろ?」
「……兄さん、やっぱり買ったものですから、奴隷待遇にしましょうか……」
「……カイトが死ぬからだめだ」
「……天使さまですものね」
怖い。俺はジャックの腕の中で自分の身体ががたがたと震えているのがわかった。
「カイト、怯えるな。お前がどう言おうと俺たちの妻であることに代わりはない。ジャン、カイトはまだよくわかっていないだけだ。たっぷり抱いて身体からわからせてやればいい」
なんかすごいこと言われてる。こんな状況なのに、俺は顔が熱くなるのを感じた。
「……そうですね。カイトは童貞ですしね」
それになんの関係があるのぉっ!?
童貞の何が悪いっていうんだよおっ!
とそこまで逆上してから、ああそうかと思った。
「……どーせ俺は童貞だよ……童貞だったから誕生日の翌日に仲間に売られて、天使とか言われてジャンに犯されるし、いろんな男にヤられるし、ジャンとジャックの嫁さんにさせられちゃうし……」
あ、まずい。なんか泣きそう。
目が潤んできたのがわかる。涙はこぼしちゃいけない。こんなことで泣くな、俺。
「カイト、泣くな」
ジャックに頬に口づけられてとうとう涙がこぼれた。俺、女じゃないのにこんな涙もろいのやだ。
「や、だっ……!」
「カイト、お前は俺たちのものだ。例えお前の心が俺たちの元にはなくても、愛することは変わりない」
ジャックに抱きしめられてるから逃げられない。この腕の中はひどく安心する。兄弟で二輪挿しとかしちゃうひどい奴らなのに、優しく撫でる大きな手とかにきゅんきゅんしてしまう。きっとこれでまたうやむやになっちゃうんだろうなと思ったら、ビットと目が合った。
ビットは明らかに蒼褪めていた。
「カイト、すまなかった!」
ビットはいきなりその場で土下座した。
今更謝られてもなと思う。
「じ、実は俺も童貞なんだ!」
…………はい?
ジャンが立ち上がる。
「妻の名を勝手に呼ぶなと何度言った」
低い、恐ろしい声。ジャンは土下座しているビットの頭を踏んだ。
ひぃ、怖い。
「も、申し訳ありません!」
「お前が童貞かどうかなんて妻には関係ないだろう」
「はい、申し訳ありませんでした!」
ぐりぐりとビットの頭を床に押し付けるジャン。怖いよー怖いよー。そういうのは俺が見てないところでやってよー。でもちょっと気になったから聞いてみた。
「ビットって、いくつだったっけ?」
「はい、奥様! 今年で20歳になります!」
若かったよ。超若かったよ。後10年もあれば童貞喪失できるんじゃね? 内心ケッと思った。
「……ふうん」
ジャンが何か考えるような顔をした。なんか嫌な予感がする。
「お前、触手族の混血だったっけ」
「はい!」
「カイトに触れたいのか?」
「はい! 触れたいです! なんで一番最初に犯しておかなかったんだって今めちゃくちゃ後悔してます!」
えー、やだー。
「そこまで聞いてない」
ジャンが更にぐりぐりとビットの頭を床に押し付けた。
「……っっ申し訳ありません!」
「……性奴隷にするか。せっかくの触手族だし。混血だけど」
なんかジャンがすごいこと言ってる。性奴隷って、触手って……。俺は思わずジャックの腕をぎゅっと抱きしめた。
ーーーー
触手エロって最高だよね!(ぉぃ
野菜たっぷりのスープと山盛りのバケット、そして唐揚げだった。この唐揚げ、なんの肉かわかんないんだよな。
「わぁ……おいしそう。いただきます」
手を合わせて三人で食べ始める。居間の隅でビットが控えている。なんだかすごく視線を感じて、ちら、とビットを見た。ビットの顔がほんのりと赤く染まったように見えた。なんなんだろう。
……もしかして。
「カイト、どうかしたのか?」
ジャックが俺を抱き込んだまま髪に口づける。もうそういうのやめてほしい。
「ううん。後で聞くから、いい……」
スープもおいしいし、唐揚げもおいしい。唐揚げ、だよな。俺竜田揚げとか、フリッターとかの区別もつかないけど、とにかくなんか衣をつけて揚げた肉だ。
「この肉って何?」
「魔物の肉だ」
「ふうん」
魔物ったっていろいろいると思うんだけど、ま、いっか。もぐもぐもぐもぐとおいしく食べて、満腹になったらなんか眠い。あー、水分いっぱい取らなきゃー。
「……ごちそうさな」
ジャックがちゅ、ちゅと頬とか額、鼻に口づけてくる。くすぐったくてなんか笑ってしまった。
「くすぐったいよ……」
「……カイトを休ませなければいけない。だが触れたい」
「もう……」
ジャンが俺たちの様子をにこにこしながら眺めている。不思議な兄弟だなと思う。って、複数で一人の嫁とか、やきもち焼いたりしないんだろうか。
「なぁ……」
「ん?」
「その、さ……巨人族って旦那いっぱいに奥さん一人なんだろ? 嫉妬したりしないの?」
「……妻が贔屓をすれば妬くこともあるだろうが……カイトは俺とジャンどちらが好きなんだ?」
「んん?」
なんで俺が二人のことを好きとかって話になんの? 眉を寄せた。
好き、かなぁ? 抱かれるのはすんごく気持ちいいし、大事にされてるとは思うけど……。
「俺が好きなのは早川先輩だよ?」
今のところ好きって胸張って言えるのは早川先輩だけかも。好きでもないのに二人に抱かれて乱れてるのかって? だってすっごいテクニシャンなんだぞ二人とも。身体が逆らえないってかんじ。
ジャンがにっこりした。でもなんか目が笑ってないように見える。
あ、なんかまた俺やらかしちゃった?
「……カイトは僕たちの奥さんなのに、他の男の名前を出すってどういうこと?」
えー……だって勝手に奥さんにされちゃったし……。
「だ、だって……結婚するとか、俺知らなかったし……ジャンたちが勝手に決めただろ?」
「……兄さん、やっぱり買ったものですから、奴隷待遇にしましょうか……」
「……カイトが死ぬからだめだ」
「……天使さまですものね」
怖い。俺はジャックの腕の中で自分の身体ががたがたと震えているのがわかった。
「カイト、怯えるな。お前がどう言おうと俺たちの妻であることに代わりはない。ジャン、カイトはまだよくわかっていないだけだ。たっぷり抱いて身体からわからせてやればいい」
なんかすごいこと言われてる。こんな状況なのに、俺は顔が熱くなるのを感じた。
「……そうですね。カイトは童貞ですしね」
それになんの関係があるのぉっ!?
童貞の何が悪いっていうんだよおっ!
とそこまで逆上してから、ああそうかと思った。
「……どーせ俺は童貞だよ……童貞だったから誕生日の翌日に仲間に売られて、天使とか言われてジャンに犯されるし、いろんな男にヤられるし、ジャンとジャックの嫁さんにさせられちゃうし……」
あ、まずい。なんか泣きそう。
目が潤んできたのがわかる。涙はこぼしちゃいけない。こんなことで泣くな、俺。
「カイト、泣くな」
ジャックに頬に口づけられてとうとう涙がこぼれた。俺、女じゃないのにこんな涙もろいのやだ。
「や、だっ……!」
「カイト、お前は俺たちのものだ。例えお前の心が俺たちの元にはなくても、愛することは変わりない」
ジャックに抱きしめられてるから逃げられない。この腕の中はひどく安心する。兄弟で二輪挿しとかしちゃうひどい奴らなのに、優しく撫でる大きな手とかにきゅんきゅんしてしまう。きっとこれでまたうやむやになっちゃうんだろうなと思ったら、ビットと目が合った。
ビットは明らかに蒼褪めていた。
「カイト、すまなかった!」
ビットはいきなりその場で土下座した。
今更謝られてもなと思う。
「じ、実は俺も童貞なんだ!」
…………はい?
ジャンが立ち上がる。
「妻の名を勝手に呼ぶなと何度言った」
低い、恐ろしい声。ジャンは土下座しているビットの頭を踏んだ。
ひぃ、怖い。
「も、申し訳ありません!」
「お前が童貞かどうかなんて妻には関係ないだろう」
「はい、申し訳ありませんでした!」
ぐりぐりとビットの頭を床に押し付けるジャン。怖いよー怖いよー。そういうのは俺が見てないところでやってよー。でもちょっと気になったから聞いてみた。
「ビットって、いくつだったっけ?」
「はい、奥様! 今年で20歳になります!」
若かったよ。超若かったよ。後10年もあれば童貞喪失できるんじゃね? 内心ケッと思った。
「……ふうん」
ジャンが何か考えるような顔をした。なんか嫌な予感がする。
「お前、触手族の混血だったっけ」
「はい!」
「カイトに触れたいのか?」
「はい! 触れたいです! なんで一番最初に犯しておかなかったんだって今めちゃくちゃ後悔してます!」
えー、やだー。
「そこまで聞いてない」
ジャンが更にぐりぐりとビットの頭を床に押し付けた。
「……っっ申し訳ありません!」
「……性奴隷にするか。せっかくの触手族だし。混血だけど」
なんかジャンがすごいこと言ってる。性奴隷って、触手って……。俺は思わずジャックの腕をぎゅっと抱きしめた。
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触手エロって最高だよね!(ぉぃ
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