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12.奴隷についていろいろ話してみた
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「ご主人様、申し訳ありませんっ!!」
三人は蒼褪めるとバッと床に土下座をした。なんか随分調教されてるなという印象を持った。
「……ジャン、これって、どういう、こと……?」
なんでここに、俺の、かつてのパーティーメンバーがいるんだろう。しかも奴隷になんかなって。ジャンを見ておそるおそる聞いたら、彼はにっこりした。口元は笑みの形なのに目が笑っていない。とても怖い。
「カイトを初めて見た時に、カイトを僕たちの奥さんにしようと思ったんだ。だからなんでカイトがあそこにいたのかなって、調べたんだよ」
「へ、へえ……そーなんだ」
「そうしたら偶然彼らを奴隷市場で見つけてね。せっかくだからカイトの護衛にしようと思ったんだ」
「ぐ、偶然……そーなんだ……」
そんな偶然ってあるものなんだろうか。ただものではないと思っていたけどジャンって実はかなりの……。ってそんなことを今考えてもしょうがない。
「ジャン、その……なんでコイツらが奴隷落ちしたのか聞いてもいい?」
「かまわない」
「えっと……本人たちに聞いても、いいのかな?」
「ああ」
ずっと土下座したままの状態が見苦しかったので、また立たせた。俺の立ち位置はご主人様たちの奥様らしい。奥様って、奥様って……。内心すっごく身もだえた。
ジャンは当たり前のように俺を横抱きにしたままソファに腰かけた。
そして、慣れた様子で足で何かを指示した。一番身体の大きいレイドがジャンの前にうつ伏せの形でうずくまる。ジャンは自然にレイドの背に足をどっかりと乗せた。
「えええ……」
レイドがどうして足置きになっているのかとか、もうどうなっているのか聞きたくてしょうがない。だが今は奴隷になった経緯が気になった。
「貴様らが奴隷になった理由を話せ」
「は、はい……」
ジャンの命令に、一番小さいシャオが声を発した。小さい、と言っても身長は俺より5cm低いぐらいで細マッチョである。ただ冒険者でやっていくには小柄な方だ。
「俺を、売ってからが聞きたい」
「……かしこまりました」
話としてはこうだ。
俺が30歳で童貞ということを知ったレイドたちは、俺を酒で酔い潰してから相談をした。俺たちは冒険者としてそれなりに稼いではいたが、あと五年もすれば稼ぎが少なくなっていくだろうという不安があったらしい。「天使」は高額で売れると聞いていたから、悪いとは思ったが老後の資金の為にと俺を売った。「天使」は奴隷になっても大事にされると聞いた。だから俺を売ったとしても俺も幸せになるはず。win-winだと勝手に自分たちを納得させたらしい。
ちょっとここで全員を殴り倒したくなったがどうにかこらえて続きを促した。
まとまった金を手にした三人は、その日暮らしの冒険者よろしく気が大きくなったらしい。奴隷商も言葉巧みに色と賭け事がメインの建物に奴らを招待し、一週間ぐらいかけて奴らを丸裸にしてしまった。せっかくの老後の資金がすっからかんになってしまった三人は慌てた。そのまま冒険者に戻ればよかったのに、最初の頃賭けで勝っていたことが忘れられず大博打に出て、見事高額の借金を背負い奴隷落ちしたらしい。
開いた口が塞がらなかった。
借金奴隷なので借金を完遂できれば自由になれる。とはいえ奴らが背負った借金はハンパな額ではなかったようだ。
「え? それ全額ジャンたちが払ったの?」
すごくもったいないと思ってしまった。
「いや、冒険者をしていたということで護衛だのなんだので何度か貸し出しをした後だったから、それほど高くはなかったな。一応護衛としては腕が立つんだが、どういうわけかトラブルを引き寄せていたらしい。おかげで他の借金奴隷よりも安く買えた」
「トラブルってどんな?」
ジャンに促されて、俺と同じぐらいのがたいのビットが答えた。
「実は……自分は触手族の混血で……」
「ええ!?」
三年ぐらい一緒にパーティーを組んでいたがビットが触手族の混血だったなんて知らなかった。特に話す必要もなかったから言ってなかったというが、奴隷は貸し出しや販売の際に種族などの明示が必要である。貸し出した相手とは別に護衛対象から性行為を強要されそうになったり、見世物にさせられそうになったりと他にもいろいろなトラブルに見舞われてすぐに返却されることが多かったのだとか。
「奴隷の貸し出しは用途が限定されている。それ以外の用途で使おうとすれば規約違反で罰金が科される。そういうのが重なってコイツらは貸し出しにも使えなくなってしまった。だが売り出すにしても額が額だ。このビットぐらいならどうにか売れそうだったが、性奴隷として調教しなければ売れないだろうという話だった。だから従業員価格で値切って買い取ってきた」
「へ、へー……」
従業員価格とはいえジャンって俺のことも買い取ったし、けっこう金持ってるんだな。この家も全体的にでかい造りで、それほど広くはないけど客間はあるし、もちろん居間も別にある。
「でも、別に……コイツらを買わなくてもよかったんじゃ……」
「三人セットの方が安く買えたんだ。それにカイトは冒険者としてそれなりに暮らしてきたんだろう? コイツらの実力もだいたいは把握してるんじゃないか?」
「そりゃあ……だいたいはわかるけど……」
でもビットが触手族の混血だったとか知らなかったぞ。
「だからどいつが家の門番向きで、裏口、家の中の護衛向きかを考えてほしい」
「ええ?」
俺は足置きにされているレイドを見た。多分コイツが表の門番向きだろうけど、どういう客を相対するかにもよる。
「護衛っていうけど……何から何を守ることを想定してるんだ?」
「カイトを誰かに攫われない為さ」
「それなら……」
俺は各自の特性を考えて配置を決めた。
ーーーー
エロどこー?
エロ書きたいよー?(ぉぃ
三人は蒼褪めるとバッと床に土下座をした。なんか随分調教されてるなという印象を持った。
「……ジャン、これって、どういう、こと……?」
なんでここに、俺の、かつてのパーティーメンバーがいるんだろう。しかも奴隷になんかなって。ジャンを見ておそるおそる聞いたら、彼はにっこりした。口元は笑みの形なのに目が笑っていない。とても怖い。
「カイトを初めて見た時に、カイトを僕たちの奥さんにしようと思ったんだ。だからなんでカイトがあそこにいたのかなって、調べたんだよ」
「へ、へえ……そーなんだ」
「そうしたら偶然彼らを奴隷市場で見つけてね。せっかくだからカイトの護衛にしようと思ったんだ」
「ぐ、偶然……そーなんだ……」
そんな偶然ってあるものなんだろうか。ただものではないと思っていたけどジャンって実はかなりの……。ってそんなことを今考えてもしょうがない。
「ジャン、その……なんでコイツらが奴隷落ちしたのか聞いてもいい?」
「かまわない」
「えっと……本人たちに聞いても、いいのかな?」
「ああ」
ずっと土下座したままの状態が見苦しかったので、また立たせた。俺の立ち位置はご主人様たちの奥様らしい。奥様って、奥様って……。内心すっごく身もだえた。
ジャンは当たり前のように俺を横抱きにしたままソファに腰かけた。
そして、慣れた様子で足で何かを指示した。一番身体の大きいレイドがジャンの前にうつ伏せの形でうずくまる。ジャンは自然にレイドの背に足をどっかりと乗せた。
「えええ……」
レイドがどうして足置きになっているのかとか、もうどうなっているのか聞きたくてしょうがない。だが今は奴隷になった経緯が気になった。
「貴様らが奴隷になった理由を話せ」
「は、はい……」
ジャンの命令に、一番小さいシャオが声を発した。小さい、と言っても身長は俺より5cm低いぐらいで細マッチョである。ただ冒険者でやっていくには小柄な方だ。
「俺を、売ってからが聞きたい」
「……かしこまりました」
話としてはこうだ。
俺が30歳で童貞ということを知ったレイドたちは、俺を酒で酔い潰してから相談をした。俺たちは冒険者としてそれなりに稼いではいたが、あと五年もすれば稼ぎが少なくなっていくだろうという不安があったらしい。「天使」は高額で売れると聞いていたから、悪いとは思ったが老後の資金の為にと俺を売った。「天使」は奴隷になっても大事にされると聞いた。だから俺を売ったとしても俺も幸せになるはず。win-winだと勝手に自分たちを納得させたらしい。
ちょっとここで全員を殴り倒したくなったがどうにかこらえて続きを促した。
まとまった金を手にした三人は、その日暮らしの冒険者よろしく気が大きくなったらしい。奴隷商も言葉巧みに色と賭け事がメインの建物に奴らを招待し、一週間ぐらいかけて奴らを丸裸にしてしまった。せっかくの老後の資金がすっからかんになってしまった三人は慌てた。そのまま冒険者に戻ればよかったのに、最初の頃賭けで勝っていたことが忘れられず大博打に出て、見事高額の借金を背負い奴隷落ちしたらしい。
開いた口が塞がらなかった。
借金奴隷なので借金を完遂できれば自由になれる。とはいえ奴らが背負った借金はハンパな額ではなかったようだ。
「え? それ全額ジャンたちが払ったの?」
すごくもったいないと思ってしまった。
「いや、冒険者をしていたということで護衛だのなんだので何度か貸し出しをした後だったから、それほど高くはなかったな。一応護衛としては腕が立つんだが、どういうわけかトラブルを引き寄せていたらしい。おかげで他の借金奴隷よりも安く買えた」
「トラブルってどんな?」
ジャンに促されて、俺と同じぐらいのがたいのビットが答えた。
「実は……自分は触手族の混血で……」
「ええ!?」
三年ぐらい一緒にパーティーを組んでいたがビットが触手族の混血だったなんて知らなかった。特に話す必要もなかったから言ってなかったというが、奴隷は貸し出しや販売の際に種族などの明示が必要である。貸し出した相手とは別に護衛対象から性行為を強要されそうになったり、見世物にさせられそうになったりと他にもいろいろなトラブルに見舞われてすぐに返却されることが多かったのだとか。
「奴隷の貸し出しは用途が限定されている。それ以外の用途で使おうとすれば規約違反で罰金が科される。そういうのが重なってコイツらは貸し出しにも使えなくなってしまった。だが売り出すにしても額が額だ。このビットぐらいならどうにか売れそうだったが、性奴隷として調教しなければ売れないだろうという話だった。だから従業員価格で値切って買い取ってきた」
「へ、へー……」
従業員価格とはいえジャンって俺のことも買い取ったし、けっこう金持ってるんだな。この家も全体的にでかい造りで、それほど広くはないけど客間はあるし、もちろん居間も別にある。
「でも、別に……コイツらを買わなくてもよかったんじゃ……」
「三人セットの方が安く買えたんだ。それにカイトは冒険者としてそれなりに暮らしてきたんだろう? コイツらの実力もだいたいは把握してるんじゃないか?」
「そりゃあ……だいたいはわかるけど……」
でもビットが触手族の混血だったとか知らなかったぞ。
「だからどいつが家の門番向きで、裏口、家の中の護衛向きかを考えてほしい」
「ええ?」
俺は足置きにされているレイドを見た。多分コイツが表の門番向きだろうけど、どういう客を相対するかにもよる。
「護衛っていうけど……何から何を守ることを想定してるんだ?」
「カイトを誰かに攫われない為さ」
「それなら……」
俺は各自の特性を考えて配置を決めた。
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エロどこー?
エロ書きたいよー?(ぉぃ
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