56 / 84
55.発言には責任を
しおりを挟む
本気になった智倫(ジーリン)は瞬く間に書類を捌いた。
私はその姿に、あっけにとられるばかりだった。私も慌てて手伝いに戻った。智倫が捌いた書類の見直しが主である。やはり一人より二人で見た方が早い。一応それらの書類を更に確認する者もいるから、間違いはないだろうと思う。今日はのちほど智軒(ジージエン)が確認したりするのかもしれない。
思ったより早く仕事が終わったことで、私はほっと息を吐いた。
そうして昼食時に智倫は、
「本日の分の仕事は終えましたので、午後は勇志(ヨンジー)と部屋に籠ります」
と宣言した。智軒が了承する。
「……では私はそれらの確認をしてから参りましょう。智倫、あまり勇志を泣かせないでくださいね」
「……善処します」
その返答は善処するつもりはないということを私は知っている。けれど抱いてもらえるのは嬉しいから何も言えなかった。
「智良哥(ジーリャングァ)、私も午後の訓練が終わり次第戻ってもいいか」
「かまわん。だがあまり勇志を泣かすなよ」
「約束はできない!」
智明(ジーミン)は正直だった。
「……だから……食事中にそういう話は……」
「申し訳ありません」
智倫が謝ったからいいことにした。そう、今日は夕飯まで智倫、智明、そして智軒に抱かれることになる。夕飯を経て入浴後は朝まで智良と二人きりだ。(今日入浴するかどうかはまだわからない)
考えただけで叫び出しそうだった。
というのも、最近は二人ずつか三人ずつで抱かれることが多かったから、一人に抱かれるのは昨日の午後が久しぶりだったのである。昨夜も智倫と智明に愛されてしまったし、朝は朝で朝勃ちの処理をさせられてしまった。
……朝のえっち、実はすごくよかった。
私は被虐趣味はないと思うのだが、足を大きく開かされて乱暴にイチモツを出し入れされてひどく感じてしまった。しかも朝勃ちの処理なのに朝から結腸まで満たされてしまって嬉しかった。
いけないいけない。食事中である。
私は軽く頭を振り、朝の記憶を追い出した。
けれど昼食を終えて、食休みをしたら智倫に抱かれるということを失念していた。
「勇志、いいですよね? 私たち、仕事も終わりましたよね?」
智倫ににっこりと笑まれて、当たり前のように抱き上げられた。一気に頬が熱くなって困る。
「あ、ああ……そう、だったな……」
「忘れてはいませんよね?」
「わ、忘れては……いない……」
夫たちに抱かれるのは嬉しいのだ。ただその……三人同時とかで愛撫されながら抱かれたりするのは勘弁してほしい。できれば一対一で抱いてほしいと思っている。それを今更己から言うのは図々しいとも思うので、やはり困ってしまうのだった。
「……のちほど私も参ろう」
「では先にいただきます」
智軒の言葉に智倫が答えた。なんだかおかしな答え方だと思ったが、”いただくもの”が私だとわかって更に頬が熱くなった。
私はいただかれてしまうらしい。とても嬉しいのだけど、やはり恥ずかしい。
智倫の肩に顔を埋めるようにして運んでもらった。
「……恥じらう勇志は本当にかわいいですね」
智倫の声が弾んでいる。本当にかわいいと思ってくれているのだろうか。だったらとても嬉しい。
結果的に夫たちを邪険にしていた四年間がなくなるわけではないが、少しは返せたらいいとは思っている。
「智倫」
「どうしました?」
「その……私のことは……好きに、してくれていいから……」
部屋に運ばれて、床に優しく下ろされた時どうにかそう告げた。
「……それは、どういう意味でしょうか?」
智倫が好きなように抱いてくれればいいと思った。なんだったらひどくしてくれてもいい。私はもう五人子どもを産んだから、産む義務はもうないはずだ。だからどんな風に扱われても受け入れようと思ったのに。
「勇志……貴方を好きにしていいとは、どういう意味ですか?」
顎を掴まれて困惑した。智倫の口元は笑んでいるのに目が笑っていない。何か、私はまずいことを言ってしまったのだろうか。
「そ、そのままの意味だが……」
「では、貴方のかわいいおまんこをもっと拡げて、智良のイチモツを一緒に入れて閉じないようにしてもいいのですか?」
「……え?」
一瞬何を言われたのかわからなかった。
智良のイチモツを一緒にって……。
もしかして、智倫と、智良のイチモツを同時に私の尻穴に入れるということだろうか。そんなことをされたらさすがに尻穴が裂けてしまいそうだけど、そうしなければいられない程私を恨んでいるというのならば……。
目が潤んできた。
「……あーもう……」
智倫は私をきつく抱きしめた。
「……そんなことできるわけがないでしょう……私たちは本当に勇志を愛しているのですよ」
そう言われて、私は智倫にひどいことを言ってしまったことにようやく気づいた。
「ご、ごめんなさ……」
「謝らないでください。でも、怒っていますから……」
「……はい」
「私なりに、好きにさせていただきますね?」
「……はい」
逆らってはいけないと思った。
私はその姿に、あっけにとられるばかりだった。私も慌てて手伝いに戻った。智倫が捌いた書類の見直しが主である。やはり一人より二人で見た方が早い。一応それらの書類を更に確認する者もいるから、間違いはないだろうと思う。今日はのちほど智軒(ジージエン)が確認したりするのかもしれない。
思ったより早く仕事が終わったことで、私はほっと息を吐いた。
そうして昼食時に智倫は、
「本日の分の仕事は終えましたので、午後は勇志(ヨンジー)と部屋に籠ります」
と宣言した。智軒が了承する。
「……では私はそれらの確認をしてから参りましょう。智倫、あまり勇志を泣かせないでくださいね」
「……善処します」
その返答は善処するつもりはないということを私は知っている。けれど抱いてもらえるのは嬉しいから何も言えなかった。
「智良哥(ジーリャングァ)、私も午後の訓練が終わり次第戻ってもいいか」
「かまわん。だがあまり勇志を泣かすなよ」
「約束はできない!」
智明(ジーミン)は正直だった。
「……だから……食事中にそういう話は……」
「申し訳ありません」
智倫が謝ったからいいことにした。そう、今日は夕飯まで智倫、智明、そして智軒に抱かれることになる。夕飯を経て入浴後は朝まで智良と二人きりだ。(今日入浴するかどうかはまだわからない)
考えただけで叫び出しそうだった。
というのも、最近は二人ずつか三人ずつで抱かれることが多かったから、一人に抱かれるのは昨日の午後が久しぶりだったのである。昨夜も智倫と智明に愛されてしまったし、朝は朝で朝勃ちの処理をさせられてしまった。
……朝のえっち、実はすごくよかった。
私は被虐趣味はないと思うのだが、足を大きく開かされて乱暴にイチモツを出し入れされてひどく感じてしまった。しかも朝勃ちの処理なのに朝から結腸まで満たされてしまって嬉しかった。
いけないいけない。食事中である。
私は軽く頭を振り、朝の記憶を追い出した。
けれど昼食を終えて、食休みをしたら智倫に抱かれるということを失念していた。
「勇志、いいですよね? 私たち、仕事も終わりましたよね?」
智倫ににっこりと笑まれて、当たり前のように抱き上げられた。一気に頬が熱くなって困る。
「あ、ああ……そう、だったな……」
「忘れてはいませんよね?」
「わ、忘れては……いない……」
夫たちに抱かれるのは嬉しいのだ。ただその……三人同時とかで愛撫されながら抱かれたりするのは勘弁してほしい。できれば一対一で抱いてほしいと思っている。それを今更己から言うのは図々しいとも思うので、やはり困ってしまうのだった。
「……のちほど私も参ろう」
「では先にいただきます」
智軒の言葉に智倫が答えた。なんだかおかしな答え方だと思ったが、”いただくもの”が私だとわかって更に頬が熱くなった。
私はいただかれてしまうらしい。とても嬉しいのだけど、やはり恥ずかしい。
智倫の肩に顔を埋めるようにして運んでもらった。
「……恥じらう勇志は本当にかわいいですね」
智倫の声が弾んでいる。本当にかわいいと思ってくれているのだろうか。だったらとても嬉しい。
結果的に夫たちを邪険にしていた四年間がなくなるわけではないが、少しは返せたらいいとは思っている。
「智倫」
「どうしました?」
「その……私のことは……好きに、してくれていいから……」
部屋に運ばれて、床に優しく下ろされた時どうにかそう告げた。
「……それは、どういう意味でしょうか?」
智倫が好きなように抱いてくれればいいと思った。なんだったらひどくしてくれてもいい。私はもう五人子どもを産んだから、産む義務はもうないはずだ。だからどんな風に扱われても受け入れようと思ったのに。
「勇志……貴方を好きにしていいとは、どういう意味ですか?」
顎を掴まれて困惑した。智倫の口元は笑んでいるのに目が笑っていない。何か、私はまずいことを言ってしまったのだろうか。
「そ、そのままの意味だが……」
「では、貴方のかわいいおまんこをもっと拡げて、智良のイチモツを一緒に入れて閉じないようにしてもいいのですか?」
「……え?」
一瞬何を言われたのかわからなかった。
智良のイチモツを一緒にって……。
もしかして、智倫と、智良のイチモツを同時に私の尻穴に入れるということだろうか。そんなことをされたらさすがに尻穴が裂けてしまいそうだけど、そうしなければいられない程私を恨んでいるというのならば……。
目が潤んできた。
「……あーもう……」
智倫は私をきつく抱きしめた。
「……そんなことできるわけがないでしょう……私たちは本当に勇志を愛しているのですよ」
そう言われて、私は智倫にひどいことを言ってしまったことにようやく気づいた。
「ご、ごめんなさ……」
「謝らないでください。でも、怒っていますから……」
「……はい」
「私なりに、好きにさせていただきますね?」
「……はい」
逆らってはいけないと思った。
1
お気に入りに追加
904
あなたにおすすめの小説
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
腐男子(攻め)主人公の息子に転生した様なので夢の推しカプをサポートしたいと思います
たむたむみったむ
BL
前世腐男子だった記憶を持つライル(5歳)前世でハマっていた漫画の(攻め)主人公の息子に転生したのをいい事に、自分の推しカプ (攻め)主人公レイナード×悪役令息リュシアンを実現させるべく奔走する毎日。リュシアンの美しさに自分を見失ない(受け)主人公リヒトの優しさに胸を痛めながらもポンコツライルの脳筋レイナード誘導作戦は成功するのだろうか?
そしてライルの知らないところでばかり起こる熱い展開を、いつか目にする事が……できればいいな。
ほのぼのまったり進行です。
他サイトにも投稿しておりますが、こちら改めて書き直した物になります。
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる