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55.発言には責任を

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 本気になった智倫(ジーリン)は瞬く間に書類を捌いた。
 私はその姿に、あっけにとられるばかりだった。私も慌てて手伝いに戻った。智倫が捌いた書類の見直しが主である。やはり一人より二人で見た方が早い。一応それらの書類を更に確認する者もいるから、間違いはないだろうと思う。今日はのちほど智軒(ジージエン)が確認したりするのかもしれない。
 思ったより早く仕事が終わったことで、私はほっと息を吐いた。
 そうして昼食時に智倫は、

「本日の分の仕事は終えましたので、午後は勇志(ヨンジー)と部屋に籠ります」

 と宣言した。智軒が了承する。

「……では私はそれらの確認をしてから参りましょう。智倫、あまり勇志を泣かせないでくださいね」
「……善処します」

 その返答は善処するつもりはないということを私は知っている。けれど抱いてもらえるのは嬉しいから何も言えなかった。

「智良哥(ジーリャングァ)、私も午後の訓練が終わり次第戻ってもいいか」
「かまわん。だがあまり勇志を泣かすなよ」
「約束はできない!」

 智明(ジーミン)は正直だった。

「……だから……食事中にそういう話は……」
「申し訳ありません」

 智倫が謝ったからいいことにした。そう、今日は夕飯まで智倫、智明、そして智軒に抱かれることになる。夕飯を経て入浴後は朝まで智良と二人きりだ。(今日入浴するかどうかはまだわからない)
 考えただけで叫び出しそうだった。
 というのも、最近は二人ずつか三人ずつで抱かれることが多かったから、一人に抱かれるのは昨日の午後が久しぶりだったのである。昨夜も智倫と智明に愛されてしまったし、朝は朝で朝勃ちの処理をさせられてしまった。
 ……朝のえっち、実はすごくよかった。
 私は被虐趣味はないと思うのだが、足を大きく開かされて乱暴にイチモツを出し入れされてひどく感じてしまった。しかも朝勃ちの処理なのに朝から結腸まで満たされてしまって嬉しかった。
 いけないいけない。食事中である。
 私は軽く頭を振り、朝の記憶を追い出した。
 けれど昼食を終えて、食休みをしたら智倫に抱かれるということを失念していた。

「勇志、いいですよね? 私たち、仕事も終わりましたよね?」

 智倫ににっこりと笑まれて、当たり前のように抱き上げられた。一気に頬が熱くなって困る。

「あ、ああ……そう、だったな……」
「忘れてはいませんよね?」
「わ、忘れては……いない……」

 夫たちに抱かれるのは嬉しいのだ。ただその……三人同時とかで愛撫されながら抱かれたりするのは勘弁してほしい。できれば一対一で抱いてほしいと思っている。それを今更己から言うのは図々しいとも思うので、やはり困ってしまうのだった。

「……のちほど私も参ろう」
「では先にいただきます」

 智軒の言葉に智倫が答えた。なんだかおかしな答え方だと思ったが、”いただくもの”が私だとわかって更に頬が熱くなった。
 私はいただかれてしまうらしい。とても嬉しいのだけど、やはり恥ずかしい。
 智倫の肩に顔を埋めるようにして運んでもらった。

「……恥じらう勇志は本当にかわいいですね」

 智倫の声が弾んでいる。本当にかわいいと思ってくれているのだろうか。だったらとても嬉しい。
 結果的に夫たちを邪険にしていた四年間がなくなるわけではないが、少しは返せたらいいとは思っている。

「智倫」
「どうしました?」
「その……私のことは……好きに、してくれていいから……」

 部屋に運ばれて、ベッドに優しく下ろされた時どうにかそう告げた。

「……それは、どういう意味でしょうか?」

 智倫が好きなように抱いてくれればいいと思った。なんだったらひどくしてくれてもいい。私はもう五人子どもを産んだから、産む義務はもうないはずだ。だからどんな風に扱われても受け入れようと思ったのに。

「勇志……貴方を好きにしていいとは、どういう意味ですか?」

 顎を掴まれて困惑した。智倫の口元は笑んでいるのに目が笑っていない。何か、私はまずいことを言ってしまったのだろうか。

「そ、そのままの意味だが……」
「では、貴方のかわいいおまんこをもっと拡げて、智良のイチモツを一緒に入れて閉じないようにしてもいいのですか?」
「……え?」

 一瞬何を言われたのかわからなかった。
 智良のイチモツを一緒にって……。
 もしかして、智倫と、智良のイチモツを同時に私の尻穴に入れるということだろうか。そんなことをされたらさすがに尻穴が裂けてしまいそうだけど、そうしなければいられない程私を恨んでいるというのならば……。
 目が潤んできた。

「……あーもう……」

 智倫は私をきつく抱きしめた。

「……そんなことできるわけがないでしょう……私たちは本当に勇志を愛しているのですよ」

 そう言われて、私は智倫にひどいことを言ってしまったことにようやく気づいた。

「ご、ごめんなさ……」
「謝らないでください。でも、怒っていますから……」
「……はい」
「私なりに、好きにさせていただきますね?」
「……はい」

 逆らってはいけないと思った。
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