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51.猫もかわいいけど猫では抱けない
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私をどう抱くかということは、四兄弟で順番を決めていたのでそこに私の意志はなかった。
だが私は彼らの妻なのだから、それに従うのは当たり前だと思っていたので特に異論はなかった。でも、もっと抱いてくれても文句は言わなかったと思う。一日に六回精を出されるのは確かにたいへんだったけど、私は夫たちに抱かれたくてたまらないからかまわなかったのだ。
智明(ジーミン)に抱き上げられて部屋に戻る。
そうして長椅子に腰掛けさせられた。侍従がお茶を運んでくる。そして一通り彼らが並べてから、夫たちは珍しく人払いをした。
「勇志(ヨンジー)、まずはお茶を」
「はい……」
普通に茶壺から杯に注がれたお茶に口をつける。みな一度気持ちを落ち着かせる為か、杯を傾けた。ずず……と茶を啜り、口の中で転がす。私の好みの味だった。
お茶にはいろいろな種類があるが、ここでは私が好んでいるものを中心に用意してくれていると思う。その指示は夫たちがしているのだろうか。そう考えたらまた頬が熱くなってしまった。
「勇志、熱でもあるのか?」
智明に額に触れられてどきどきした。
「い、いえ……いつもお茶がおいしいと、思って……」
「そうか。ならよかった」
はにかんだ表情が眩しくて、私はやっぱり困ってしまった。
最近の私はおかしい。夫たちにくっつきたくなってたまらないのだ。無意識に、離れて行こうとする智明の手を掴んだ。
「勇志?」
「……あ……私……」
カーッと一気に熱が上がったようだった。手を離そうとしたら、反対に握り返されてしまう。
「勇志はいちいち仕草もかわいいよな。まるで猫みたいだ」
「ね、猫?」
「ああ、でも猫ほど気まぐれではなさそうだ」
「猫では抱く気にはなれぬな」
智良(ジーリャン)が呟く。なんとも猫に失礼な夫たちだと私は笑った。
「やはり、毎日一人ずつがいいのではないでしょうか。夜だけでなく朝からずっとでしたら勇志を思う存分愛せるのでは?」
智倫(ジーリン)はずっとそのことについて考えていたらしい。難しい顔をしていた。私はもうどんな顔をしたらいいのかわからず、またお茶をずず……と啜った。
「私は反対です」
智良が声を上げる。
「独占できるのは確かに魅力ですが、丸一日となるとなにかあった際対応ができません。それに、また三日も勇志を抱けないのは嫌です」
「それもそうですね。勇志」
智軒に声をかけられてびくっとした。
「……はい……」
「勇志は、私たちに抱かれる時間が増えるのはどう思いますか? 嫌ですか?」
これを答えるのは勇気がいると思った。でも決して嫌ではないから、
「嫌ではない、です……」
小さな声でかろうじて答えた。
「でしたらこうしましょう。夕飯ののち、入浴をしてから後は一人が朝まで独占すると。入浴しない場合は夕飯後からですね。夜中まで勇志を愛した場合は朝はぎりぎりまで寝かせておく。逆に早めに切り上げた場合は朝えっちも可能にするなんていうのはどうでしょう? 午前中は私たちも仕事がありますから勇志の自由時間に充てることは変わりません。午後は手が空いた者から順番に三人で勇志を愛すれば、毎日触れることは可能でしょう」
智軒(ジージエン)の提案にみな考えるような顔をした。私はお茶を淹れる。飲んでないとどうしたらいいのかわからなかった。もうお茶の味もわからない。
「……さすがに夜は順番ですよね?」
智倫が確認する。
「四日間で調整できればして、できなければ相談しましょうか」
智軒がさらりと言う。
「では今夜は誰が共に過ごすことになりますか? 智軒哥はずっと勇志を抱いていましたからいけませんよ」
「残念ですが、今夜は引き下がりましょう」
智軒は少し余裕があるように見えた。私をずっと抱いていたからだろうか。そうだったら嬉しいと思ってしまうのだから、私も大概である。
「くじを作るというのもどうかと思いますし……」
また智倫が難しい顔をしている。眉間の皺が取れなくなってしまいそうだ。
「なら、勇志を一番感じさせた者が今宵共に過ごすというのはどうだ?」
智明がとんでもないことを言い出した。
「何を基準とするのです? 勇志がイク回数ですか?」
私はふるふると首を振った。そんなことをされたら延々ちんちんを舐めしゃぶられてしまうことは間違いない。ちんちんはそんなに刺激してはいけないのだ。
「……勇志の乳首をたっぷり舐めて、より勇志が気持ちいいと思った相手と過ごすというのは?」
「乳首は二つしかありませんよ」
智良の提案もどうかと思った。智倫が一蹴してくれてほっとしたが、そうしたら結局どうするのだろう。
智良がため息を吐いた。
「私は明日一晩勇志を抱かせてもらうことにする。智倫哥、智明で決めてくれ」
言い争うのが不毛だと思ったのか、智良はあっけなく引き下がった。
「智倫哥、ならば勇志の乳首をたっぷり可愛がろう」
「そうしますか」
「……え?」
私はそのままひょいと智明に抱き上げられ、床に運ばれてしまったのだった。
だが私は彼らの妻なのだから、それに従うのは当たり前だと思っていたので特に異論はなかった。でも、もっと抱いてくれても文句は言わなかったと思う。一日に六回精を出されるのは確かにたいへんだったけど、私は夫たちに抱かれたくてたまらないからかまわなかったのだ。
智明(ジーミン)に抱き上げられて部屋に戻る。
そうして長椅子に腰掛けさせられた。侍従がお茶を運んでくる。そして一通り彼らが並べてから、夫たちは珍しく人払いをした。
「勇志(ヨンジー)、まずはお茶を」
「はい……」
普通に茶壺から杯に注がれたお茶に口をつける。みな一度気持ちを落ち着かせる為か、杯を傾けた。ずず……と茶を啜り、口の中で転がす。私の好みの味だった。
お茶にはいろいろな種類があるが、ここでは私が好んでいるものを中心に用意してくれていると思う。その指示は夫たちがしているのだろうか。そう考えたらまた頬が熱くなってしまった。
「勇志、熱でもあるのか?」
智明に額に触れられてどきどきした。
「い、いえ……いつもお茶がおいしいと、思って……」
「そうか。ならよかった」
はにかんだ表情が眩しくて、私はやっぱり困ってしまった。
最近の私はおかしい。夫たちにくっつきたくなってたまらないのだ。無意識に、離れて行こうとする智明の手を掴んだ。
「勇志?」
「……あ……私……」
カーッと一気に熱が上がったようだった。手を離そうとしたら、反対に握り返されてしまう。
「勇志はいちいち仕草もかわいいよな。まるで猫みたいだ」
「ね、猫?」
「ああ、でも猫ほど気まぐれではなさそうだ」
「猫では抱く気にはなれぬな」
智良(ジーリャン)が呟く。なんとも猫に失礼な夫たちだと私は笑った。
「やはり、毎日一人ずつがいいのではないでしょうか。夜だけでなく朝からずっとでしたら勇志を思う存分愛せるのでは?」
智倫(ジーリン)はずっとそのことについて考えていたらしい。難しい顔をしていた。私はもうどんな顔をしたらいいのかわからず、またお茶をずず……と啜った。
「私は反対です」
智良が声を上げる。
「独占できるのは確かに魅力ですが、丸一日となるとなにかあった際対応ができません。それに、また三日も勇志を抱けないのは嫌です」
「それもそうですね。勇志」
智軒に声をかけられてびくっとした。
「……はい……」
「勇志は、私たちに抱かれる時間が増えるのはどう思いますか? 嫌ですか?」
これを答えるのは勇気がいると思った。でも決して嫌ではないから、
「嫌ではない、です……」
小さな声でかろうじて答えた。
「でしたらこうしましょう。夕飯ののち、入浴をしてから後は一人が朝まで独占すると。入浴しない場合は夕飯後からですね。夜中まで勇志を愛した場合は朝はぎりぎりまで寝かせておく。逆に早めに切り上げた場合は朝えっちも可能にするなんていうのはどうでしょう? 午前中は私たちも仕事がありますから勇志の自由時間に充てることは変わりません。午後は手が空いた者から順番に三人で勇志を愛すれば、毎日触れることは可能でしょう」
智軒(ジージエン)の提案にみな考えるような顔をした。私はお茶を淹れる。飲んでないとどうしたらいいのかわからなかった。もうお茶の味もわからない。
「……さすがに夜は順番ですよね?」
智倫が確認する。
「四日間で調整できればして、できなければ相談しましょうか」
智軒がさらりと言う。
「では今夜は誰が共に過ごすことになりますか? 智軒哥はずっと勇志を抱いていましたからいけませんよ」
「残念ですが、今夜は引き下がりましょう」
智軒は少し余裕があるように見えた。私をずっと抱いていたからだろうか。そうだったら嬉しいと思ってしまうのだから、私も大概である。
「くじを作るというのもどうかと思いますし……」
また智倫が難しい顔をしている。眉間の皺が取れなくなってしまいそうだ。
「なら、勇志を一番感じさせた者が今宵共に過ごすというのはどうだ?」
智明がとんでもないことを言い出した。
「何を基準とするのです? 勇志がイク回数ですか?」
私はふるふると首を振った。そんなことをされたら延々ちんちんを舐めしゃぶられてしまうことは間違いない。ちんちんはそんなに刺激してはいけないのだ。
「……勇志の乳首をたっぷり舐めて、より勇志が気持ちいいと思った相手と過ごすというのは?」
「乳首は二つしかありませんよ」
智良の提案もどうかと思った。智倫が一蹴してくれてほっとしたが、そうしたら結局どうするのだろう。
智良がため息を吐いた。
「私は明日一晩勇志を抱かせてもらうことにする。智倫哥、智明で決めてくれ」
言い争うのが不毛だと思ったのか、智良はあっけなく引き下がった。
「智倫哥、ならば勇志の乳首をたっぷり可愛がろう」
「そうしますか」
「……え?」
私はそのままひょいと智明に抱き上げられ、床に運ばれてしまったのだった。
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