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16.夕飯の後は
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この館の料理はいつもおいしい。
夕飯もまた豪華だった。
私はそれほど量は食べないが、智良と智明が豪快に食べるので見ていて気持ちがいいと思う。
私の隣には智倫が腰掛けて、私が好きな料理を甲斐甲斐しく取り分けてくれている。
「智倫、私はその……いいから。智倫も食べてくれ……」
「私はきちんと食べていますから大丈夫ですよ。勇志は華奢なのですからもう少し食べていただきたいです」
「華奢、というのだろうか……」
私は華奢ではなく貧相というのではないかと思う。私は智倫よりもちょうど頭の分ぐらい背が低い。背が高い智良、智明と共に立つと二人の首の下につむじがあるぐらいというのだろうか。智軒と智倫は智良と智明より、首の長さ分ぐらいは背が低い程度だ。
私はこんなに背が低いのに妻を迎えたいと思っていたのだなと今更ながら思った。
なんとも恥ずかしい話である。(注:巨人族の夫は背の高さが重要だったりします)
そういえば兄たちの妻である芳さまは私よりも小さかった。芳さまは私たちと同じ巨人族ではなく人族だと聞いた。人族の中では一番ぐらいに背が高かったと聞いて目を丸くしたのは覚えている。人というのは随分と小さい種族のようだった。でも芳さまは身体を鍛えていたようで、小柄ながらも身体はしっかりしていたように思う。芳さまと比べたら、私はただ背が高いだけだ。
「また何を考えていらっしゃるのですか? 勇志は私たちの愛をしっかり受け止めなければならないのですから、食べていただかなくては困りますよ?」
「そ、そう……」
智倫たちの愛を、とは……。
頬が熱くなった。
何度抱かれてもそういう話には慣れなくて困ってしまう。
「勇志はそんなに照れるのだな。……いいことだ」
智良にククッと喉の奥で笑われてもっと恥ずかしくなった。
夕飯の後の食休みを終えれば、また私は夫のうちの誰かに抱かれることになる。あの日から、夫たちは交互に私を抱いて私の身体を休ませてはくれない。
私の身体はそうされることを望んでいたから、どんなに抱かれても感じることしかなかった。
「つらくはないか?」
と智良に気遣われるのも嬉しくて、その一番太いイチモツを受け入れて余計に感じてしまったりもした。そう、智良のイチモツは明らかに他の三人よりもでかいのだった。だから、先ほどの智倫と智良の会話は真理だったりする。
智良のイチモツを、智倫が言うところの結腸まで受け入れてしまったらどんなことになってしまうのだろうとどきどきした。
「勇志」
智倫が私の手を取った。
「入浴をしましょう。慣れないことばかりで疲れたでしょう?」
「……ああ、そうだな……」
夕飯後はもう休む時間だというのに智軒は残った書類仕事の片づけがあり、智明も練兵場の片付けをするという。
「いやー、勇志があんまりかわいかったから抱きまくってしまったなー」
「智明、お前は調子に乗りすぎだ」
「智良哥は堅すぎるのです」
「が、がんばって……」
消え入りそうな声をかければ、智軒と智明がとても嬉しそうな顔をした。
「勇志はなんと愛らしいのか……」
「あー、嫁がめちゃくちゃかわいいもっと早く襲ってたっぷり愛しまくればよかったー!」
智軒と智明はそんなことを言いながら食堂を出て行った。私はいたたまれなくなって顔を俯かせることしかできない。
「全く……勇志がとても愛らしくてかわいいのは同意しますが、仕事をおろそかにするのはいただけません。では智良も参ろうか」
「わかりました」
「あっ……」
私のことは智良が抱き上げてくれた。智明もとても逞しい体躯をしているが、智良は智明よりも身体がしっかりしている。抱き上げられる時の安定感は同じくらい好きだった。
確か、義母に対して義父は三人いたと記憶している。みなそれぞれ特徴が違うのはそのせいだろう。普通は妻一人に対して夫が三人ぐらいなのだが、王家は兄弟四人のうち誰も「抱かれる身体」ではなかったことから私は四人に嫁ぐことになったのだった。もちろんそれは私が現皇帝の子であったからなのだけれども。
浴室に運ばれて衣服を脱がされた。白い靴下を丁寧に脱がされるのがなんだか恥ずかしい。
洗浄魔法で身体はキレイにできるからあまり入浴などはしないが、たまにこうして入れてもらうことはあった。
智良が智倫に私を一旦渡して衣服を脱いだ。その逞しい身体を見て、思わずため息が漏れる。
それは私が理想とする身体だった。(智明の身体も同様である)
「勇志、そんなに見るな。すぐに抱きたくなる」
「……あ……」
私は慌てて顔を背け、智倫の胸に伏せた。
「……私も少しは身体を鍛えた方がいいのだろうな」
智倫が苦笑した。
「その方がいいでしょう」
智良がしれっと答え、私を再び受け取って浴室へ足を踏み入れたのだった。
ーーーーー
皇帝の子は総じて性欲が強いです。子を成す能力も非常に高いので、そういうこともあり勇志は四人兄弟に嫁がされたという経緯もありまするー。(夫が少ないと性欲が満たせない可能性もあるという判断から)
夕飯もまた豪華だった。
私はそれほど量は食べないが、智良と智明が豪快に食べるので見ていて気持ちがいいと思う。
私の隣には智倫が腰掛けて、私が好きな料理を甲斐甲斐しく取り分けてくれている。
「智倫、私はその……いいから。智倫も食べてくれ……」
「私はきちんと食べていますから大丈夫ですよ。勇志は華奢なのですからもう少し食べていただきたいです」
「華奢、というのだろうか……」
私は華奢ではなく貧相というのではないかと思う。私は智倫よりもちょうど頭の分ぐらい背が低い。背が高い智良、智明と共に立つと二人の首の下につむじがあるぐらいというのだろうか。智軒と智倫は智良と智明より、首の長さ分ぐらいは背が低い程度だ。
私はこんなに背が低いのに妻を迎えたいと思っていたのだなと今更ながら思った。
なんとも恥ずかしい話である。(注:巨人族の夫は背の高さが重要だったりします)
そういえば兄たちの妻である芳さまは私よりも小さかった。芳さまは私たちと同じ巨人族ではなく人族だと聞いた。人族の中では一番ぐらいに背が高かったと聞いて目を丸くしたのは覚えている。人というのは随分と小さい種族のようだった。でも芳さまは身体を鍛えていたようで、小柄ながらも身体はしっかりしていたように思う。芳さまと比べたら、私はただ背が高いだけだ。
「また何を考えていらっしゃるのですか? 勇志は私たちの愛をしっかり受け止めなければならないのですから、食べていただかなくては困りますよ?」
「そ、そう……」
智倫たちの愛を、とは……。
頬が熱くなった。
何度抱かれてもそういう話には慣れなくて困ってしまう。
「勇志はそんなに照れるのだな。……いいことだ」
智良にククッと喉の奥で笑われてもっと恥ずかしくなった。
夕飯の後の食休みを終えれば、また私は夫のうちの誰かに抱かれることになる。あの日から、夫たちは交互に私を抱いて私の身体を休ませてはくれない。
私の身体はそうされることを望んでいたから、どんなに抱かれても感じることしかなかった。
「つらくはないか?」
と智良に気遣われるのも嬉しくて、その一番太いイチモツを受け入れて余計に感じてしまったりもした。そう、智良のイチモツは明らかに他の三人よりもでかいのだった。だから、先ほどの智倫と智良の会話は真理だったりする。
智良のイチモツを、智倫が言うところの結腸まで受け入れてしまったらどんなことになってしまうのだろうとどきどきした。
「勇志」
智倫が私の手を取った。
「入浴をしましょう。慣れないことばかりで疲れたでしょう?」
「……ああ、そうだな……」
夕飯後はもう休む時間だというのに智軒は残った書類仕事の片づけがあり、智明も練兵場の片付けをするという。
「いやー、勇志があんまりかわいかったから抱きまくってしまったなー」
「智明、お前は調子に乗りすぎだ」
「智良哥は堅すぎるのです」
「が、がんばって……」
消え入りそうな声をかければ、智軒と智明がとても嬉しそうな顔をした。
「勇志はなんと愛らしいのか……」
「あー、嫁がめちゃくちゃかわいいもっと早く襲ってたっぷり愛しまくればよかったー!」
智軒と智明はそんなことを言いながら食堂を出て行った。私はいたたまれなくなって顔を俯かせることしかできない。
「全く……勇志がとても愛らしくてかわいいのは同意しますが、仕事をおろそかにするのはいただけません。では智良も参ろうか」
「わかりました」
「あっ……」
私のことは智良が抱き上げてくれた。智明もとても逞しい体躯をしているが、智良は智明よりも身体がしっかりしている。抱き上げられる時の安定感は同じくらい好きだった。
確か、義母に対して義父は三人いたと記憶している。みなそれぞれ特徴が違うのはそのせいだろう。普通は妻一人に対して夫が三人ぐらいなのだが、王家は兄弟四人のうち誰も「抱かれる身体」ではなかったことから私は四人に嫁ぐことになったのだった。もちろんそれは私が現皇帝の子であったからなのだけれども。
浴室に運ばれて衣服を脱がされた。白い靴下を丁寧に脱がされるのがなんだか恥ずかしい。
洗浄魔法で身体はキレイにできるからあまり入浴などはしないが、たまにこうして入れてもらうことはあった。
智良が智倫に私を一旦渡して衣服を脱いだ。その逞しい身体を見て、思わずため息が漏れる。
それは私が理想とする身体だった。(智明の身体も同様である)
「勇志、そんなに見るな。すぐに抱きたくなる」
「……あ……」
私は慌てて顔を背け、智倫の胸に伏せた。
「……私も少しは身体を鍛えた方がいいのだろうな」
智倫が苦笑した。
「その方がいいでしょう」
智良がしれっと答え、私を再び受け取って浴室へ足を踏み入れたのだった。
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皇帝の子は総じて性欲が強いです。子を成す能力も非常に高いので、そういうこともあり勇志は四人兄弟に嫁がされたという経緯もありまするー。(夫が少ないと性欲が満たせない可能性もあるという判断から)
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