上 下
3 / 84

2.夫との初夜を迎えた後に

しおりを挟む
 部屋の照明を落としてほしいと言えば、智軒ジージエンはその通りにしてくれた。

勇志ヨンジー、息を吸って、ゆっくり吐いてください」

 智軒のイチモツを受け入れる際は、緊張して身体ががちがちになってどうしようもなかった。
 童貞はかつて高級娼夫の手ほどきを受けてどうにか失ってはいたが、処女は失ってはいなかった。普通は「抱かれる身体」だとわかった際、何人もに抱かれることで身体の相性を確かめたりするとは教えられていた。だが私は自分が「抱かれる身体」だということを忌避していたから、それまで誰にも抱かれたことはなかった。
 それを智軒にためらいながらも告げたら、彼は目を見開いて驚きを表した。
 もしかして面倒だと思われたのではないかと心配になった。
 けれど智軒は嬉しそうに笑んだ。

「処女を求めたことはありませんが……勇志の初めてを私がもらえるなんて、夢のようです」
「んんっ……」

 首筋を舐められるのはぞくぞくして嫌だった。乳首を舐められ、びっくりして押しのけようとした。

「いずれ、触れさせてくださいね」

 ちんちんを舐められるなんてとんでもなかった。やだやだと言って首を振って止めさせた。智軒は困ったような笑みを浮かべた。

「は、早く……しろ……」

 尻穴に智軒のイチモツを受け入れればそれで終わるということはわかっていた。だから足を広げて、智軒を促した。
 智軒は嘆息した。

「色気がないのはしかたありませんが……慣らすのに時間はかかりますよ? それは我慢してくださいね」

 潤滑剤をたっぷり使って尻穴をぐちょぐちょになるまでいじられ、智軒のでっかいイチモツを受け入れさせられた。

「あっ……あっ……」

 苦しいはずなのにとても気持ちがよくて、私は戸惑った。
 でかくて、硬くて、長いイチモツは半分ぐらいしか入らなかったみたいだけど、それでも智軒は射精した。

「あっ……そん、なっ……」

 一度すれば終わりになるものと思っていたけどそんなことはなく、初めてなのに三回も射精され、翌朝は全く腰が立たなかった。抱き上げられて食堂に運ばれるのはとても恥ずかしかった。
 やっと身体が動くようになったその夜には智倫ジーリンに抱かれ、次の日は智良ジーリャン、そのまた次の日は智明ジーミンにと一人ずつに抱かれた。
 みなイチモツがそれなりにでかく、長かったのだと思う。あまり人のイチモツなどまじまじと見たりしないし、根元まで納められているかどうかなんて私にはわからなかった。

「あっ、あっ、あっ、あっ」

「抱かれる身体」のせいか、毎晩ように丁寧に抱かれれば感じてしまう。彼らは私が感じるところを控えめにではあったが優しく責めて、毎回私をイカせた。
 それから二か月後妊娠が発覚した。産卵に向けて魔力を貯める為になのだろうか、抱かれたくて抱かれたくてたまらなくなってしまい、産卵するまで夫たちに延々抱かれ続けた。
 産卵して正気に返ったが、身体は明らかに結婚した当初とは変わっていた。

「どうしよう……」

 もっと抱かれたくてたまらないなんてとても言えない。
 一人にされた寝室で、私はただ自分の身体を抱きしめて震えていることしかできなかった。
 私はそれでも夫たちにねだることができず、自分が出した結婚時の取り決めにがんじがらめになりながら何年もそうやって暮らした。もう一晩一人に抱かれるだけでは身体の疼きが抑えられなくなっているというのに、夫たちは変わらず最初の取り決めを守ってくれている。
 時々どうしようもなくなって、離れようとする夫を引き止める他は余分に抱いてもらえることもない。こうなったら妊娠するしかないと、毎晩身体だけは素直に開き夫のイチモツを受け入れた。
 そうして何年過ぎただろう。
 私は昨日とうとう五つ目の卵を産み落とした。
 また一週間一人寝をするようなのかと思った時、涙がこぼれた。
 そういえば、と記憶を呼び戻そうとする。
 長いこと結婚しないでいた兄たちが結婚したと、五人目を妊娠した当初に聞いたことを思い出した。

「どんな人なんだろう……」

 兄たちの結婚相手に興味が湧いた。
 そして侍従たちに話を聞き、私は兄たちの館へお邪魔することにしたのだった。
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?

寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。 ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。 ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。 その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。 そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。 それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。 女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。 BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。 このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう! 男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!? 溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。

執着攻めと平凡受けの短編集

松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。 疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。 基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

処理中です...