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57.智紀、部活発表会に参加す
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写真部に手伝ってもらい、鳥たちの写真をバシバシ撮った。
カケスやスズメたちは最初エー? というかんじだったが、ピー太とユーリがどう話したのか、意外とノリ良く写真を撮らせてくれた。なかなかに話のわかる鳥たちである。
そのポーズは野生じゃありえないだろっていうのまで撮らせてくれた。俺たちがイメージしている鳥の恰好と違っただけかもしれないけれど。
決して一定以上の距離は近づいてこないが、少し認めてもらえたような気がした。
え? フクロウはって? フクロウは暗くなってからしか起きてこないからスマホのカメラ機能じゃうまく撮れないんだよ。俺のスマホだからかもしれないけど。
ユーリが話してくれたみたいだけどフクロウは出てきてくれなかったから、写真の展示はできなかった。
もしかしたら恥ずかしがり屋さんなのかもしれない。
「……トモ君てさ」
その話を展示中の教室で稲村にしたら、そこで言葉を切られた。なんなんだ、いったい。
写真や今まで作った物を展示している教室には、最低二人で受付をすることになっている。それで今は稲村と一緒だ。ピー太は退屈らしく教室の中を適当に飛んでいる。ピー太は付き合わなくてもよかったんだけどな。
「なんだよ?」
「大林、口尖らせるなよ。かわいいから」
「あ?」
後ろから手が伸びてきたかと思ったらいきなり口に触れられた。キッモ!
ピピーッ、ピーッ、ギャギャギャギャッ! とすごい鳴き声がしたかと思ったら、同時に「いてっ! いたたっ!」と慌てるような声がした。手は離れている。慌てて振り向いたら、ピー太がちょうど宮田をつつきまくっているところだった。
さっき口に触れたのは宮田だったらしい。うわー、止めてほしい。俺は腕で口をごしごし拭いた。
「トモ君、傷ついちゃうよ?」
「気持ち悪くて……」
「冗談でも口とか触っちゃだめじゃん!」
「いててっ、お前ら止めろよっ!」
宮田に抗議されたがべーっと舌を出した。
「セクハラする奴なんか助けるかよっ。ピー太、もう止めていいよ」
でも反撃されてピー太が怪我したら困るからなとピー太を呼んだ。ピー太は宮田をつつき回していたが、俺が呼ぶとすぐに俺のところへきた。ピー太ってばホントかわいいよなー。
他の奴らが見ていなくてよかった。
部活発表会は一応参観も必須なのだが、気になった部活五カ所を回ればよくて、それ以上は任意なのだ。中には全ての展示を回る生徒もいれば、おざなりに五カ所見て回って戻るなんて生徒もいる。俺たちの展示も興味がなければそんなに見るような物でもない。それでも緒方や山根が見に来てくれたから嬉しかった。
先輩たちと交替して、他の部活の展示や農業管理部による新米の試食会、料理研究部による豚汁の試食など参加してみればとても楽しかった。食い気じゃないかって? ほっとけ。ちなみにピー太が一緒に行ったら農業管理部で少し玄米を分けてもらった。
「スズメにもよろしく」
なんて言われてしまったので、スズメたちにも少し分けてあげた。
森林管理部の展示で食べられるドングリの実をメモったりもしてみた。でもよく考えたら、カケスは自分たちで採るかもなと思ったりもした。
部活発表会が終わってからは、宮田はもう絡んでこなくなった。
ちょっと冗談にしては度が過ぎてたと思う。宮田とはそこまで親しいわけじゃなかったし。
宮田のあれは距離感がわからないとかいうアレなやつだったのだろうか。それを稲村に聞いたら微妙な顔をされ、ため息をつかれた。
「トモ君はずっとそのままでいてね」
とか言われてそっと肩を抱かれてしまった。意味がわからん。
部活発表会が終われば冬支度と期末テストである。テストは嫌だがサボッて赤点を取るわけにはいかない。ピー太と一緒にいる為にがんばるのだ。
「冬休みはどうするの?」
親から国際電話があった。母さんからだ。
メールで勘弁してほしい。冬休みなんてものがあったなと言われて気づいた。何も決めていなかったが、ピー太たちが心配である。
「こっちで過ごすよ」
「そうなの? 私たちも一時帰国するから一緒に過ごしましょうよ」
「うーん……」
あんまり気が進まなかった。
「即答はできない」
と答えた。一緒に上海に行こうと毎回行ってくる家族に会いたいとは思えなかった。
「どーすっかな……」
高校生にもなって親と弟の顔が見たいかって聞かれると……微妙だな。
ピー太の側にいたいことは変わらない。村西と稲村に聞いてみようと思った。
というわけで、年末年始の予定を二人に聞いてみた。
「……年末に一日は帰る」
村西は考えるようにして答えた。稲村はうーん、と天井を見上げた。
「うちはー……わかんないけど、多分帰らないと思う。トモ君はー?」
「なんか親が帰国するとは言ってるけど、会いたくないんだよなー。上海に来いってことあるごとに言われるからさ」
「それは確かに嫌かもー」
稲村は笑った。
でも短時間なら会ってもいいかもしれない。それで弟に背を抜かれてたらへこむが。
「俺もちょっと考えるか……」
会って、やっぱり嫌だと思ったらまたしばらく会わなきゃいいだけだもんな。つっても、ちょっと会うだけでも一日がかりってのがつらいけど。
悩ましい問題だった。
カケスやスズメたちは最初エー? というかんじだったが、ピー太とユーリがどう話したのか、意外とノリ良く写真を撮らせてくれた。なかなかに話のわかる鳥たちである。
そのポーズは野生じゃありえないだろっていうのまで撮らせてくれた。俺たちがイメージしている鳥の恰好と違っただけかもしれないけれど。
決して一定以上の距離は近づいてこないが、少し認めてもらえたような気がした。
え? フクロウはって? フクロウは暗くなってからしか起きてこないからスマホのカメラ機能じゃうまく撮れないんだよ。俺のスマホだからかもしれないけど。
ユーリが話してくれたみたいだけどフクロウは出てきてくれなかったから、写真の展示はできなかった。
もしかしたら恥ずかしがり屋さんなのかもしれない。
「……トモ君てさ」
その話を展示中の教室で稲村にしたら、そこで言葉を切られた。なんなんだ、いったい。
写真や今まで作った物を展示している教室には、最低二人で受付をすることになっている。それで今は稲村と一緒だ。ピー太は退屈らしく教室の中を適当に飛んでいる。ピー太は付き合わなくてもよかったんだけどな。
「なんだよ?」
「大林、口尖らせるなよ。かわいいから」
「あ?」
後ろから手が伸びてきたかと思ったらいきなり口に触れられた。キッモ!
ピピーッ、ピーッ、ギャギャギャギャッ! とすごい鳴き声がしたかと思ったら、同時に「いてっ! いたたっ!」と慌てるような声がした。手は離れている。慌てて振り向いたら、ピー太がちょうど宮田をつつきまくっているところだった。
さっき口に触れたのは宮田だったらしい。うわー、止めてほしい。俺は腕で口をごしごし拭いた。
「トモ君、傷ついちゃうよ?」
「気持ち悪くて……」
「冗談でも口とか触っちゃだめじゃん!」
「いててっ、お前ら止めろよっ!」
宮田に抗議されたがべーっと舌を出した。
「セクハラする奴なんか助けるかよっ。ピー太、もう止めていいよ」
でも反撃されてピー太が怪我したら困るからなとピー太を呼んだ。ピー太は宮田をつつき回していたが、俺が呼ぶとすぐに俺のところへきた。ピー太ってばホントかわいいよなー。
他の奴らが見ていなくてよかった。
部活発表会は一応参観も必須なのだが、気になった部活五カ所を回ればよくて、それ以上は任意なのだ。中には全ての展示を回る生徒もいれば、おざなりに五カ所見て回って戻るなんて生徒もいる。俺たちの展示も興味がなければそんなに見るような物でもない。それでも緒方や山根が見に来てくれたから嬉しかった。
先輩たちと交替して、他の部活の展示や農業管理部による新米の試食会、料理研究部による豚汁の試食など参加してみればとても楽しかった。食い気じゃないかって? ほっとけ。ちなみにピー太が一緒に行ったら農業管理部で少し玄米を分けてもらった。
「スズメにもよろしく」
なんて言われてしまったので、スズメたちにも少し分けてあげた。
森林管理部の展示で食べられるドングリの実をメモったりもしてみた。でもよく考えたら、カケスは自分たちで採るかもなと思ったりもした。
部活発表会が終わってからは、宮田はもう絡んでこなくなった。
ちょっと冗談にしては度が過ぎてたと思う。宮田とはそこまで親しいわけじゃなかったし。
宮田のあれは距離感がわからないとかいうアレなやつだったのだろうか。それを稲村に聞いたら微妙な顔をされ、ため息をつかれた。
「トモ君はずっとそのままでいてね」
とか言われてそっと肩を抱かれてしまった。意味がわからん。
部活発表会が終われば冬支度と期末テストである。テストは嫌だがサボッて赤点を取るわけにはいかない。ピー太と一緒にいる為にがんばるのだ。
「冬休みはどうするの?」
親から国際電話があった。母さんからだ。
メールで勘弁してほしい。冬休みなんてものがあったなと言われて気づいた。何も決めていなかったが、ピー太たちが心配である。
「こっちで過ごすよ」
「そうなの? 私たちも一時帰国するから一緒に過ごしましょうよ」
「うーん……」
あんまり気が進まなかった。
「即答はできない」
と答えた。一緒に上海に行こうと毎回行ってくる家族に会いたいとは思えなかった。
「どーすっかな……」
高校生にもなって親と弟の顔が見たいかって聞かれると……微妙だな。
ピー太の側にいたいことは変わらない。村西と稲村に聞いてみようと思った。
というわけで、年末年始の予定を二人に聞いてみた。
「……年末に一日は帰る」
村西は考えるようにして答えた。稲村はうーん、と天井を見上げた。
「うちはー……わかんないけど、多分帰らないと思う。トモ君はー?」
「なんか親が帰国するとは言ってるけど、会いたくないんだよなー。上海に来いってことあるごとに言われるからさ」
「それは確かに嫌かもー」
稲村は笑った。
でも短時間なら会ってもいいかもしれない。それで弟に背を抜かれてたらへこむが。
「俺もちょっと考えるか……」
会って、やっぱり嫌だと思ったらまたしばらく会わなきゃいいだけだもんな。つっても、ちょっと会うだけでも一日がかりってのがつらいけど。
悩ましい問題だった。
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