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8.智紀、理事長に提案される
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ピー太は寮に着くと頷くような仕草をして飛んでいった。
もしかして学校まで迎えに来てくれたのだろうか。かわいい奴だなぁと思った。
午後、教科書の確認したりしていたら寮監の嵐山さんがやってきた。(乱丁、落丁はないと思うがチェックは必須である)
「やあ、邪魔をしに来たよー」
「あ、理事長先生……」
「理事長先生なんて止めてよー。なんかおじいちゃんみたいじゃん。嵐山さんでよろしく!」
「は、はい……嵐山さん」
種明かしができて楽しいのか、嵐山さんはテンションが高かった。間違いなく毎年やってるんだろうな。山の中だし、あんまり楽しみないのかなと思ったら、
「……楽しみとか、他にないんですか?」
村西がストレートに聞いてしまった。
「ぐはぁっ!」
嵐山さんはダメージを受けたように胸を押さえた。
「な、なかなか直球だね……。はい、内緒だけど差し入れどーぞ」
「え? あ、ありがとうございます」
ペットボトルのお茶をもらってしまった。素直にありがたい。
「えーとね、ちょっと君たちに用事があって来たんだけどさ。君たちどんな部活に入るとか決めてる? もちろん帰宅部でもいいけど、大学に行く場合は内申点が大事だからどこかに入っておいた方がいいかなー」
「あー、えーと……」
俺は今日もらった部活動一覧表を出して開いた。実はまだ何も考えていなかった。
「俺は……特にまだこれといって考えてはいません」
村西が答えた。背も高いしがたいがいいからバスケ部とかに入るかと思っていたから意外だった。勝手にイメージ作ってすまん。
「あ、俺もです」
「そっか。じゃあ、ちょっと考えておいてほしいんだけど、生物管理部ってやらない?」
「え?」
そんな名称の部活はなかったはずだけど、とまた表を見返した。
「……書いてませんけど?」
「これから作るのはどうかな?」
「えええ?」
話としてはこうだった。
寮の東側の山部分には沢山の鳥や生き物が生息しているらしい。危険な生き物は学校側で駆除するようにしているが、中にはうちのピー太のような学校側に協力している生き物もいるのだそうだ。
「暖かい間はそれほど管理とかも必要ないんだけど、寒くなってくると動きが鈍くなったり死んじゃったりするから、できたら彼らの面倒を見てほしいんだよ。ピー太君は大林君に懐いてるみたいだし、どうかな?」
「うーん……俺はかまいませんけど、俺一人では厳しいです」
「それは大丈夫。何人か賛同者はいるから、明日にでも会ってもらえるかな?」
俺はちら、と村西を見た。できれば一緒に参加してほしいけど、村西がどう考えているのかまではわからない。
「……ちょっと即答は難しいんで、返事は明日でもいいですか?」
村西がぶっきらぼうにそう言った。
「もちろんかまわないよ。部活動にはお試し期間もあるしね。だいたい二週間ぐらいだったかな。それまでにどの部に参加するか決めてくれればいい。入りたい部がなければ入らなくてもかまわないよ」
「わかりました。ありがとうございます」
村西はきっちりと頭を下げた。
「あ、そうだ。大林君、稲村君も誘ってみていいかい?」
「あ、ええ……稲村さえよければ……」
「ありがとう。それじゃあね」
嵐山さんはひらひらと手を振って部屋を出て行った。なんつーか、名前だけじゃなくて実際に嵐のような人だなと思った。
「生物管理部かー……名称がいかついよなー」
なんかワルイコトとかしてそう。
村西が少し考えるような顔をした。
「……確かに」
名称がいかついに同意してくれたらしい。村西は俺と違ってなんとなくで生きていなさそうだ。
ピィ、ピピーッ! という鳴き声が聞こえたので顔を上げた。東側の窓辺にピー太が来ていた。
「村西、窓開けてもいいか?」
「いいよ」
俺だけの部屋じゃないから了解は得なければいけないだろう。
「いちいち俺に確認しなくてもかまわない。机とかベッドにフンを落とされるのは困るけど」
「それは俺も困るから、そうなったら俺が責任取るよ」
ここでフンするなとか言ったって鳥じゃわかんないだろうしな、と思ってから、そういえばまだ部屋の中とかでフンをされていないなとも思った。
鳥って飛びながらフンとかするものじゃなかったっけ?
窓を開けると、ピー太は嬉しそうにバサバサと羽ばたいて、俺の腕に上手に留まった。
「ピー太、お前どこに行ってたんだ?」
ピー太は俺が言っていることがわからないというように首をコキャッと傾げさせた。目つきは悪いんだけど、こういう仕草はかわいいなと思ったのだった。
もしかして学校まで迎えに来てくれたのだろうか。かわいい奴だなぁと思った。
午後、教科書の確認したりしていたら寮監の嵐山さんがやってきた。(乱丁、落丁はないと思うがチェックは必須である)
「やあ、邪魔をしに来たよー」
「あ、理事長先生……」
「理事長先生なんて止めてよー。なんかおじいちゃんみたいじゃん。嵐山さんでよろしく!」
「は、はい……嵐山さん」
種明かしができて楽しいのか、嵐山さんはテンションが高かった。間違いなく毎年やってるんだろうな。山の中だし、あんまり楽しみないのかなと思ったら、
「……楽しみとか、他にないんですか?」
村西がストレートに聞いてしまった。
「ぐはぁっ!」
嵐山さんはダメージを受けたように胸を押さえた。
「な、なかなか直球だね……。はい、内緒だけど差し入れどーぞ」
「え? あ、ありがとうございます」
ペットボトルのお茶をもらってしまった。素直にありがたい。
「えーとね、ちょっと君たちに用事があって来たんだけどさ。君たちどんな部活に入るとか決めてる? もちろん帰宅部でもいいけど、大学に行く場合は内申点が大事だからどこかに入っておいた方がいいかなー」
「あー、えーと……」
俺は今日もらった部活動一覧表を出して開いた。実はまだ何も考えていなかった。
「俺は……特にまだこれといって考えてはいません」
村西が答えた。背も高いしがたいがいいからバスケ部とかに入るかと思っていたから意外だった。勝手にイメージ作ってすまん。
「あ、俺もです」
「そっか。じゃあ、ちょっと考えておいてほしいんだけど、生物管理部ってやらない?」
「え?」
そんな名称の部活はなかったはずだけど、とまた表を見返した。
「……書いてませんけど?」
「これから作るのはどうかな?」
「えええ?」
話としてはこうだった。
寮の東側の山部分には沢山の鳥や生き物が生息しているらしい。危険な生き物は学校側で駆除するようにしているが、中にはうちのピー太のような学校側に協力している生き物もいるのだそうだ。
「暖かい間はそれほど管理とかも必要ないんだけど、寒くなってくると動きが鈍くなったり死んじゃったりするから、できたら彼らの面倒を見てほしいんだよ。ピー太君は大林君に懐いてるみたいだし、どうかな?」
「うーん……俺はかまいませんけど、俺一人では厳しいです」
「それは大丈夫。何人か賛同者はいるから、明日にでも会ってもらえるかな?」
俺はちら、と村西を見た。できれば一緒に参加してほしいけど、村西がどう考えているのかまではわからない。
「……ちょっと即答は難しいんで、返事は明日でもいいですか?」
村西がぶっきらぼうにそう言った。
「もちろんかまわないよ。部活動にはお試し期間もあるしね。だいたい二週間ぐらいだったかな。それまでにどの部に参加するか決めてくれればいい。入りたい部がなければ入らなくてもかまわないよ」
「わかりました。ありがとうございます」
村西はきっちりと頭を下げた。
「あ、そうだ。大林君、稲村君も誘ってみていいかい?」
「あ、ええ……稲村さえよければ……」
「ありがとう。それじゃあね」
嵐山さんはひらひらと手を振って部屋を出て行った。なんつーか、名前だけじゃなくて実際に嵐のような人だなと思った。
「生物管理部かー……名称がいかついよなー」
なんかワルイコトとかしてそう。
村西が少し考えるような顔をした。
「……確かに」
名称がいかついに同意してくれたらしい。村西は俺と違ってなんとなくで生きていなさそうだ。
ピィ、ピピーッ! という鳴き声が聞こえたので顔を上げた。東側の窓辺にピー太が来ていた。
「村西、窓開けてもいいか?」
「いいよ」
俺だけの部屋じゃないから了解は得なければいけないだろう。
「いちいち俺に確認しなくてもかまわない。机とかベッドにフンを落とされるのは困るけど」
「それは俺も困るから、そうなったら俺が責任取るよ」
ここでフンするなとか言ったって鳥じゃわかんないだろうしな、と思ってから、そういえばまだ部屋の中とかでフンをされていないなとも思った。
鳥って飛びながらフンとかするものじゃなかったっけ?
窓を開けると、ピー太は嬉しそうにバサバサと羽ばたいて、俺の腕に上手に留まった。
「ピー太、お前どこに行ってたんだ?」
ピー太は俺が言っていることがわからないというように首をコキャッと傾げさせた。目つきは悪いんだけど、こういう仕草はかわいいなと思ったのだった。
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