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6.智紀、ピー太と交流を深める
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ピー太は人の肩に乗ったままゲップのような音を出した。失礼な奴だ。
ま、オカメインコだからしょうがないよな。
稲村にピー太が助けたって、何があったんだ? と聞いたら、一緒にここに着いた生徒たちに女かよーなどと言われてからかわれていたところにピー太が通りかかり、他の生徒をつつき回してくれたのだそうだ。
人の容姿をどうのこうのとからかうのはいただけないな。
ピー太、グッジョブ! と思ったが一応窘めないといけないだろう。
「ピー太、お前何やってんだ?」
顔をピー太に向けると身体を寄せられた。羽毛が柔らかくてくすぐったい。
かわいいじゃないか。
って、そうじゃなくて。
「ピー太、助けるのはいいけど反撃されたりしたら危ないだろう? 気を付けろよー?」
ピピッ! とピー太が返事をする。やっぱりピー太はかわいい奴だ。
たった五か月しか一緒にいなかったはずなのに、やっぱり俺たちはマブダチだなと思った。
朝飯を食べている間ずっと視線を感じた。俺はそういうのに全然敏い方ではないのだが、誰かに見られていると言うのを明確に感じたのだ。
さっきから思っていたけど視線が痛いというのだろうか。
で、なんだろうと顔を上げたら、本当にじっと見られていた。それも食堂にいるほとんどの生徒たちに、である。
「……え? なんで俺、見られてんの……?」
ちょっと気味が悪い。
「多分トモ君のことじゃなくて、みんなピー太君を見てるんじゃないかな?」
「あ、そーか……」
稲村に言われて納得した。つーか、なんでピー太はずっと俺の肩に乗ってんだ? いいかげん爪が食い込んで痛いんだが。
「ピー太、お前ヒマなのか?」
そう聞いたら耳を齧られた。
「いってーーーっっ! 耳齧るんじゃねーーっ!」
ピー太はバサバサと飛んでまた窓の外へ行ってしまった。全く、なんなんだいったい。
「トモ君、大丈夫?」
「あー、いてー。血とか出てない?」
「大丈夫みたいだよ」
「ならいいや、ありがと」
確認してくれた稲村に礼を言い、とりあえずごはんを食べた。稲村のルームメイトは他の部屋に友達がいるらしく、いつも別行動なのだと言っていた。
「トモ君とムラ君さえよかったら、後で部屋に遊びに行ってもいいかな?」
稲村はなかなか人懐っこかった。
「村西」
「……俺はいいよ」
頷いた。つっても今日も片付けはしなきゃいけないし、明日の準備もあるからお互い邪魔にならない程度でお願いしたい。
稲村はなかなかに人懐っこい。勝手に呼び方を決めてしまうし。まぁ、いいけど。
部屋に戻ると、何故か窓の外にピー太がいた。
「お前はストーカーかなんかかっ!?」
でも窓は開けて招き入れてしまった。だってかわいいし。
「片付けとか、確認しなきゃいけないこととかいろいろあるから邪魔すんなよー」
ピー太はピピッ! と返事をして、大体俺の肩の上に乗っていた。俺もピー太と再会できるなんて思ってなかったから、嬉しくてそのままでいた。
村西が俺たちからさりげなく離れていく。この時は気づかなかったが、村西は鳥が苦手みたいだった。
そんなかんじで明日の準備をしたりして、稲村が遊びに来たり、ピー太がどっかいったりしていたらその日も飛ぶように過ぎてしまった。
暗くなる前にピー太は戻って行った。寮から少し離れたところに広がっている林の奥に小屋があるらしい。今度連れて行ってもらいたいと思った。
で、もう翌日は入学式である。
「……日が経つのってあっという間だな……」
寝る前に呟いたら、「そうだな」と返事があった。
「村西」
「うん?」
「仲良くしてくれよー」
「……ああ」
村西はぶっきらぼうで、あんまり近寄ってもこないけどいい奴だと思う。このまま三年間仲良くやっていければいいなと思った。
制服はぶかぶかだった。
なんか服に着られているというかんじである。ブレザーの袖も長くて、指しか出ない。
「……いくらなんだってこれ、でかすぎだろ……」
「親が買ったんだろ? サイズの確認とかしなかったのか?」
「親が忙しくて試着とか行けなかったんだ……」
「……それぞれ事情はあるよな」
「まぁね」
そういえば全然関係ないことは話したが、なんでここに来たのかとかまだ村西には話していなかった。村西も話さなかったからだと思う。
村西はなんかワケアリなんだろうか。うちは海外赴任先についていきたくなかっただけなんだが。
気軽に聞いていいことでもないよな。
「大林、メシは?」
「ああっ、食いに行かないと!」
慌てて村西と共に俺は食堂へ向かった。今朝はピー太のことを考えている余裕はなかった。
ま、オカメインコだからしょうがないよな。
稲村にピー太が助けたって、何があったんだ? と聞いたら、一緒にここに着いた生徒たちに女かよーなどと言われてからかわれていたところにピー太が通りかかり、他の生徒をつつき回してくれたのだそうだ。
人の容姿をどうのこうのとからかうのはいただけないな。
ピー太、グッジョブ! と思ったが一応窘めないといけないだろう。
「ピー太、お前何やってんだ?」
顔をピー太に向けると身体を寄せられた。羽毛が柔らかくてくすぐったい。
かわいいじゃないか。
って、そうじゃなくて。
「ピー太、助けるのはいいけど反撃されたりしたら危ないだろう? 気を付けろよー?」
ピピッ! とピー太が返事をする。やっぱりピー太はかわいい奴だ。
たった五か月しか一緒にいなかったはずなのに、やっぱり俺たちはマブダチだなと思った。
朝飯を食べている間ずっと視線を感じた。俺はそういうのに全然敏い方ではないのだが、誰かに見られていると言うのを明確に感じたのだ。
さっきから思っていたけど視線が痛いというのだろうか。
で、なんだろうと顔を上げたら、本当にじっと見られていた。それも食堂にいるほとんどの生徒たちに、である。
「……え? なんで俺、見られてんの……?」
ちょっと気味が悪い。
「多分トモ君のことじゃなくて、みんなピー太君を見てるんじゃないかな?」
「あ、そーか……」
稲村に言われて納得した。つーか、なんでピー太はずっと俺の肩に乗ってんだ? いいかげん爪が食い込んで痛いんだが。
「ピー太、お前ヒマなのか?」
そう聞いたら耳を齧られた。
「いってーーーっっ! 耳齧るんじゃねーーっ!」
ピー太はバサバサと飛んでまた窓の外へ行ってしまった。全く、なんなんだいったい。
「トモ君、大丈夫?」
「あー、いてー。血とか出てない?」
「大丈夫みたいだよ」
「ならいいや、ありがと」
確認してくれた稲村に礼を言い、とりあえずごはんを食べた。稲村のルームメイトは他の部屋に友達がいるらしく、いつも別行動なのだと言っていた。
「トモ君とムラ君さえよかったら、後で部屋に遊びに行ってもいいかな?」
稲村はなかなか人懐っこかった。
「村西」
「……俺はいいよ」
頷いた。つっても今日も片付けはしなきゃいけないし、明日の準備もあるからお互い邪魔にならない程度でお願いしたい。
稲村はなかなかに人懐っこい。勝手に呼び方を決めてしまうし。まぁ、いいけど。
部屋に戻ると、何故か窓の外にピー太がいた。
「お前はストーカーかなんかかっ!?」
でも窓は開けて招き入れてしまった。だってかわいいし。
「片付けとか、確認しなきゃいけないこととかいろいろあるから邪魔すんなよー」
ピー太はピピッ! と返事をして、大体俺の肩の上に乗っていた。俺もピー太と再会できるなんて思ってなかったから、嬉しくてそのままでいた。
村西が俺たちからさりげなく離れていく。この時は気づかなかったが、村西は鳥が苦手みたいだった。
そんなかんじで明日の準備をしたりして、稲村が遊びに来たり、ピー太がどっかいったりしていたらその日も飛ぶように過ぎてしまった。
暗くなる前にピー太は戻って行った。寮から少し離れたところに広がっている林の奥に小屋があるらしい。今度連れて行ってもらいたいと思った。
で、もう翌日は入学式である。
「……日が経つのってあっという間だな……」
寝る前に呟いたら、「そうだな」と返事があった。
「村西」
「うん?」
「仲良くしてくれよー」
「……ああ」
村西はぶっきらぼうで、あんまり近寄ってもこないけどいい奴だと思う。このまま三年間仲良くやっていければいいなと思った。
制服はぶかぶかだった。
なんか服に着られているというかんじである。ブレザーの袖も長くて、指しか出ない。
「……いくらなんだってこれ、でかすぎだろ……」
「親が買ったんだろ? サイズの確認とかしなかったのか?」
「親が忙しくて試着とか行けなかったんだ……」
「……それぞれ事情はあるよな」
「まぁね」
そういえば全然関係ないことは話したが、なんでここに来たのかとかまだ村西には話していなかった。村西も話さなかったからだと思う。
村西はなんかワケアリなんだろうか。うちは海外赴任先についていきたくなかっただけなんだが。
気軽に聞いていいことでもないよな。
「大林、メシは?」
「ああっ、食いに行かないと!」
慌てて村西と共に俺は食堂へ向かった。今朝はピー太のことを考えている余裕はなかった。
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