上 下
102 / 136

101.今度は二人目、三人目の夫と

しおりを挟む
「とても、待ち遠しかったです……」
「リューイ、いっぱい愛されましたか?」

 明輝ミンフイに抱き上げられ、浩明ハオミンにもそう声をかけられる。僕は浩明にこくりと頷いた。
 顔は毎日合わせていたけど、二人に抱かれるのは久しぶりな感覚だ。三日ぶり、というのだろうか。

「リューイは素直で、とてもかわいいです。私たちにもいっぱい愛させてください。偉明哥ウェイミングァにはどのように愛せばいいか、伺いましたので」

 頬が熱くなる。逆らう気は全くないから、

「はい……」

 と返事をした。明輝は天を仰ぎ、浩明は額に手を当てた。

「かわいすぎる……」

 二人で言わないでほしい。絶対夫たちは目が悪いのだと思う。
 でも前に明輝にそう言ったら、至近距離でじーっと見られながら全身舐め舐めされちゃってたいへんだった。尻穴もこれでもかってぐらい舐められていじられて、中が疼いてたまらなくなって「ごめんなさぁい」ってえぐえぐ泣きながらおねだりしてイチモツを入れてもらったのだった。
 明輝のことも好きだけど意地悪だって思う。
 だから夫たちの目が悪いとは、絶対悪いとは思っているのだけど、決して言ってはいけない。さすがにあの時僕は覚えた。

「……このままでは欲望のままに襲ってしまいそうです……」
「明輝哥、庭へ向かいましょう」
「そうしましょう」

 明輝は侍従にお茶を庭の四阿に運ぶよう言いつけて、庭へ向かおうとした。ここは二階で、庭は一階にある。階段が危ないといつも思っていたから、

「あの……階段で僕を抱いていると危ないので、降ろしていただけませんか?」

 そう伝えたら、明輝と浩明は目を丸くした。そして明輝は考えるような顔をした。

「もしかして、私の抱き方が不安定でしたか? それならば申し訳ありません」

 不安定だなんてことは絶対にない。僕は慌てて首を振った。

「そ、そんなことはないです! でも危ないので……旦那さまが怪我をしたりしたらたいへんですし……」

 最後の方は尻すぼみになってしまった。だって二人ともじっと僕を見ているから。

「私のことを心配して言ってくれたのですね? でしたら何も問題ありません。リューイは羽のように軽いのですから」

 それを聞いてさすがに僕は変な顔をしてしまった。

「は、羽のようにって……」

 僕は見た目よりそれなりに重いはずなんだけど。

「……基本的に結婚は巨人族同士ですから。同じ巨人族の妻を抱き上げることを思えば、リューイの重さは羽のように軽いというのは間違っていません」

 浩明が補足してくれた。

「そ、そうなのですか……」

 確かに巨人族同士で結婚したら相手もそれなりの重さはあるかもしれない。巨人族は妻を絶対に下ろさないと言っていたし……。
 頬が熱くなるのを感じた。
 ……本当は、ずっとこうしてくっついていたい。

「リューイはけなげで、とてもかわいいですね」

 予定通り庭の四阿へ連れて行ってもらった。日中は陽射しがそれなりに強い。肌を守る為に、この布をふんだんに使った衣裳を着ているのだろう。この辺りは比較的温暖な気候みたいだけど、着せられていて暑いと思ったことはなかった。
 侍従がお茶を淹れてその場を辞した。
 風が気持ちいい。

「こういうところで飲むお茶というのもいいものです」

 浩明の言葉に僕も頷いた。

「もし、リューイがよろしければ兵士たちの鍛錬などを見てみませんか?」
「えっ? よろしいのですか?」

 浩明に言われて目を瞬かせた。

「浩明、さすがにそれはいけません」

 明輝が窘める。一度ぐらい見せてもらえたらと思ったのだけど、やっぱりだめみたいだ。

「哥、何かまずいことでも?」
「いくら薄絹を被せたとしてもリューイはこんなに華奢なのですよ。兵士たちに懸想されたらどうするのです?」
「それは確かにいけません! リューイ、申し訳ありませんでした」

 華奢って……元いた国ではそんな風に言われたことなんてなかったのに。この国では確かに大人と子どもぐらいの体格差があるのかもしれないけど、やっぱり夫たちの目は悪いのだと思う。

「大丈夫です」
「リューイ、貴方を誰にも見せたくないのです。貴方は大事な私たちの妻なのですから」

 明輝に言われて胸が甘く疼いた。もう夫たちに嫁いでいるのに、独占欲で誰にも見せたくないと言ってもらえるのはたまらなく嬉しかった。僕は明輝の手を取り、その手に頬を寄せた。僕もこんなにも夫たちのことが好きなのだと伝えたかった。

「……リューイ、そんなにかわいいことをしてはいけないと言っているでしょう?」

 でも何故か、明輝の声が低くなった。また何か僕はやらかしてしまったのかもしれない。

「リューイの甘える姿はすごい破壊力です。お茶は飲めましたか?」

 浩明に聞かれてこくりと頷く。夫たちが言うことを聞いていると自分がとんでもなくかわいい生き物になったような気になってしまうが、そんなはずはない。
 すると僕を抱いたまま明輝が立ち上がった。

「……我慢ができません。リューイ、戻りますよ」
「……はい」
「哥、優しく、甘くです」
「わかっています」

 明輝はすごい早さで館へ戻り、階段を駆け上ってあっという間に僕を部屋へと運んでしまった。
 え? もう着いたの? と言いたくなった。

「……先に謝っておきます」

 ベッドに横たえられて、明輝が低い声で呟いたのを聞いた。

「んんっ……」

 そして唇が塞がれた。


ーーーーー
リューイがかわいすぎて我慢できません!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】素直になれない皇子は四人の夫たちに溺愛される~巨人族貴族の結婚事情

浅葱
BL
【12/20 完結しました】 男しか存在しない世界「ナンシージエ」の物語。 巨人族の皇子である勇志(ヨンジー)は、成人前に「抱かれる身体」をしていると言い渡され、成人してすぐに貴族の四人兄弟に嫁がされた。 皇子でありながら「抱かれる身体」なのだと認定されたショックで、夫たちに抱かれても素直になれない。 そうしている間に妊娠して卵を産んだ後(卵生)、身体が必要以上に疼くようになってしまった。それでも素直になれないまま歳を重ねた。 ある日長いこと結婚しないでいた兄皇子たちが妻を娶ったと聞いた。五個目の卵を産んだ直後、勇志はたまらなくなって兄たちの妻に会いに行く。 そこで兄たちの妻への溺愛ぶりを目の当たりにした。 勇志は兄たちの妻に聞かれるがままに夫たちとの結婚生活を話し、たまには強引にしてくれてもいいのにと愚痴ったら……? すごく妻を甘やかしたかった四人の夫(臣下)×素直になれないけど本当は甘やかされたい妻(皇子)の溺愛物語。 妻の気持ちを知った夫たちはこれ以上ないってぐらい妻をどろどろに溺愛します。 妻が夫たちの愛を受け止めてあっぷあっぷしていますが、本当は甘やかされたいのでラブラブボンバーです(何 ラブラブハッピーエンドです。 中華ファンタジー/受け視点/産卵/溺愛/乳首責め/アナル責め/結腸責め/おもらし(小スカ)/潮吹き/総受け/授乳プレイ/舌フェラ/尿道責め/駅弁 「巨人族の皇子たち四人と、異世界ラブラブ性活にいたるまで」のスピンオフですが、そちらを読んでいなくてもお楽しみいただけます。 天使さまの生態についてfujossyに設定を載せてあります。 「天使さまの愛で方」 外部登録してあります。よろしくですー 表紙のイラストはNEO ZONEさんにお願いしました。向かって左から智明、勇志、智軒です。さすがに五人は画面に入らない(笑) とっても美しく描いていただけて嬉しいです!(自分にご褒美

新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~

焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。 美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。 スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。 これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語… ※DLsite様でCG集販売の予定あり

転生令息は冒険者を目指す!?

葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。  救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。  再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。  異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!  とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A

【完結】化物の里に嫁ぎます~意地っ張りな童貞処女は毎日化物たちに愛でられる

浅葱
BL
慕っている人がいた。 あと何日かしたら村から出て働くのだと楽しそうに言っていたその人は、化物に嫁がされた。 そうして俺もまた、その化物たちのいる里へ嫁がされる。 慕っていたその人の負担が少しでも減るならと、俺はそれを了承した。 でも化物の里に着いたら……? 鬼(混血)+聖職者×意地っ張り青年。総受け。おもらし(小スカ)あり/結腸責め/乳首責め/アナル責め/尿道責め/巨根責め/肛門拡張あり/愛撫マシマシです。最後の方でお乳も出ちゃうかも? 男の性しか存在しない異世界「ナンシージエ」の物語です。 「化物の生贄花嫁」のスピンオフですが、単体でもお楽しみいただけるように書いていきます。 溺愛エロエロハッピーエンドです。よろしくー 天使設定:この世界の住人は三十歳までに童貞を失わないと「天使」になり、それは尻穴に男根を受け入れて精を注がれないと死んでしまう。「天使」は尻穴が丈夫でとても感じやすい。魔物がいくら乱暴に犯しても死なないで感じまくるという魔物好みの生態。ただし少しでも傷つけると感染症などにかかって死にやすくなるので、尻穴以外は大事に扱う必要がある。 詳しい設定については「天使さまの愛で方」参照のこと→https://fujossy.jp/books/17868 (同世界観のお話時系列:冴えないサラリーマン~→イケメンだけど短小→化物の生贄花嫁~→巨人族に二人がかりで~→敏感なイケメン騎士は~→ナルシストな僕のオナホ) この他に同人誌で発表したもの(完売済)、電子書籍があります。よろろん。 表紙の写真はフリー写真素材イメージスタイル様からお借りしました。

獅子帝の宦官長

ごいち
BL
皇帝ラシッドは体格も精力も人並外れているせいで、夜伽に呼ばれた側女たちが怯えて奉仕にならない。 苛立った皇帝に、宦官長のイルハリムは後宮の管理を怠った罰として閨の相手を命じられてしまう。    強面巨根で情愛深い攻×一途で大人しそうだけど隠れ淫乱な受     R18:レイプ・モブレ・SM的表現・暴力表現多少あります。 2022/12/23 エクレア文庫様より電子版・紙版の単行本発売されました 電子版 https://www.cmoa.jp/title/1101371573/ 紙版 https://comicomi-studio.com/goods/detail?goodsCd=G0100914003000140675 単行本発売記念として、12/23に番外編SS2本を投稿しております 良かったら獅子帝の世界をお楽しみください ありがとうございました!

召喚された美人サラリーマンは性欲悪魔兄弟達にイカされる

KUMA
BL
朱刃音碧(あかばねあおい)30歳。 ある有名な大人の玩具の開発部門で、働くサラリーマン。 ある日暇をモテ余す悪魔達に、逆召喚され混乱する余裕もなく悪魔達にセックスされる。 性欲悪魔(8人攻め)×人間 エロいリーマンに悪魔達は釘付け…『お前は俺達のもの。』

僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした

なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。 「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」 高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。 そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに… その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。 ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。 かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで… ハッピーエンドです。 R18の場面には※をつけます。

[R18] 20歳の俺、男達のペットになる

ねねこ
BL
20歳の男がご主人様に飼われペットとなり、体を開発されまくって、複数の男達に調教される話です。 複数表現あり

処理中です...