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40.やっと実感がわいてきた
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四か月ぶりの更新です。今年中に完結させたいです。。。
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なんか思ったよりしょっぱいな。しかもなんか濡れてる? と思ったら俺の涙でした。泣きそうだと思ったけど、しっかり泣きながら俺は炒飯を食べていた。
だって美鈴の炒飯だ。もう二度と食べられないと思ってた美鈴の炒飯なんだ。
「もう竜樹ったら、そんなに私の作った炒飯が食べたかったの?」
炒飯が食べたいのもそうだったが、何よりも俺は美鈴に会いたかったんだ。
「美鈴が……生きててよかった……」
「正確には一度死んじゃってるんだけどね」
涙が滝のようにだばあ、と頬を伝った。
「それは竜樹だって一緒でしょう」
「……そうだった」
そうなのだ。この世界の俺の身体はあの幼女? になんやかんやで再構築されたものである。ということは美鈴の身体もそうなのだろう。
そこらへんはパンズやミンメイ、そしてここの従業員がいるところで話すには向かないと思う。俺はテーブルの上でもらった肉を食べている猫紙を見た。
〈後で話をするぞ〉
〈身体のことか?〉
さすが猫でも猫紙。俺が聞きたいことはわかっているみたいだ。あの幼女が目の前にいたらキリキリ吐かせてやるんだが、それができないのが残念だ。今度会ったらまた俺の右手が火を噴くことは間違いない。
美鈴の炒飯は全然変わってなかった。それがとても嬉しくて、俺はおかわりもした。パンズやミンメイもおいしいおいしいと言っていっぱい食べた。そうだ、美鈴の作る炒飯は世界一なんだぞ! ってそういえば美鈴はこの国の料理大会で優勝したんだったよな。他に何か作ったんだろうか。
「……うまかった……やっぱ美鈴の作る炒飯は世界一だな」
それにはミンメイも同意らしく、うんうんと何度も頷いていた。
「全くもう……竜樹は本当に私の作る炒飯が好きよね」
美鈴は満更でもなさそうに笑んだ。その自信満々な笑みにまたどばーっと涙が溢れた。情けないと言われてもしょうがないけど、本当に俺は美鈴に会いたかったんだ。
「もう! そんなに泣いたらおいしくなくなっちゃうでしょ!」
「……うんっ……ぐすっ……」
美鈴が慌ててボロ布を沢山俺に渡してくれたので、遠慮なくぢーんと鼻をかんだ。これ後で洗わないとな~。
涙がなかなか止まらなかったけど、パンズとミンメイは笑わないでいてくれた。俺は自分の来歴とか、詳しいことはパンズとミンメイにも話していない。ただ俺が美鈴に会いたくて会いたくてたまらなかったことはわかってくれたみたいだった。二人とも呆れた様子を見せなかったのは人間ができているからだろうか。
どうにかこうにか涙が止まってから、
「料理大会って、他に何を作ったんだ?」
と聞いてみた。
「そんなことを聞けるなら大丈夫ね」
美鈴は笑ってくれた。
「別に大したものを作ったわけじゃないわ。鶏ガラでだしを取った卵スープと、麻婆豆腐ぐらいよ」
「麻婆豆腐!」
興奮してしまった。
「食べたい! 美鈴の麻婆豆腐!」
俺はそれほど辛い物が得意ではないが、美鈴の作る麻婆豆腐だけは辛くてもなんでも食べるのだ。ひーひー言いながら水を飲むはめになるが、美鈴の炒飯と麻婆豆腐の組み合わせは神であると言っていい。あのパラパラ炒飯と麻婆豆腐を一緒に食べる時のあの多幸感は何物にも代えがたい。
「それを言うなら私も竜樹の作る炒飯が食べたいわ。竜樹が炒飯を作ってくれるなら、それに合わせて私も麻婆豆腐を作るけど……それじゃだめかしら?」
「だ、だめじゃない! けど……」
俺たちはじっとパンズを見た。パンズは頷いた。
「タツキさんが作って下さった炒飯もとてもおいしかったです。明日の昼にでも作っていただければ幸いです。ミレイさんも、こちらの館にはいつまで滞在していただいてもかまいません。王城から後日申し開きがあるでしょうが、その後もずっと暮らしていただいても……」
美鈴は終始笑顔でパンズの言葉を聞いていたが、その目がだんだん鋭くなっていくのが怖いと思った。
「……それはありがたいわ。でもその狙いは何かしら? 王城への口利きとか、かしらね?」
「下心がないとは申しません。運命を司る神さまが守護しているあなた方をヨウシュウ商会で保護することの意味はおわかりいただけるかと存じます」
「わかりやすい人は嫌いじゃないわ。そうね、そちらのミンメイさんのこともあるし……少なくとも十日ぐらいはご厄介になろうかしら」
「ありがとうございます」
「あら、礼を言うのはこちらの方よ」
コロコロと美鈴が笑う。猫紙は退屈というようにクァーと大あくびしている。その様子は如何にも猫だが、中身は猫紙だと思うと微妙ではある。
猫紙がじとーっと俺を見た。
「……そなた、今おかしなことを考えなんだか?」
「や、やだなー。猫紙さまの気のせいですよー。被害妄想強いっすねー」
「……そなたとは結び付きが一番強いからのぉ」
ギクッとした。猫紙と共にいれば俺に危害を加えるような動植物は寄ってこないらしいが、人間にはあまり効果を及ぼさないらしい。だが猫紙そのものは力を取り戻してきているので、俺に直接的な危害が加えられることはないみたいだった。それぐらい俺と猫紙の繋がりは強くなっているみたいだ。
「……そのうち俺の考えてることとか読めるようになんの?」
「やろうと思えばできるじゃろうが、そなたは全て顔に出るからの。読む必要性も感じぬわ」
いいんだか悪いんだか。
夕飯を終えた後、席を立とうとしたらまた美鈴に当たり前のように抱き上げられてしまった。
俺はいつになったら自分の足で立てるのでしょうか。
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なんか思ったよりしょっぱいな。しかもなんか濡れてる? と思ったら俺の涙でした。泣きそうだと思ったけど、しっかり泣きながら俺は炒飯を食べていた。
だって美鈴の炒飯だ。もう二度と食べられないと思ってた美鈴の炒飯なんだ。
「もう竜樹ったら、そんなに私の作った炒飯が食べたかったの?」
炒飯が食べたいのもそうだったが、何よりも俺は美鈴に会いたかったんだ。
「美鈴が……生きててよかった……」
「正確には一度死んじゃってるんだけどね」
涙が滝のようにだばあ、と頬を伝った。
「それは竜樹だって一緒でしょう」
「……そうだった」
そうなのだ。この世界の俺の身体はあの幼女? になんやかんやで再構築されたものである。ということは美鈴の身体もそうなのだろう。
そこらへんはパンズやミンメイ、そしてここの従業員がいるところで話すには向かないと思う。俺はテーブルの上でもらった肉を食べている猫紙を見た。
〈後で話をするぞ〉
〈身体のことか?〉
さすが猫でも猫紙。俺が聞きたいことはわかっているみたいだ。あの幼女が目の前にいたらキリキリ吐かせてやるんだが、それができないのが残念だ。今度会ったらまた俺の右手が火を噴くことは間違いない。
美鈴の炒飯は全然変わってなかった。それがとても嬉しくて、俺はおかわりもした。パンズやミンメイもおいしいおいしいと言っていっぱい食べた。そうだ、美鈴の作る炒飯は世界一なんだぞ! ってそういえば美鈴はこの国の料理大会で優勝したんだったよな。他に何か作ったんだろうか。
「……うまかった……やっぱ美鈴の作る炒飯は世界一だな」
それにはミンメイも同意らしく、うんうんと何度も頷いていた。
「全くもう……竜樹は本当に私の作る炒飯が好きよね」
美鈴は満更でもなさそうに笑んだ。その自信満々な笑みにまたどばーっと涙が溢れた。情けないと言われてもしょうがないけど、本当に俺は美鈴に会いたかったんだ。
「もう! そんなに泣いたらおいしくなくなっちゃうでしょ!」
「……うんっ……ぐすっ……」
美鈴が慌ててボロ布を沢山俺に渡してくれたので、遠慮なくぢーんと鼻をかんだ。これ後で洗わないとな~。
涙がなかなか止まらなかったけど、パンズとミンメイは笑わないでいてくれた。俺は自分の来歴とか、詳しいことはパンズとミンメイにも話していない。ただ俺が美鈴に会いたくて会いたくてたまらなかったことはわかってくれたみたいだった。二人とも呆れた様子を見せなかったのは人間ができているからだろうか。
どうにかこうにか涙が止まってから、
「料理大会って、他に何を作ったんだ?」
と聞いてみた。
「そんなことを聞けるなら大丈夫ね」
美鈴は笑ってくれた。
「別に大したものを作ったわけじゃないわ。鶏ガラでだしを取った卵スープと、麻婆豆腐ぐらいよ」
「麻婆豆腐!」
興奮してしまった。
「食べたい! 美鈴の麻婆豆腐!」
俺はそれほど辛い物が得意ではないが、美鈴の作る麻婆豆腐だけは辛くてもなんでも食べるのだ。ひーひー言いながら水を飲むはめになるが、美鈴の炒飯と麻婆豆腐の組み合わせは神であると言っていい。あのパラパラ炒飯と麻婆豆腐を一緒に食べる時のあの多幸感は何物にも代えがたい。
「それを言うなら私も竜樹の作る炒飯が食べたいわ。竜樹が炒飯を作ってくれるなら、それに合わせて私も麻婆豆腐を作るけど……それじゃだめかしら?」
「だ、だめじゃない! けど……」
俺たちはじっとパンズを見た。パンズは頷いた。
「タツキさんが作って下さった炒飯もとてもおいしかったです。明日の昼にでも作っていただければ幸いです。ミレイさんも、こちらの館にはいつまで滞在していただいてもかまいません。王城から後日申し開きがあるでしょうが、その後もずっと暮らしていただいても……」
美鈴は終始笑顔でパンズの言葉を聞いていたが、その目がだんだん鋭くなっていくのが怖いと思った。
「……それはありがたいわ。でもその狙いは何かしら? 王城への口利きとか、かしらね?」
「下心がないとは申しません。運命を司る神さまが守護しているあなた方をヨウシュウ商会で保護することの意味はおわかりいただけるかと存じます」
「わかりやすい人は嫌いじゃないわ。そうね、そちらのミンメイさんのこともあるし……少なくとも十日ぐらいはご厄介になろうかしら」
「ありがとうございます」
「あら、礼を言うのはこちらの方よ」
コロコロと美鈴が笑う。猫紙は退屈というようにクァーと大あくびしている。その様子は如何にも猫だが、中身は猫紙だと思うと微妙ではある。
猫紙がじとーっと俺を見た。
「……そなた、今おかしなことを考えなんだか?」
「や、やだなー。猫紙さまの気のせいですよー。被害妄想強いっすねー」
「……そなたとは結び付きが一番強いからのぉ」
ギクッとした。猫紙と共にいれば俺に危害を加えるような動植物は寄ってこないらしいが、人間にはあまり効果を及ぼさないらしい。だが猫紙そのものは力を取り戻してきているので、俺に直接的な危害が加えられることはないみたいだった。それぐらい俺と猫紙の繋がりは強くなっているみたいだ。
「……そのうち俺の考えてることとか読めるようになんの?」
「やろうと思えばできるじゃろうが、そなたは全て顔に出るからの。読む必要性も感じぬわ」
いいんだか悪いんだか。
夕飯を終えた後、席を立とうとしたらまた美鈴に当たり前のように抱き上げられてしまった。
俺はいつになったら自分の足で立てるのでしょうか。
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