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22.装備を揃えてみる
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冒険者ギルドの近くに宿屋がないというのが解せないが、村作りの関係でこうなったのだろう。あまり気にしないことにした。宿屋はないが、武器や防具を扱っている店はあった。
「ちょっと覗いてもいいかな?」
「はい、もちろん」
どんなものが置いてあるのだろうという好奇心に勝てず、ミンメイに声をかけると彼女はにこにこしながら了承した。
RPGの世界だとここが始まりの町の隣町のような扱いなのだろうか。どうやら一つの建物の中に武器屋と防具屋があるらしかった。
「すみません」
武器屋の中に声をかけて入ると、いくつか剣だか包丁だかが壁にかけてあった。弓や槍のようなものもある。狭い店の中は誰もおらず無用心だなと思った。奥に部屋があるようで、開けてある扉が見えたのでそっちにいるのかもしれない。勝手に触れるわけにもいかないので武器を一通り眺めた。
「ミンメイは何か使える武器ってある?」
「私は……特に何も……飛び道具が向かないのは間違いなさそうです」
消え入りそうな声でミンメイは申し訳なさそうに言った。弓などの練習を少ししたことはあるが全くのノーコンだったらしい。ならば槍か短剣、もしくは鉈のようなものがいいかもしれない。
〈なぁ、猫紙さま。槍でも横にして入れようと思えばアイテムボックスに入るかな〉
〈できないことはないじゃろうな〉
横にしたり縦にしたりして入るならば一本はあった方がいいだろう。槍ならば投げることもできるし、そのへんのコントロールならお手の物だ。ただし投げ返されたものは何故か反射的に全て避けてしまっていたから球技はできなかったんだよな。あれは今でも解せない。
槍と、短剣、ナイフなども買っておくか。俺は大体買うものを決めて奥の方へ声をかけた。
「すみませーん。武器を買いたいんですがー」
「……ああ? なんだ客かあ?」
奥からどたどたと出てきたのはむさくるしいおっさんだった。実際に武器を作ったりしているのかもしれない。
「すみません、槍と短剣、それからナイフを買いたいんですが、値段を教えてください」
値札がついてないので自分の手持ちで払えるかどうかわからないのだ。おっさんは呆れたような顔をした。
「有り金見せろ」
このおっさんは盗賊か何かだろうか。内心慌てていると、ミンメイが銀貨を一枚出した。
「これで買えるのはどれですか?」
「なんだ持ってんじゃねぇか。銀貨一枚ならこの槍だな」
「見せてください」
「あいよ」
ミンメイは槍を受け取ると、刃と棒の継ぎ目を引っ張ったり、持ってみたりと槍の状態を調べていた。そして、
「この槍一本で銀貨一枚は法外です。そこのナイフもつけてください」
「おいおい買い叩く気かよ」
そのまま喧嘩になりそうな様相に俺はただおろおろしながら彼らを見ていることしかできない。それからミンメイとおっさんはしばらく舌戦を繰り広げた。結局ミンメイの主張が通り、銀貨1枚と銅貨20枚で必要な物を全て買うことができた。まけさせるなんて文化がここにはあるらしい。防具は念の為革の鎧を買った。それで俺の手持ちはすっからかんになった。ちなみにミンメイの分も一緒に買ったので旅費には一切手をつけていない。
「また鳥でも狩るか」
それが一番手っ取り早い気がする。
適当な石を投げてロホロホ鳥とは違う鳥を狩った。それはそれで人気があるらしい。ギルドにまた持っていくとそれなりに喜ばれた。この世界には投擲スキルみたいなものはないのだろうか。
その夜はミンメイに遅くまでこの世界のことを改めて教えてもらった。
猫紙に「ヘタレめ」と言われたが何を言われているのかは知らん。
「ちょっと覗いてもいいかな?」
「はい、もちろん」
どんなものが置いてあるのだろうという好奇心に勝てず、ミンメイに声をかけると彼女はにこにこしながら了承した。
RPGの世界だとここが始まりの町の隣町のような扱いなのだろうか。どうやら一つの建物の中に武器屋と防具屋があるらしかった。
「すみません」
武器屋の中に声をかけて入ると、いくつか剣だか包丁だかが壁にかけてあった。弓や槍のようなものもある。狭い店の中は誰もおらず無用心だなと思った。奥に部屋があるようで、開けてある扉が見えたのでそっちにいるのかもしれない。勝手に触れるわけにもいかないので武器を一通り眺めた。
「ミンメイは何か使える武器ってある?」
「私は……特に何も……飛び道具が向かないのは間違いなさそうです」
消え入りそうな声でミンメイは申し訳なさそうに言った。弓などの練習を少ししたことはあるが全くのノーコンだったらしい。ならば槍か短剣、もしくは鉈のようなものがいいかもしれない。
〈なぁ、猫紙さま。槍でも横にして入れようと思えばアイテムボックスに入るかな〉
〈できないことはないじゃろうな〉
横にしたり縦にしたりして入るならば一本はあった方がいいだろう。槍ならば投げることもできるし、そのへんのコントロールならお手の物だ。ただし投げ返されたものは何故か反射的に全て避けてしまっていたから球技はできなかったんだよな。あれは今でも解せない。
槍と、短剣、ナイフなども買っておくか。俺は大体買うものを決めて奥の方へ声をかけた。
「すみませーん。武器を買いたいんですがー」
「……ああ? なんだ客かあ?」
奥からどたどたと出てきたのはむさくるしいおっさんだった。実際に武器を作ったりしているのかもしれない。
「すみません、槍と短剣、それからナイフを買いたいんですが、値段を教えてください」
値札がついてないので自分の手持ちで払えるかどうかわからないのだ。おっさんは呆れたような顔をした。
「有り金見せろ」
このおっさんは盗賊か何かだろうか。内心慌てていると、ミンメイが銀貨を一枚出した。
「これで買えるのはどれですか?」
「なんだ持ってんじゃねぇか。銀貨一枚ならこの槍だな」
「見せてください」
「あいよ」
ミンメイは槍を受け取ると、刃と棒の継ぎ目を引っ張ったり、持ってみたりと槍の状態を調べていた。そして、
「この槍一本で銀貨一枚は法外です。そこのナイフもつけてください」
「おいおい買い叩く気かよ」
そのまま喧嘩になりそうな様相に俺はただおろおろしながら彼らを見ていることしかできない。それからミンメイとおっさんはしばらく舌戦を繰り広げた。結局ミンメイの主張が通り、銀貨1枚と銅貨20枚で必要な物を全て買うことができた。まけさせるなんて文化がここにはあるらしい。防具は念の為革の鎧を買った。それで俺の手持ちはすっからかんになった。ちなみにミンメイの分も一緒に買ったので旅費には一切手をつけていない。
「また鳥でも狩るか」
それが一番手っ取り早い気がする。
適当な石を投げてロホロホ鳥とは違う鳥を狩った。それはそれで人気があるらしい。ギルドにまた持っていくとそれなりに喜ばれた。この世界には投擲スキルみたいなものはないのだろうか。
その夜はミンメイに遅くまでこの世界のことを改めて教えてもらった。
猫紙に「ヘタレめ」と言われたが何を言われているのかは知らん。
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