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パラサイト

聖骸布

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  本を開くと、しおり代わりにポストカードが挟まれていた。
  宛先はない。
  裏には教会の写真が印刷されていた。
  「トリノの聖ヨハネ大聖堂…?」
北城のぼやきに、次はダジャレなのか?と、困惑した。
「トリノ……。トミノとトリノ…次はダジャレか?」
北城の台詞に思わず呟いた。吉江先生の見事な謎の次は、トミノの地獄から、トリノを想像しました…的な話が痛く感じた。

  が、北城は笑わなかった。無表情にポストカードを見つめていた。
  「これは、トリノの物らしいな。雅苗は…トリノへ行ったのかもしれない。」
北城は難しい顔をする。
「トリノ?ああ…2010年に彼女はプロヴァンスに出張していたんだな。」
私は長山の話を思い出していた。

  2010年、長山は当時流行っていた2012年人類滅亡説による特番の撮影のために南欧にいて、偶然、若葉 雅苗と再会する。
  そこで、雅苗はノストラダムスに興味を示したと言うのだ。

  疫学者のノストラダムスに。

  「2010年…か。では、聖骸布を探せ、と言うことかもしれないな。」
「せいがいふ?」
私は、聞き慣れない言葉をおうむ返しに聞き返した。
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