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パラサイト

モルゲロン

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モルゲロン病…

随分と香ばしい病名だな。
私は、この病名の怪しさに、逆に、ワクワクしはじめていた。

モルゲロン病とは、アメリカで発見された病気である。
2001年、息子の異常に気がついた母親が、謎の寄生虫によるものではないかと訴えた事から始まると聞いたことがある。

はじめは、新種の菌食性のトビムシと言われていたが、マスコミが取り上げ、様々な研究所が原因を調べると、虫の存在を確認できずに寄生虫妄想の一種と結論付けられた。

この都市伝説レベルの話を北宮尊徳の孫にあたる雅苗が信じていたなんて!

助教授と言う彼女の肩書きと都市伝説のギャップに、私は妙な優越感に包まれながら先を読みはじめた。
モルゲロン病なんて、私ですら騙されないものに、雅苗がどう騙されて行くのか、そして、それを論破する自分を思って胸が踊る。
が、そんなバカな考えはすぐに消えた。

モルゲロン病は新世紀に見つかった病であるが、80年代に既に、これについて予言していた人物がいたのだ。
北宮 雅徳(まさのり)

雅苗の父親である。
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