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パラサイト

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「北川さんが帰った……。」
私は呟いた。
彼は、彼が私を池からここまで運んだのだろうか?
「長山さんっ、溶生さんはっ、彼は、今、どこに。」
私は硬直する溶生を思い返し立ち上がる。こんな事をしている場合ではない。
「どこに行くんですか?後片付けをしてください。」
長山が困惑する様に私に言う。
「しかし。」
と、言い訳を始めた私の肩に手を置いて、長山はスマホを取り出した。
「仕方ありませんね。」
長山は速攻で溶生さんに電話をかける。
通信音がする。
ま、不味い事をしたのか、私はっ( ̄□||||!!

何か、激しく混乱を始める思考を何とかなだめながら表面上の平静を保つ。
まずい…もしかしたら、私は、熱中症で幻覚を見ていたのかもしれない。

「あっ、すいません。若葉さん。」

あああっΣ(-∀-;)

「お忙しい所をすいません。…いえ、別に用事があるわけでは……。」

す、すいませんっ(///ー///)

「はい、実はうちのスタッフの池上さんが。」

あああっ、名前を言われたああぁm(__)m

「何か、若葉さんが池の方で倒れたのを見かけたそうで。」
「すいません、(///ー//)もうっ、大丈夫です。はい。」
私は、たまらなくなって叫んだ。
やってしまった…私は、きっと熱中症で幻覚を見たに違いない。
そんな慌てる私を驚いたように見つめながら、長山はスマホを私に渡そうとした。
「溶生さん、話してくださるそうですよ?」
長山は、あっさりと私にスマホを差し出す。
画面の『溶生』の文字が胸にグッサリと刺さる。

私は、お礼におののく悪霊のように後ろに引いて首を横にふる。
「い、いえ、私は、すいませんっ。すいませんでした。と、伝えてください。」
私が頭を下げるのを見て、長山は呆れたような、慰めるような顔で1つため息をついた。

「ああ、すいません。池上さんが確認とれたそうですから。はい。忙しいところを失礼しました。」

忙しいところを…の長山の言葉に、つい、屈んでしまう。

「本当に…失礼しました。熱中症でしょうか…それとも、ねぼけてしまったのでしょうか。本当に…」
と、うなだれる私の言葉を長山が遮った。
「もういいです。すいません。私の方こそ、途中で外に出たりしましたから。
それより見てください。」
長山は、天へとそそりたつようなショクダイオオコンニャクの蕾を見上げた。
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