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番外 教えておくれよブラバッキー5

 思えば…怪しい事を色々とやっていた気がする。
 私は執筆を始めた頃、ネットで、やって良いことと、いけない事を子供に説明できるような絵本を考えていた。

 最近、よく、未成年の動画投稿による炎上のニュースを見て、なんか、家庭内で話したり、一般的なルールとかを地域で考えたりする場所がないかと思ったからだ。

 大人には、ネットの世界は良く理解できないし、先生も、そう言うことには素人だ。
 だから、ネットについて考える作品は、ネットから生まれるべきだと考えた。

 でも…こうして書いてみると、私も何をやらかすか分からない気がしてきた。
 私が一応、マトモな部類で生活できたのは、電気製品が子供には手に入りにくかったのと、ネットが無かったからではないかと不安になる。

 思い出せば…カメラは高級品だった。お盆の頃、都会から親戚とかが来るときとかしか使わせてもらえなかった。

 当時はフイルム式で、大体、12枚とか、24枚撮りとか、があった。

 今のスマホのカメラのメモリーからしたら、馬鹿馬鹿しいほど少ない枚数だが、恥ずかしがり屋の我々は、集団写真を撮っても、2、3枚はフィルムが余る。
 で、そんな時、現像に回す前に好きなものを撮らせてもらえた。

 で、こう言う子供が出てくると、当時はUFOの写真に挑戦するとか、やっていた。
 と、言っても、本物のUFOなんて見られないから、カップ麺のカップやら、紙皿を二枚重ねたものを空に投げて撮ろうとした。

 「UFOの写真をとろうぜ!」
とか言われると、なんだかワクワクした。
 そして、紙皿を二枚、テープでとめてUFOを作ると嬉しくなった。

「上手く撮れたら、雑誌に送ろう!」
と、誰かが言って、本当に、雑誌に我々のUFOの写真が載るシーンを思い浮かべてドキドキもした。

 この時、これが捏造だと、犯罪だとは考えなかった。
 思えば、今まで、そんな風に考えたことが無いことに驚いた。

 ここで考えがネジ曲がったのは、少し年上のなんか、頭の良さそうな町内の男子が
「UFOなんて、みんな合成写真か、こうやって、偽物を飛ばして作ってるんだ。UFOなんていないんだよ。」
と、いった風なコメントをしたりする。
 皆、ショックを受けるが、納得もしていて、特撮も流行っていたりして、

 そうか、皆、こうしてUFO写真を作るんだ♪

 と、ノリノリで写す。

 が、当時のカメラはスマホのカメラのように簡単には使わせてくれない。
 望遠なんて無かったし、動いているものを写すには、シャッタースピードとか、なんか色々な設定と腕が必要で、ついでに、フィルムには限りがあった。

 紙皿のUFO写真に12枚もフィルムを使わせてくれる浪費家の親は私の近所には住んでいなかったし、子供も駄菓子の方に金を使いたかった。

 と、言うわけで、公か不幸か、UFOの捏造写真を作ることは出来なかった。
 写真は高価で、カメラを写すのには技術が必要だ。  捏造するのも子供ではあの技が使えない。

 カメラマンは凄い、特撮ドラマでUFOを撮る人、カッコいい!

 なんて、ごちゃごちゃの理論と、無駄になった写真と共に忘れ去られた記憶だった。子供が子供らしく生きられた時代だったんだとも思う。

 が、それにしても、
 UFOと…宇宙人を天使呼ばわりするような記事を見て、もう少し、考えればよかった気がする。

 確かに、宇宙人はいるかもしれない。
 でも…空にいるからって、昔の人も、グレーと天使を間違いはしないと思う。
 カッパは、宇宙人だったと言うのも…さすがに昔の人だって分かる気がする。
 宇宙人、泳いだり、キューリを盗んだりしないだろうし…

 でも、あの時は、カッパの宇宙人にドキドキして、UFOから出てくるグレーを大天使ミカエルと間違える昔の人にロマンを感じた。

 宇宙人は空から光と共に現れる…UFOに乗ってやって来るもんだと信じていた…

 まさか、はじめのコンタクトが、霊媒や儀式で呼び出されたなんて、理解できなかった。
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