46 / 154
悪霊
7
しおりを挟む
「何、寝てるのよっ!」
ファミレスの椅子に持たれて堂々と寝始めた剛に文句を言う。
剛は、何回めかで気がついて、目を見開いた。
「もうっ。夏休みが終わっちゃうでしょ?少しは手伝ってよ。」
「俺、何も出来ないよ。」
「話ぐらい聞けるでしょ?」
「聞けない。」
えっ…(°∇°;)
あまりにもキッパリとした剛の物言いに少しビビった。
「聞けない…って、あきたって事?」
私は悲しくなる。まあ、生前から非協力的だったけど…私だって、店じまいをしたいのよっ。
アンタが死んじゃって…もう、願いは叶わないんだから。
七転八倒しながら、何万字も無駄文書いて500円を乞う必要は…もう無いんだもん。
私だって、やめたいわよっ。
乱歩先生みたく、インテリジェンスがある、なんか、良い感じの台詞を吐いてさ、退会して、二度とネットなんてあけなきゃ良いんだもん。
不満が膨張する。
剛は、空気を読まずに炭酸ジュースを飲み干す。
それから、『ああっ』と、じいさんみたいな声をあげ、ゆったりと座り直して、それから、面倒くさそうに呟いた。
「だって、人物が多くて覚えられないよ。」
「(;゜∇゜)」
「それは、卯月さんは頭が良いから分かるんだろうけど、俺は難しいドラマとか見ない。」
しまったΣ(´□`;)
私は、そこで頭を冷やす必要を感じた。
そう、空想の剛は、ある程度、私の願いを叶えてくれるが、剛は、剛なんだ。
ついでに、剛が飽きるくらいなら、読者だってそうに違いない。
「ごめん。コーヒー取りに行くよ。ついでに、アンタの好きなジュース炭酸も持ってくる。」
私は立ち上がる。
そう、短くまとめないと。
「ごめん。凄く短く話すとね、基本は進一と岩井の手紙のやり取り…」
私は、ゆっくりと剛に話しかける。
「進一…岩井?」
剛は、混乱したように首をかしげる。
ヤバい…
「もう、進一も岩井も良いわ(>_<。)
まあ、私が、不思議な殺人事件について話すから、アンタは芋をつまみながら聞いてくれたらいいわ。」
そう、この話は基本、手紙を貰うもの、受けるものの2人いれば事は足りるのだ。
私は、祖父江(そぶえ)進一と言う記者になり、剛…手紙の受け手の岩井に向けて話始めることから始まる。
それは不思議な事件だった。
私は剛の死に目に会えなかったが、進一は降霊会の仲間の未亡人の奇っ怪な死に立ち会うことになる。
殺されたのは姉崎 曽根子。金持ちで美人…多分。
彼女は屋敷の土蔵で無くなっていた。
しかも、全裸で。
体には複数の傷があり、土蔵には鍵がかかっていて、その鍵は死体の下にある。
よくある、密室アピールであるが、未完で終わるとなると、これを解決するのは、余程、頭が良くないと難しい。
なんだか、泣けてきたが、話は続ける。
「まあ、ここで、アンタの…ベルフェゴールの出番よ。」
私は剛に笑顔で語りかけた。
姉崎邸の敷地に入るためには、門を通る必要があるようだ。
そして、その門の前には、『躄車の物乞い』がいて、やって来た人物を記憶していた。
彼は、屋敷にやって来たのは中年男と、時代遅れの姿をした女性が2人…
物乞いは、体が不自由なので、土蔵には入り込めない…『躄車』は、容疑者から除外する為の演出だったのだろう。
「で、なんで降霊会なんてするの?」
剛に聞かれて絶句する。
そう、進一達は降霊会を行って犯人を探そうとするのだ。
進一ぃ…答えてよぅ!
と、心の中でブー垂れながら、剛には強気で話す。
「知らないわよ。警察には話てあるんでしょ?」
「それ、あてになるの?黒川って博士、インチキじゃないの?」
物語のキャラを抜いて、世間話モードにした途端、剛の追撃がイタイ。
黒川博士。この人が降霊会の中心人物で心理学者なのだ。
「インチキ…かもしれないけれど…多分、インチキなんかじゃないわよ。うん。」
私は混乱しながらボヤく。
手紙がインチキと言う可能性があるなら、
降霊会が嘘と言う可能性もあり得なくはない。
何しろ、これは推理小説。
大概、この手のミステリーは、オカルトを否定してマウントをとる。
「ふーん。でも、悪魔を出して、推理小説って成り立つの?」
( ̄□||||!!ええっ…
「つよしぃ…アンタ、今日は、なんか、剛じゃないみたいだよ…。でも、この場合、アンタ、つまり、悪魔を呼び出したのは作者の私だから、悪さはしてない設定よ。
ベルフェゴールは、7つの大罪『怠惰』を司る悪魔。ついでに、アンタが扮装してるから、土蔵をよじ登って女を殺したりしないわ。だって、面倒くさいでしょ?」
私が、剛の怠惰な生活を思い出して眉を寄せると、そこで、奴もなんとか納得した。
「うん。面倒くさいね。」
ファミレスの椅子に持たれて堂々と寝始めた剛に文句を言う。
剛は、何回めかで気がついて、目を見開いた。
「もうっ。夏休みが終わっちゃうでしょ?少しは手伝ってよ。」
「俺、何も出来ないよ。」
「話ぐらい聞けるでしょ?」
「聞けない。」
えっ…(°∇°;)
あまりにもキッパリとした剛の物言いに少しビビった。
「聞けない…って、あきたって事?」
私は悲しくなる。まあ、生前から非協力的だったけど…私だって、店じまいをしたいのよっ。
アンタが死んじゃって…もう、願いは叶わないんだから。
七転八倒しながら、何万字も無駄文書いて500円を乞う必要は…もう無いんだもん。
私だって、やめたいわよっ。
乱歩先生みたく、インテリジェンスがある、なんか、良い感じの台詞を吐いてさ、退会して、二度とネットなんてあけなきゃ良いんだもん。
不満が膨張する。
剛は、空気を読まずに炭酸ジュースを飲み干す。
それから、『ああっ』と、じいさんみたいな声をあげ、ゆったりと座り直して、それから、面倒くさそうに呟いた。
「だって、人物が多くて覚えられないよ。」
「(;゜∇゜)」
「それは、卯月さんは頭が良いから分かるんだろうけど、俺は難しいドラマとか見ない。」
しまったΣ(´□`;)
私は、そこで頭を冷やす必要を感じた。
そう、空想の剛は、ある程度、私の願いを叶えてくれるが、剛は、剛なんだ。
ついでに、剛が飽きるくらいなら、読者だってそうに違いない。
「ごめん。コーヒー取りに行くよ。ついでに、アンタの好きなジュース炭酸も持ってくる。」
私は立ち上がる。
そう、短くまとめないと。
「ごめん。凄く短く話すとね、基本は進一と岩井の手紙のやり取り…」
私は、ゆっくりと剛に話しかける。
「進一…岩井?」
剛は、混乱したように首をかしげる。
ヤバい…
「もう、進一も岩井も良いわ(>_<。)
まあ、私が、不思議な殺人事件について話すから、アンタは芋をつまみながら聞いてくれたらいいわ。」
そう、この話は基本、手紙を貰うもの、受けるものの2人いれば事は足りるのだ。
私は、祖父江(そぶえ)進一と言う記者になり、剛…手紙の受け手の岩井に向けて話始めることから始まる。
それは不思議な事件だった。
私は剛の死に目に会えなかったが、進一は降霊会の仲間の未亡人の奇っ怪な死に立ち会うことになる。
殺されたのは姉崎 曽根子。金持ちで美人…多分。
彼女は屋敷の土蔵で無くなっていた。
しかも、全裸で。
体には複数の傷があり、土蔵には鍵がかかっていて、その鍵は死体の下にある。
よくある、密室アピールであるが、未完で終わるとなると、これを解決するのは、余程、頭が良くないと難しい。
なんだか、泣けてきたが、話は続ける。
「まあ、ここで、アンタの…ベルフェゴールの出番よ。」
私は剛に笑顔で語りかけた。
姉崎邸の敷地に入るためには、門を通る必要があるようだ。
そして、その門の前には、『躄車の物乞い』がいて、やって来た人物を記憶していた。
彼は、屋敷にやって来たのは中年男と、時代遅れの姿をした女性が2人…
物乞いは、体が不自由なので、土蔵には入り込めない…『躄車』は、容疑者から除外する為の演出だったのだろう。
「で、なんで降霊会なんてするの?」
剛に聞かれて絶句する。
そう、進一達は降霊会を行って犯人を探そうとするのだ。
進一ぃ…答えてよぅ!
と、心の中でブー垂れながら、剛には強気で話す。
「知らないわよ。警察には話てあるんでしょ?」
「それ、あてになるの?黒川って博士、インチキじゃないの?」
物語のキャラを抜いて、世間話モードにした途端、剛の追撃がイタイ。
黒川博士。この人が降霊会の中心人物で心理学者なのだ。
「インチキ…かもしれないけれど…多分、インチキなんかじゃないわよ。うん。」
私は混乱しながらボヤく。
手紙がインチキと言う可能性があるなら、
降霊会が嘘と言う可能性もあり得なくはない。
何しろ、これは推理小説。
大概、この手のミステリーは、オカルトを否定してマウントをとる。
「ふーん。でも、悪魔を出して、推理小説って成り立つの?」
( ̄□||||!!ええっ…
「つよしぃ…アンタ、今日は、なんか、剛じゃないみたいだよ…。でも、この場合、アンタ、つまり、悪魔を呼び出したのは作者の私だから、悪さはしてない設定よ。
ベルフェゴールは、7つの大罪『怠惰』を司る悪魔。ついでに、アンタが扮装してるから、土蔵をよじ登って女を殺したりしないわ。だって、面倒くさいでしょ?」
私が、剛の怠惰な生活を思い出して眉を寄せると、そこで、奴もなんとか納得した。
「うん。面倒くさいね。」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
動画配信者が消えた
佐倉海斗
ホラー
『心霊スポット巡り 特別編』として投稿された動画を最後に行方知らずになった動画配信者がいる。生放送と謳った動画につけられたコメントに対する返信はなく、続報もない。彼らの行方を知る者もなく、SNS上で拡散された噂話や根拠のない推測が話題を呼び、動画視聴率は駆け上がっていく。
彼らの身に何が起きたのか。
すべては動画の中に残されている。
※小説家になろうで掲載している短編を元に書いています。
その少女、闇に魅入られて
栗須帳(くりす・とばり)
ホラー
交通事故で両親を亡くした奈津子は、過疎化の進む小さな村で新しい生活を始めた。
家族の温もり、優しい友達。彼女がずっと望んでいたものがそこにはあった。
新生活に胸躍らせる奈津子。そんな彼女をあざ笑うかのように「それ」は忍び寄ってきた。
決して逃れることの出来ない災厄に、奈津子はなす術もなく怯えるのだった。
全69話。
叫ぶ家と憂鬱な殺人鬼(旧Ver
Tempp
ホラー
大学1年の春休み、公理智樹から『呪いの家に付き合ってほしい』というLIMEを受け取る。公理智樹は強引だ。下手に断ると無理やり呪いの家に放りこまれるかもしれない。それを避ける妥協策として、家の前まで見に行くという約束をした。それが運の悪い俺の運の尽き。
案の定俺は家に呪われ、家にかけられた呪いを解かなければならなくなる。
●概要●
これは呪いの家から脱出するために、都合4つの事件の過去を渡るホラーミステリーです。認識差異をベースにした構成なので多分に概念的なものを含みます。
文意不明のところがあれば修正しますので、ぜひ教えてください。
●改稿中
見出しにサブ見出しがついたものは公開後に改稿をしたものです。
2日で1〜3話程度更新。
もともと32万字完結を22万字くらいに減らしたい予定。
R15はGの方です。人が死ぬので。エロ要素は基本的にありません。
定期的にホラーカテゴリとミステリカテゴリを行ったり来たりしてみようかと思ったけど、エントリの時点で固定されたみたい。
陽炎のような、恋をした
真弓りの
ホラー
初めて彼を見かけたのは、真昼の交差点。
事故にあったのか、血塗れで、虚ろな目をしたバリバリの地縛霊だった。
下手に同情して、厄介なことにはなりたくないと、気づかないふりをして、足早に通り過ぎた。
でも、彼がそこにいる理由を理解した時。
私は、彼に恋をした。
どうしたって報われることはない、悲しい恋を。
……………………………………………………
とても短いお話です。
報われない恋をする女の子の切なさが書けるといいんですが。
恋愛なのかホラーなのか、カテゴリーがどれなのかすごく迷いました…
こわくて、怖くて、ごめんなさい話
くぼう無学
ホラー
怖い話を読んで、涼しい夜をお過ごしになってはいかがでしょう。
本当にあった怖い話、背筋の凍るゾッとした話などを中心に、
幾つかご紹介していきたいと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる