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本を売る女

聖域

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  ここで書いたような話を部屋で呟いたところで何もおこらない。
  いつものジャンルを更新しても…出版社の担当者に見ては貰えない。

  大体、素人のぼやけた話の集まるサイトなんて、本当に出版関係の人が見たりするのか?
 閲覧が少ないと、ふと、突き上げる疑問だ。

  が、しかし、イベントに参加すれば、そこには存在する。
  出版社と言うドリーム・キャッスルへと物書きをつれて行く、フェアリー・プリンセスが!

  私には見ることも、触れることも出来ないが、出版関係者はイベントに参加していて更新された作品を見ている。それは紛れもない事実であり、それを疑う人もいるまい。

  同じように私の呪文使いもまた、精霊王を見ることも触る事も出来ないが、確かに精霊王は存在する。
  
  こんな文章、晒しているのは恥ずかしいけど、しかし、これで、小さな呪文使いの言葉に魂は込められた。

  「妖精王はちゃんといる。見えないし、感じることもできないけど、でも、みんなの事を…私の事も見守ってくださるわ。」

  私は、往年のオカルトライターの召喚を願うので、小さな呪文使いは、太古、神獣と呼ばれた魔獣を呼び出すことになる。

  こうして、書いてみると、それに対する呪文使いの不安や畏れが染みてくる。
  本当に出版社からメッセージがやって来たら、果たして、自分の実力でなんとか出来るものなんだろうか?

  魔獣は気に入らなければ呪文使いを八つ裂きにするだろうし、
  私は複数の恥ずかしい質問の挙句、出版担当者にゴメンナサイをされるに違いない。
  なんか、逃げたくなるが、もう、更新したから後戻りなんて出来ない。妄想を続ける。

  私は5年間の作品とブックマーク、評価、感想をつれてイベントに参加し、
  呪文使いは、聖域の前に流れる小川で体を清め、旅で出会った妖精からの贈り物で身を整える。

  シルフが織った月明かりと春風のフード。
  地の精霊が編んだ、木漏れ日のベレー帽。
  水の精霊が縫った、大河に沈む夕陽のサンダル。

  火の精霊の灯す、賢者のランタンを手に、聖域の端の自分の場所で魔法円を描く。

  中央のよい場所では、大魔術師が手から魔法円を作り出して派手なパフォーマンスを繰り広げ、妖精や天使の関心を集める。

  私の呪文使いは、何もいない暗い場所で、静かに月を見上げる。
  

  私が電子タブレットで物語を発信するように
  呪文使いは、エメラルド・タブレットを起動する。
  エメラルド・タブレットは、エジプト風味の錬金術師の貴重品

  ここでは、より、電子タブレットに近い機能にアップデートされた、妖精に物語を届けるアイテムだ。

  呪文使いが、賢者のランタンを消し、エメラルド・タブレットを起動させると、月明かりの下で、それは蛍のような優しい光の玉を作りながら、静かに物語を始めるのだ。

  その声に惹かれるように、月明かりで作った真珠の珠を手に、妖精が1人、2人と何処からともなく集まりだした。


  

  はぁ…やっと、落ち着いた。
  そんなメルヘン、考えてる場合じゃない。
  そんなんじゃ、『みい・ムー』の読者には刺さらない。

  そして、ゲッペルスでメルヘンを作れるような私には技量はない。

  さて、ここで落ち着いて話を始めよう。
  これは、小説を書きはじめてそれ程たたない頃、ナチスのドキュメンタリー番組を見てボヤいた記事についた感想から始まる長い物語だ。
   この5年、未だ回答のしれない…

  2019年…それは、西條先生のデビュー100周年の節目の年と、同時に、平成と言う時代の節目でもあった。
  その年は日本でも歴史的な時となった。
  年号が令和に変わったのだ。
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