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だ、男子の前で、超微恋ジレジレBLの感想を発表ですってぇぇ…
と、気持ちはロン毛ロールの悪役令嬢気分になりながら葵は必死で考える。
目の前で秀実と遥希が思い思いの感想を期待している。
BLの感想か、
ミステリーの感想か。
こんなものは選択の余地はない。
「ホームズの二次小説として面白かったよ。
アーサーは紳士で格好よかったし、アーサーの雇い主の女主人の死因も奇抜でビックリしたし。」
葵は赤い紐で手足をエロく縛られた女主人を思い出して赤面する。
その雰囲気に気がついて、遥希もつられて照れ笑いを浮かべる。
「二人とも…この作品をホームズの二次だと思ったのね。」
秀実は、お見合いみたいにうつ向く二人を少し呆れて呟いた。
「え?違うの。」
葵が反射的に叫んだ。
「違うわよ。これ、『D坂の殺人事件』をモデルに作られたのよ。」
秀実の台詞に葵は混乱する。
「え、19世紀の探偵、ロンドンなら、ホームズじゃないの?名前だって、アーサーだし。」
葵は驚いて確認する。だって、後書きにもそんな話は書いてない。
「まあ、キャラは、そっちに近いけど、内容は『D坂の殺人事件』よ。あの内容なら、乱歩ファンならすぐに分かるわよ。」
秀実に言われて、遥希と葵は渋い顔をした。
江戸川乱歩は知っている。
明智小五郎も知っている。
でも、『D坂の殺人事件』なんて聞いたことはない。『黒蜥蜴』と『魔術師』なら、昔のドラマで、長い題名のヤツで見たけれど。
「私、ファンじゃないもん。」
葵がつい、文句を言う。
「ファンじゃ無くても、二次作を作るなら、最低限知っておくべきよ。
これは、1925年発表の明智小五郎のデビュー作品なんだから。」
「デビュー作なら仕方ないな。始めを考えるのは面倒くさいし。」
遥希は、作業的な問題で『D坂の殺人事件』を受け入れた。
「でもっ…だったら、日本で良いじゃない。なにもホームズに近づけなくても。紛らわしいわ。」
葵は、気持ちがおさまらずに文句を言う。
「あら、良いんじゃない。」
秀実が叫び、葵は目を見開いて秀実を見た。
「え?」
「えっ…って、ホームズの著作権も切れてるから、逆も出来るって事じゃない。
『ロンドン浪漫』は、何度も見て、知り尽くしたお話を新鮮な視点で読むために、シュチュエーションを変えたのよ。
ほら、推理小説って、謎が解けたら、面白味が半減するじゃない?」
秀実に言われて、葵も納得する。
「ああ…なるほど。」
「そう、これは、大昔のミステリーをコスで新しく楽しめるように工夫をしてるのよ。だから、イラストが満載で、ビクトリア時代の様々なミニ知識がふんだんに盛り込んであるのよ。」
秀実はイラストを見つめて嬉しそうにしていた。
「確かに、綺麗な絵だよな。」
遥希が同意する。
「そう、この絵師、多分、地元の人なのよ。ホリタツってペンネームなんだけど、もしかしたら、知ってるおじさんかも知れないとか考えると、なんか、探すのが楽しくなるわ。」
秀実は嬉しそうにしていた。それと反比例して葵は青くなる。
ホリタツ…まだ、聞いてないけど、その正体は奈穂子。
「私、このイベントに参加して、ホリタツを探したいのっ!!そして、私の好きなシーンをいっぱい書いて貰うんだ。だから、本気でいくからっ。」
秀実は、少し暮れかけた空を見上げて宣言した。
はぁっ(°∇°;)
葵は、その場で固まった。何か、知らないうちに別次元のミステリーの犯人になった気持ちになる。
「いや、それは、奈穂子さんがいい。」
遥希が、何か、良い事を思い出しながら含み笑いを漏らして言った。
えっ…(;゜∀゜)
奈穂子……おばさん、人気だなぁ…。
葵は、明智小五郎より、秀実に黒歴史を暴かれる奈穂子の未来を案じ始めていた。
と、気持ちはロン毛ロールの悪役令嬢気分になりながら葵は必死で考える。
目の前で秀実と遥希が思い思いの感想を期待している。
BLの感想か、
ミステリーの感想か。
こんなものは選択の余地はない。
「ホームズの二次小説として面白かったよ。
アーサーは紳士で格好よかったし、アーサーの雇い主の女主人の死因も奇抜でビックリしたし。」
葵は赤い紐で手足をエロく縛られた女主人を思い出して赤面する。
その雰囲気に気がついて、遥希もつられて照れ笑いを浮かべる。
「二人とも…この作品をホームズの二次だと思ったのね。」
秀実は、お見合いみたいにうつ向く二人を少し呆れて呟いた。
「え?違うの。」
葵が反射的に叫んだ。
「違うわよ。これ、『D坂の殺人事件』をモデルに作られたのよ。」
秀実の台詞に葵は混乱する。
「え、19世紀の探偵、ロンドンなら、ホームズじゃないの?名前だって、アーサーだし。」
葵は驚いて確認する。だって、後書きにもそんな話は書いてない。
「まあ、キャラは、そっちに近いけど、内容は『D坂の殺人事件』よ。あの内容なら、乱歩ファンならすぐに分かるわよ。」
秀実に言われて、遥希と葵は渋い顔をした。
江戸川乱歩は知っている。
明智小五郎も知っている。
でも、『D坂の殺人事件』なんて聞いたことはない。『黒蜥蜴』と『魔術師』なら、昔のドラマで、長い題名のヤツで見たけれど。
「私、ファンじゃないもん。」
葵がつい、文句を言う。
「ファンじゃ無くても、二次作を作るなら、最低限知っておくべきよ。
これは、1925年発表の明智小五郎のデビュー作品なんだから。」
「デビュー作なら仕方ないな。始めを考えるのは面倒くさいし。」
遥希は、作業的な問題で『D坂の殺人事件』を受け入れた。
「でもっ…だったら、日本で良いじゃない。なにもホームズに近づけなくても。紛らわしいわ。」
葵は、気持ちがおさまらずに文句を言う。
「あら、良いんじゃない。」
秀実が叫び、葵は目を見開いて秀実を見た。
「え?」
「えっ…って、ホームズの著作権も切れてるから、逆も出来るって事じゃない。
『ロンドン浪漫』は、何度も見て、知り尽くしたお話を新鮮な視点で読むために、シュチュエーションを変えたのよ。
ほら、推理小説って、謎が解けたら、面白味が半減するじゃない?」
秀実に言われて、葵も納得する。
「ああ…なるほど。」
「そう、これは、大昔のミステリーをコスで新しく楽しめるように工夫をしてるのよ。だから、イラストが満載で、ビクトリア時代の様々なミニ知識がふんだんに盛り込んであるのよ。」
秀実はイラストを見つめて嬉しそうにしていた。
「確かに、綺麗な絵だよな。」
遥希が同意する。
「そう、この絵師、多分、地元の人なのよ。ホリタツってペンネームなんだけど、もしかしたら、知ってるおじさんかも知れないとか考えると、なんか、探すのが楽しくなるわ。」
秀実は嬉しそうにしていた。それと反比例して葵は青くなる。
ホリタツ…まだ、聞いてないけど、その正体は奈穂子。
「私、このイベントに参加して、ホリタツを探したいのっ!!そして、私の好きなシーンをいっぱい書いて貰うんだ。だから、本気でいくからっ。」
秀実は、少し暮れかけた空を見上げて宣言した。
はぁっ(°∇°;)
葵は、その場で固まった。何か、知らないうちに別次元のミステリーの犯人になった気持ちになる。
「いや、それは、奈穂子さんがいい。」
遥希が、何か、良い事を思い出しながら含み笑いを漏らして言った。
えっ…(;゜∀゜)
奈穂子……おばさん、人気だなぁ…。
葵は、明智小五郎より、秀実に黒歴史を暴かれる奈穂子の未来を案じ始めていた。
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