祓魔師 短編集

のーまじん

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懺悔

一環

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 「ロザリオは、アブェ・マリアの祈りを数える整具…と、でも言うのでしょうか?
 バラを摘むように祈りを唱え、やがて、その美しい行いをマリアを飾る花冠にして、聖母への真心をしめす……。

 と、するなら、我々は、行われた不正と虐待をシラミのように潰して作る悪魔に捧げる王冠…。

 あなたのロザリオを飾る大粒の7つの『窓の石』に当たるのは、我々7人。

 これは、地獄からなお、吹き出す呪いであり、祈り。いわば私は『一環』の一つの石に過ぎません。」
プレアティは、穏やかな声でそう言った。

「一環……。」
カルロは不満げにそう呟く。
 悪魔の行いをマリアへの敬愛の言葉を使って例えられたくはなかった。

 『一環』とは、5つの祈りを終えて、ロザリオを一周することで、祈り終えると清らかな気持ちにさせてくれる。

 悪魔の周期の用な邪悪な行いとは真逆の位置にあるものだ。

 「そうです。本日、私の死を持って、全てが成される。正に、一環の祈りを貴方に聞いていただけるとは、嬉しい限り。」
プレアティは、そう言って軽い笑い声をあげる。
 それから、からかうようにアンドレに声をかけた。
 「これで地獄に帰れると思うと、とても晴れやかな気持ちだよ。
 アンドレ…明日からはせいせいするだろ?」
プレアティの煽り言葉に、アンドレは反応することなく祈りの言葉を呟いていた。
 プレアティは、アンドレの様子につまらなそうにため息をついた。
 それから、気をとり直すようにカルロに視線を向けて話を続けた。

 「『魔物の系譜』では、1445年の絞首刑から話が始まりますね?」
プレアティの質問にカルロは頷いた。
「はじめの…オリジナルのフランソワ・プレアティです。」
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