19 / 52
絵本の子供達
しおりを挟む
ミュリエルがその日の夕方邸宅に戻ると、広いリビングで優雅にお茶を飲むこの国の王太子アルスが自分を出迎えた
「遅かったな」
「何かあったのですか?」
見ると同席した兄と、デオも自分を見ている
「王子を襲った竜と似た竜のことが王国の歴史書に残っていたんだ」
また歴史書
「それに、フードの男がデオに接触しようとしてきたらしい」
なんですと?
兄の言葉にミュリエルはデオを見た
「いつも行ってた酒場の店主に言づけがあったらしくて」
「なんて?」
デオは小さい紙をミュリエルに差し出した
『その王太子は記憶を持っているか』
ミュリエルはアルスを見た
「なんのことかさっぱりわからない」アルスが答えると
ミュリエルは考え込む
あのフードの男の言う記憶はわからないけど、
ミュリエルにとっては嬉しい質問だ
これは団長の記憶を持っていないと同義、でも団長と最も似た容姿のアルスは団長候補から外せないな
しかし、フードの男言う記憶ってなんだろう
ミュリエルはうーんと考え込んだ
「すでにデオが王太子の護衛に入っていることは知れているはずだし
あの男はこの紙を見た王太子の反応が知りたいんだよね」
「知っていると言って誘き出すのか?」
ランディの言うとおり誘き出して捕まえてもいい
けど、
「誘き出してまた竜を連れてこられてもな、、、。」
王都がまた破壊されるのは困る
「知らないと言ったら王太子から手を引くのかな?」
ミュリエルはあの男が気になった
最初の襲撃以降全然姿を見せていない
人を操って、竜を送り込む、姿は見せないが、あの男の魔力は残っていた
その魔力とウルドの放つ魔力が似ている気がしたのだ
前の公開試験の時のウルドの一瞬の魔力放出の時は気づかなかった
しかし、さっきのウルドの暴走した時の魔力はフードの男とは別ものだが
出所が似ている?
同じ出生地とか、、、?
あの男が竜を操っているとしたら
「その、竜のことが載った歴史書には何て書いてあったのですか?」
「それはデオが王立図書館の地下で見つけたんだ、しかし持ち出し不可の書で」
アルスがデオに目線を送るとデオはまたメモを出す
「書き写してきた。黒い竜は、ラスティア王国北の国境付近、
辺境のカリオ領の竜騎士が乗っていた竜で、そこに深い谷があって、黒い竜の生息地だと、600年前の歴史書だ、中にはその姿を描いた絵もあった、今回街に出た竜と似ていた。」
ミュリエルは荷物の中から買ってきた歴史書を開く
「これ、さっき書店で見つけたのです、この本を描いた人も竜の谷で黒い竜を確認したとあります」
場所も、辺境の村カリオ
「この作者の方、まだ生きておられるのかしら、会ってみたい」
テレージア・ファレア
「うーん、調査に行くには遠いな、竜の谷は馬車で15日以上かかるって書いてあった、深い森を抜けたところにあって道中魔物も多いって」デオが読んだ歴史書の内容を語る
「デオくん、行ってみて来てよ」
ミュリエルはなんともなしに言ってみる
「はぁ?いやだよ、聞いてた?魔物も出るし、すっごく遠いの、往復したら馬車に乗って歩いて、一ヶ月以上かかるってことでしょ?俺、体力には自信ないから!」
「それに、王太子、ここ数日で何回も暗殺されかけてるし」
「え!?」
ミュリエルは驚く
「俺は影ながらそいつらをやっつけて、城門の影からポイして門番の人に引き渡したけど、みんなフードの男がそこらへんで雇ってる奴らでそれ以上のことはわからないってさ」
デオの時と一緒だ
「やはり、ミュリエルが言っていたようにフードの男が狙っているのは私らしいな」
アルスは本当に身に覚えがないようだ
「なぜそんな簡単に王城に賊が出入りできるんだよ、夜会の時も思ったが警備はどうなっているんだ?」
ランディは信じられないという
「あのフードの男、夜会の時も魔法で結界を解除して、そこに隠蔽する魔法をかけていたから、今回もきっと、暗殺者に同様の効果の魔法陣を持たせていたんじゃない?」
「ああ、持っていた」デオが言う
「この国魔法士にその魔法陣が描かれたメモを回したから対策はしてくれてると思うぞ」
「デオには引き続き私のそばで護衛をしてもらう、報酬も今の倍払おう」
デオはそれを聞いて喜んでいる
「そして、白の騎士とその兵士に辺境の調査をしてもらおうと思う」
白の騎士は王太子直属のものもいるということで頼みやすいのかな?
「そうですね、では、これを、」
ミュリエルはサラサラとリビングにあった用紙に緻密な魔法陣を描いていく
「これを、辺境に到着したら広い場所に、大きく記号も一文も間違いなく印していただければ大量の魔力を有するので、私以外使えないかもしれないけど、帰りは転移魔法を使って調査団を迎えに行きましょう。」
「えーお前、転移魔法も使えるのか!?」デタラメだなっと
デオは驚く
「王都に来て試しに使ってみたの、来る前に自分の領に魔法陣を描いてきたから」
ミュリエルが答えると
遠くでも同じ陣を描く事で繋ぐことができる魔法だった
「え?ってことは、ライランド領まで転移できるってことか?」
ランディがくいつく
「え、お兄様帰りたいの?」
「まぁ、父さんだって寂しいだろうし、母様だってたまには帰りたいんじゃないか?」
ミュリエルは王都の暮らしが気に入っていたため、そんな発想が思い浮かばなかった
「お父様寂しい、、、?」
何度か試しに転移を使った時ご挨拶してくるべきだったかな?
いや、あの父は突然姿を現した娘に恐怖を覚えるかもしれない
「じゃ今度、お母様とお兄様、みんなで転移してみる?」
「おお、楽しみだ」
「いいな、私も行ってみたい。ライランド領も遠いからな」
アルスもくいつく
「いやいや、王太子様忙しいでしょ」
ミュリエルが言うと
「暗殺者もまさか転移でどっかいくとか思わないだろうからいい隠れみのになるんじゃない?」デオが言う
アルスはいい考えだな、とか言っている
いやいや、王太子来たら父びっくりどころではない
「とにかく!、これを」
ミュリエルは紙に描いた魔法陣をアルスに手渡した
「わかった、魔法士も1人同行させて、準備させよう」
その日は何故か、アルスとデオがうちの晩餐に同席し母エミリアと楽しく談笑した後
ミュリエルの買って来たケーキを食べ、満足げに帰っていった
部屋に戻ったミュリエルは、
ソファに座ると絵本を取り出した
パラリと表紙をめくる
それは竜に育てられた男の子の話だった
『黒い子供と黒い竜』
1人竜の巣に生贄として落とされた男の子は
母を待ちながら何年も暗い谷底で暮らし、竜と仲良くなる
18歳になった時、白い魔女が現れて、男の子を助け出した
魔女は青年となった黒い子供に魔法を教える
男の子は立派な魔法使いになった。
そして旅立っていく
そんな話だった
ミュリエルはもう一冊の歴史書を開く
絵本の黒い子供と竜は20年以上前、青い瞳の騎士は17年前、この本はその1年後に出版されたようだった
テレージアは、何を知っているんだろう
団長と黒い子供は何か関係があるのだろうか
『竜の住う谷』
パラリとその本を読み進めていく
カリオ領にあるカリオ村の近くには
竜の谷があり
黒い竜が1000年前以前より住み着いている
600年ほど前はここを守る竜騎士がおり、ここに生息していた竜に跨って隣国から、魔物から、領地の守りを担っていた
いつしかこの森に害意あるものが立ち入ると竜によって食い殺されてしまうと恐れられて、村人以外滅多に人が立ち入ることは無くなった
そのほかにも代々竜騎士が領主になったことや
年々の竜の個体数など色々なことが書いてある
だんだんと竜が減っていき、竜騎士も後を継ぐものがいなくなった
ここ最近は
竜は滅多に外には出ない
谷は深く竜達は谷底で過ごしている
村の周りは深い森に囲まれていて、森の恵みを受け村人達は生きている
谷に住む竜の魔力は強大で、村や森を囲むように広がっている
これが、他の魔物があまり近寄らず、竜に守られた村として伝えられる所以だ
竜の魔力に怯えて、その縄張りに入る魔物はいないという事
今はその個体数も減り、5体の個体が暮らしている
そしてもう一つ
言い伝えがあった
村人が数十年周期で子供を谷に落とす生贄の儀式があるという
村の人間はこの地特有の黒髪黒眼で竜の魔力に似た魔力を持って生まれる子供が稀にいる
選ばれた子供は特に魔力の強いものが多い
竜が子供を食べることによって村の守りが強くなると言い伝えられていると
が、そんな事実はない
根拠もなく子供を死なせている儀式など廃止するべきで、
それに加担するものも罰せられるべきだと
最後に作者の想いが綴られていた
「ひどい、。生贄だなんて、、、。」
絵本の団長は現実に存在した
この黒い子供も実際に存在しているとしたら、あのフードの男がそうなのだろうか
でも何故、王太子を狙うのか
「、、、、。」
「まさか、絵本の子供、って、」
ミュリエルは自分の持っている『青の瞳の騎士』を取り出す
パラリとめくると最初の一文が目に止まる
「貧しい辺境の村に特別な子供が生まれる」
辺境の村、、、!
団長もこの村の出身だと言うこと?
この子供を狙って?
まさかあの時の、アレンと団長が死んだ時の竜も、フードの男、、黒い子供が仕向けたこと?
団長は死んでしまった、なのに
なぜアルスをまた狙うのか、アルスは正真正銘王族で団長とは血も繋がっていない、
一方で団長の息子であるライアンも傷を追わされたし、夫人にも魔法陣が仕掛けられていた。
ミュリエルは『青の瞳の騎士』に触れる
フードの男もミュリエルと同じようにアルスが団長の生まれ変わりだと思っている?
魔法使い同士に感じる似た魔力を感じたのだろうか
それとも
見た目が似ている、という理由だけで?王太子の絵姿はよく出回っているし
あの夜会にもそれを確認しに来たのだとしたら
『その王太子は記憶を持っているか』
デオの持っていたメモを思い出す
私のように記憶を持って生まれ変わったと思っている?
そんな存在が私以外にいて、黒い子供、、、フードの男はなぜ
団長の生まれ変わりを探すのか
やはり、行くべきだろう
その谷に
入団式前に、アルスの調査団が辺境に着いて、魔法陣が設置されたら
それまでに団長も探して、フードの男も探して、ウルドのことも調べてみよう
「遅かったな」
「何かあったのですか?」
見ると同席した兄と、デオも自分を見ている
「王子を襲った竜と似た竜のことが王国の歴史書に残っていたんだ」
また歴史書
「それに、フードの男がデオに接触しようとしてきたらしい」
なんですと?
兄の言葉にミュリエルはデオを見た
「いつも行ってた酒場の店主に言づけがあったらしくて」
「なんて?」
デオは小さい紙をミュリエルに差し出した
『その王太子は記憶を持っているか』
ミュリエルはアルスを見た
「なんのことかさっぱりわからない」アルスが答えると
ミュリエルは考え込む
あのフードの男の言う記憶はわからないけど、
ミュリエルにとっては嬉しい質問だ
これは団長の記憶を持っていないと同義、でも団長と最も似た容姿のアルスは団長候補から外せないな
しかし、フードの男言う記憶ってなんだろう
ミュリエルはうーんと考え込んだ
「すでにデオが王太子の護衛に入っていることは知れているはずだし
あの男はこの紙を見た王太子の反応が知りたいんだよね」
「知っていると言って誘き出すのか?」
ランディの言うとおり誘き出して捕まえてもいい
けど、
「誘き出してまた竜を連れてこられてもな、、、。」
王都がまた破壊されるのは困る
「知らないと言ったら王太子から手を引くのかな?」
ミュリエルはあの男が気になった
最初の襲撃以降全然姿を見せていない
人を操って、竜を送り込む、姿は見せないが、あの男の魔力は残っていた
その魔力とウルドの放つ魔力が似ている気がしたのだ
前の公開試験の時のウルドの一瞬の魔力放出の時は気づかなかった
しかし、さっきのウルドの暴走した時の魔力はフードの男とは別ものだが
出所が似ている?
同じ出生地とか、、、?
あの男が竜を操っているとしたら
「その、竜のことが載った歴史書には何て書いてあったのですか?」
「それはデオが王立図書館の地下で見つけたんだ、しかし持ち出し不可の書で」
アルスがデオに目線を送るとデオはまたメモを出す
「書き写してきた。黒い竜は、ラスティア王国北の国境付近、
辺境のカリオ領の竜騎士が乗っていた竜で、そこに深い谷があって、黒い竜の生息地だと、600年前の歴史書だ、中にはその姿を描いた絵もあった、今回街に出た竜と似ていた。」
ミュリエルは荷物の中から買ってきた歴史書を開く
「これ、さっき書店で見つけたのです、この本を描いた人も竜の谷で黒い竜を確認したとあります」
場所も、辺境の村カリオ
「この作者の方、まだ生きておられるのかしら、会ってみたい」
テレージア・ファレア
「うーん、調査に行くには遠いな、竜の谷は馬車で15日以上かかるって書いてあった、深い森を抜けたところにあって道中魔物も多いって」デオが読んだ歴史書の内容を語る
「デオくん、行ってみて来てよ」
ミュリエルはなんともなしに言ってみる
「はぁ?いやだよ、聞いてた?魔物も出るし、すっごく遠いの、往復したら馬車に乗って歩いて、一ヶ月以上かかるってことでしょ?俺、体力には自信ないから!」
「それに、王太子、ここ数日で何回も暗殺されかけてるし」
「え!?」
ミュリエルは驚く
「俺は影ながらそいつらをやっつけて、城門の影からポイして門番の人に引き渡したけど、みんなフードの男がそこらへんで雇ってる奴らでそれ以上のことはわからないってさ」
デオの時と一緒だ
「やはり、ミュリエルが言っていたようにフードの男が狙っているのは私らしいな」
アルスは本当に身に覚えがないようだ
「なぜそんな簡単に王城に賊が出入りできるんだよ、夜会の時も思ったが警備はどうなっているんだ?」
ランディは信じられないという
「あのフードの男、夜会の時も魔法で結界を解除して、そこに隠蔽する魔法をかけていたから、今回もきっと、暗殺者に同様の効果の魔法陣を持たせていたんじゃない?」
「ああ、持っていた」デオが言う
「この国魔法士にその魔法陣が描かれたメモを回したから対策はしてくれてると思うぞ」
「デオには引き続き私のそばで護衛をしてもらう、報酬も今の倍払おう」
デオはそれを聞いて喜んでいる
「そして、白の騎士とその兵士に辺境の調査をしてもらおうと思う」
白の騎士は王太子直属のものもいるということで頼みやすいのかな?
「そうですね、では、これを、」
ミュリエルはサラサラとリビングにあった用紙に緻密な魔法陣を描いていく
「これを、辺境に到着したら広い場所に、大きく記号も一文も間違いなく印していただければ大量の魔力を有するので、私以外使えないかもしれないけど、帰りは転移魔法を使って調査団を迎えに行きましょう。」
「えーお前、転移魔法も使えるのか!?」デタラメだなっと
デオは驚く
「王都に来て試しに使ってみたの、来る前に自分の領に魔法陣を描いてきたから」
ミュリエルが答えると
遠くでも同じ陣を描く事で繋ぐことができる魔法だった
「え?ってことは、ライランド領まで転移できるってことか?」
ランディがくいつく
「え、お兄様帰りたいの?」
「まぁ、父さんだって寂しいだろうし、母様だってたまには帰りたいんじゃないか?」
ミュリエルは王都の暮らしが気に入っていたため、そんな発想が思い浮かばなかった
「お父様寂しい、、、?」
何度か試しに転移を使った時ご挨拶してくるべきだったかな?
いや、あの父は突然姿を現した娘に恐怖を覚えるかもしれない
「じゃ今度、お母様とお兄様、みんなで転移してみる?」
「おお、楽しみだ」
「いいな、私も行ってみたい。ライランド領も遠いからな」
アルスもくいつく
「いやいや、王太子様忙しいでしょ」
ミュリエルが言うと
「暗殺者もまさか転移でどっかいくとか思わないだろうからいい隠れみのになるんじゃない?」デオが言う
アルスはいい考えだな、とか言っている
いやいや、王太子来たら父びっくりどころではない
「とにかく!、これを」
ミュリエルは紙に描いた魔法陣をアルスに手渡した
「わかった、魔法士も1人同行させて、準備させよう」
その日は何故か、アルスとデオがうちの晩餐に同席し母エミリアと楽しく談笑した後
ミュリエルの買って来たケーキを食べ、満足げに帰っていった
部屋に戻ったミュリエルは、
ソファに座ると絵本を取り出した
パラリと表紙をめくる
それは竜に育てられた男の子の話だった
『黒い子供と黒い竜』
1人竜の巣に生贄として落とされた男の子は
母を待ちながら何年も暗い谷底で暮らし、竜と仲良くなる
18歳になった時、白い魔女が現れて、男の子を助け出した
魔女は青年となった黒い子供に魔法を教える
男の子は立派な魔法使いになった。
そして旅立っていく
そんな話だった
ミュリエルはもう一冊の歴史書を開く
絵本の黒い子供と竜は20年以上前、青い瞳の騎士は17年前、この本はその1年後に出版されたようだった
テレージアは、何を知っているんだろう
団長と黒い子供は何か関係があるのだろうか
『竜の住う谷』
パラリとその本を読み進めていく
カリオ領にあるカリオ村の近くには
竜の谷があり
黒い竜が1000年前以前より住み着いている
600年ほど前はここを守る竜騎士がおり、ここに生息していた竜に跨って隣国から、魔物から、領地の守りを担っていた
いつしかこの森に害意あるものが立ち入ると竜によって食い殺されてしまうと恐れられて、村人以外滅多に人が立ち入ることは無くなった
そのほかにも代々竜騎士が領主になったことや
年々の竜の個体数など色々なことが書いてある
だんだんと竜が減っていき、竜騎士も後を継ぐものがいなくなった
ここ最近は
竜は滅多に外には出ない
谷は深く竜達は谷底で過ごしている
村の周りは深い森に囲まれていて、森の恵みを受け村人達は生きている
谷に住む竜の魔力は強大で、村や森を囲むように広がっている
これが、他の魔物があまり近寄らず、竜に守られた村として伝えられる所以だ
竜の魔力に怯えて、その縄張りに入る魔物はいないという事
今はその個体数も減り、5体の個体が暮らしている
そしてもう一つ
言い伝えがあった
村人が数十年周期で子供を谷に落とす生贄の儀式があるという
村の人間はこの地特有の黒髪黒眼で竜の魔力に似た魔力を持って生まれる子供が稀にいる
選ばれた子供は特に魔力の強いものが多い
竜が子供を食べることによって村の守りが強くなると言い伝えられていると
が、そんな事実はない
根拠もなく子供を死なせている儀式など廃止するべきで、
それに加担するものも罰せられるべきだと
最後に作者の想いが綴られていた
「ひどい、。生贄だなんて、、、。」
絵本の団長は現実に存在した
この黒い子供も実際に存在しているとしたら、あのフードの男がそうなのだろうか
でも何故、王太子を狙うのか
「、、、、。」
「まさか、絵本の子供、って、」
ミュリエルは自分の持っている『青の瞳の騎士』を取り出す
パラリとめくると最初の一文が目に止まる
「貧しい辺境の村に特別な子供が生まれる」
辺境の村、、、!
団長もこの村の出身だと言うこと?
この子供を狙って?
まさかあの時の、アレンと団長が死んだ時の竜も、フードの男、、黒い子供が仕向けたこと?
団長は死んでしまった、なのに
なぜアルスをまた狙うのか、アルスは正真正銘王族で団長とは血も繋がっていない、
一方で団長の息子であるライアンも傷を追わされたし、夫人にも魔法陣が仕掛けられていた。
ミュリエルは『青の瞳の騎士』に触れる
フードの男もミュリエルと同じようにアルスが団長の生まれ変わりだと思っている?
魔法使い同士に感じる似た魔力を感じたのだろうか
それとも
見た目が似ている、という理由だけで?王太子の絵姿はよく出回っているし
あの夜会にもそれを確認しに来たのだとしたら
『その王太子は記憶を持っているか』
デオの持っていたメモを思い出す
私のように記憶を持って生まれ変わったと思っている?
そんな存在が私以外にいて、黒い子供、、、フードの男はなぜ
団長の生まれ変わりを探すのか
やはり、行くべきだろう
その谷に
入団式前に、アルスの調査団が辺境に着いて、魔法陣が設置されたら
それまでに団長も探して、フードの男も探して、ウルドのことも調べてみよう
1
お気に入りに追加
385
あなたにおすすめの小説
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
姫金魚乙女の溺愛生活 〜「君を愛することはない」と言ったイケメン腹黒冷酷公爵様がなぜか私を溺愛してきます。〜
水垣するめ
恋愛
「あなたを愛することはありません」
──私の婚約者であるノエル・ネイジュ公爵は婚約を結んだ途端そう言った。
リナリア・マリヤックは伯爵家に生まれた。
しかしリナリアが10歳の頃母が亡くなり、父のドニールが愛人のカトリーヌとその子供のローラを屋敷に迎えてからリナリアは冷遇されるようになった。
リナリアは屋敷でまるで奴隷のように働かされることとなった。
屋敷からは追い出され、屋敷の外に建っているボロボロの小屋で生活をさせられ、食事は1日に1度だけだった。
しかしリナリアはそれに耐え続け、7年が経った。
ある日マリヤック家に対して婚約の打診が来た。
それはネイジュ公爵家からのものだった。
しかしネイジュ公爵家には一番最初に婚約した女性を必ず婚約破棄する、という習慣があり一番最初の婚約者は『生贄』と呼ばれていた。
当然ローラは嫌がり、リナリアを代わりに婚約させる。
そしてリナリアは見た目だけは美しい公爵の元へと行くことになる。
名前はノエル・ネイジュ。金髪碧眼の美しい青年だった。
公爵は「あなたのことを愛することはありません」と宣言するのだが、リナリアと接しているうちに徐々に溺愛されるようになり……?
※「小説家になろう」でも掲載しています。
お飾りの側妃ですね?わかりました。どうぞ私のことは放っといてください!
水川サキ
恋愛
クオーツ伯爵家の長女アクアは17歳のとき、王宮に側妃として迎えられる。
シルバークリス王国の新しい王シエルは戦闘能力がずば抜けており、戦の神(野蛮な王)と呼ばれている男。
緊張しながら迎えた謁見の日。
シエルから言われた。
「俺がお前を愛することはない」
ああ、そうですか。
結構です。
白い結婚大歓迎!
私もあなたを愛するつもりなど毛頭ありません。
私はただ王宮でひっそり楽しく過ごしたいだけなのです。
父が死んだのでようやく邪魔な女とその息子を処分できる
兎屋亀吉
恋愛
伯爵家の当主だった父が亡くなりました。これでようやく、父の愛妾として我が物顔で屋敷内をうろつくばい菌のような女とその息子を処分することができます。父が死ねば息子が当主になれるとでも思ったのかもしれませんが、父がいなくなった今となっては思う通りになることなど何一つありませんよ。今まで父の威を借りてさんざんいびってくれた仕返しといきましょうか。根に持つタイプの陰険女主人公。
愛されない花嫁は初夜を一人で過ごす
リオール
恋愛
「俺はお前を妻と思わないし愛する事もない」
夫となったバジルはそう言って部屋を出て行った。妻となったアルビナは、初夜を一人で過ごすこととなる。
後に夫から聞かされた衝撃の事実。
アルビナは夫への復讐に、静かに心を燃やすのだった。
※シリアスです。
※ざまあが行き過ぎ・過剰だといったご意見を頂戴しております。年齢制限は設定しておりませんが、お読みになる場合は自己責任でお願い致します。
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる