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妹の友達【お風呂】
舌②
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「ただいまー!茜!ごめん、タオル持ってきてー!」
梅雨時期だというのに傘の準備を忘れていた昴の失敗だった。
小雨だからと途中で傘を買ったり誰かに入れてもらったりもせずに帰路についたのも失敗だった。
結果、途中で強くなった雨でずぶ濡れになり学校から帰ってきた昴は玄関まで入り妹を呼ぶ。
奥の方で声に応える様に慌ただしく音は徐々に近づいてくる。
また妹に小言を言われながらタオルを渡されるのだろうと思ってた昴の目に映るのは予想外の姿。
「わ!おにいさん!?大丈夫ですか!?」
よく家に遊びに来る妹の友達、梓。
ウルフカットのミディアムヘアがとても似合う、中学生らしい幼さを残しつつもどこか大人びた雰囲気の女の子がタオルを持ってきた。
「あ、梓ちゃん!?茜は?」
「茜ちゃんはまた学校に忘れ物したらしくて…あ、タオルこれで良かったですか?」
またか…と呆れつつ、前回同じく家にこの可愛らしい女の子が1人、いや自分と2人で残された日を思い出す。
女の子から”告白の練習”をしたいと言われたあの日。
告白――つまり身体を、唇を舐められたあの日。
あれからたまに妹がいる時に顔を合わせてはいたが、どこか気まずかった。
ましてや今はその妹もいない。
「このタオルではなかったですか…?」
「あ、いや!それで大丈夫!ありがとうね」
ただ幸いにも今は女の子の目にはずぶ濡れの姿の自分が非常事態の様に映ってるらしく、それどころでは無いようだ。
近寄ってきた女の子からひとまずタオルを受け取ろうと手を伸ばそうとした。
「大丈夫ですか?暑くなってきたとは言え今日は冷えますから。じっとしてくださいね」
ん?と思ったのも束の間、タオルを頭の上からかぶせられ、視界が白色のタオルに覆われた。
「急いでシャワー浴びてください。風邪ひいたら大変です」
「え、あ、いや」
そのままポンポンとタオルを手で当てていき頭の水分を女の子が取っていく。
粗方頭の水分が取れたら次は上半身の服へタオルを当てる。
自分で拭くつもりだった為、予想外の事態に静止しようとするが、
女の子の表情は本気で心配している様子だった為、思わず言葉に詰まる。
拭かれていくタオルはズボンに移る。
「浴場に行くまでに濡れた床は私が拭いておきますので。着替えどこにありますか?後で持っていきます」
「い、いいよ、いいよ!自分で持っていくから。ありがと、気持ちだけ受け取っておくね」
「そうですか…?」
よし、と粗方ふき取り終わった女の子はびしょ濡れになった通学カバンが置かれてるのを見て有無言わさず受け取る。
「後で新しいタオル持ってきて荷物も拭いておきますね。中身は教科書とか大丈夫ですか?」
「な、中身は濡れるかもと思っておいてきたから大丈夫だよ」
濡れたカバンを持つ事で女の子も少し濡れてしまうのに、昴にその心配の声を上げさせる前に女の子は促す。
「さあ早く上がってシャワー浴びてください!風邪ひいちゃいます!」
これぐらい大丈夫なんだけど。
と思いつつも自分よりずっとしっかりしている1歳年下の女の子の圧に押されながら、浴場へ向かった。
梅雨時期だというのに傘の準備を忘れていた昴の失敗だった。
小雨だからと途中で傘を買ったり誰かに入れてもらったりもせずに帰路についたのも失敗だった。
結果、途中で強くなった雨でずぶ濡れになり学校から帰ってきた昴は玄関まで入り妹を呼ぶ。
奥の方で声に応える様に慌ただしく音は徐々に近づいてくる。
また妹に小言を言われながらタオルを渡されるのだろうと思ってた昴の目に映るのは予想外の姿。
「わ!おにいさん!?大丈夫ですか!?」
よく家に遊びに来る妹の友達、梓。
ウルフカットのミディアムヘアがとても似合う、中学生らしい幼さを残しつつもどこか大人びた雰囲気の女の子がタオルを持ってきた。
「あ、梓ちゃん!?茜は?」
「茜ちゃんはまた学校に忘れ物したらしくて…あ、タオルこれで良かったですか?」
またか…と呆れつつ、前回同じく家にこの可愛らしい女の子が1人、いや自分と2人で残された日を思い出す。
女の子から”告白の練習”をしたいと言われたあの日。
告白――つまり身体を、唇を舐められたあの日。
あれからたまに妹がいる時に顔を合わせてはいたが、どこか気まずかった。
ましてや今はその妹もいない。
「このタオルではなかったですか…?」
「あ、いや!それで大丈夫!ありがとうね」
ただ幸いにも今は女の子の目にはずぶ濡れの姿の自分が非常事態の様に映ってるらしく、それどころでは無いようだ。
近寄ってきた女の子からひとまずタオルを受け取ろうと手を伸ばそうとした。
「大丈夫ですか?暑くなってきたとは言え今日は冷えますから。じっとしてくださいね」
ん?と思ったのも束の間、タオルを頭の上からかぶせられ、視界が白色のタオルに覆われた。
「急いでシャワー浴びてください。風邪ひいたら大変です」
「え、あ、いや」
そのままポンポンとタオルを手で当てていき頭の水分を女の子が取っていく。
粗方頭の水分が取れたら次は上半身の服へタオルを当てる。
自分で拭くつもりだった為、予想外の事態に静止しようとするが、
女の子の表情は本気で心配している様子だった為、思わず言葉に詰まる。
拭かれていくタオルはズボンに移る。
「浴場に行くまでに濡れた床は私が拭いておきますので。着替えどこにありますか?後で持っていきます」
「い、いいよ、いいよ!自分で持っていくから。ありがと、気持ちだけ受け取っておくね」
「そうですか…?」
よし、と粗方ふき取り終わった女の子はびしょ濡れになった通学カバンが置かれてるのを見て有無言わさず受け取る。
「後で新しいタオル持ってきて荷物も拭いておきますね。中身は教科書とか大丈夫ですか?」
「な、中身は濡れるかもと思っておいてきたから大丈夫だよ」
濡れたカバンを持つ事で女の子も少し濡れてしまうのに、昴にその心配の声を上げさせる前に女の子は促す。
「さあ早く上がってシャワー浴びてください!風邪ひいちゃいます!」
これぐらい大丈夫なんだけど。
と思いつつも自分よりずっとしっかりしている1歳年下の女の子の圧に押されながら、浴場へ向かった。
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