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耳【告白】

耳③

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先程までの焦らす様な舐め方ではなく、美味しい飴を舐める様にたっぷり
しかしじっくりと口で耳を覆い、舌を中で蠢かせていく。

反対の耳も留守にしない。
たった今まで舐めていた事が証明されるべっとり耳に残っている唾液を
手の平で馴染ませる様に拡げる様にマッサージする様に
じっくりじっくりと動かし快感を与えていく。

男子生徒は両耳から聞こえるぐちょぐちょという音に脳を支配され声も出せない。
ただただ体温が上がっていく事だけが分かる。
熱い、気持ち良い、苦しい、もっと。

「ねえ…」

麻痺し始めた脳に心地よくくすぐったい囁きが耳元から届く。
目線だけを女子生徒がいる方に向ける。

「おち…ちん…すごく苦しそう」

言い慣れない単語に一瞬言い淀むが、ここまできて躊躇ってはいけない。
ズボンに押さえつけられているが膨らみがずっと強調されている股間の周りを軽く撫でる。

刺激を求めている部位に触ってもらえず、その周りだけがズボン越しに撫でられる。
より下半身が切なくなる。

「スッキリしたい?」
「こうやって舐められながら」
「私の手でゴシゴシゴシゴシって」
「終わったらキスもしてあげる」

何も考えられない頭に魅力の言葉が押し寄せる。
今もなおぐちょぐちょと与えられる快感が耳から響く。
ずっとずっと苦しい想いをしていた股間が求める。

「10分経ったよ」

10分経ったらなんだっただろう。
分からないけど今もずっと耳が気持ち良い。
囁きが吐息が体温が唇が舌が涎がずっと耳に快感を与え続けている。
もうずっとじれったい。触ってほしい。早く。

「答え聞かせて?私と…付き合ってくれますか…?」

そう問う女子生徒は今も舐め続ける。
今顔を合わせれば恥ずかしくて弱みをみせてしまう。
だから横から舐め続ける。
舐めれば舐めるほど呼吸が荒くなる男子生徒を横から見つめ、追い討ちをかけながら返事を待つ。

でも今更そんな事は関係なかった。
男子生徒はなぜ最初告白を断ろうとしたのか今は分からなかった。


「はい――!お願いします――っ!」

呼吸が荒いまま必死に声を絞り出す。
この返事の意味は分かっている。
身体への刺激だけで想いが変わったわけではない。決して。
隣にいる女の子の魅力に気付いたのだ…と思う。

女子生徒も言葉に詰まる。
いろんな感情が押し寄せて何を言えばいいか分からない。
ただ愛しの人が告白を受け入れてくれた。嬉しい。本当に嬉しい。
その感情を誤魔化す様により強く抱きしめ、唇を耳により強く押し付ける。

「大好きっ…!」
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