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番外編~迷作文学~
【白雪姫⠀5】
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麗らかな昼下がりの陽気に、白雪姫がうたた寝をしかけていた時、唐突にドアベルが鳴り響いた。
「はぁ……よりによってこんな時に来客とか、どんなバッドタイミングだよ……」
エルフ達にしつこく念を押されていたために返事はせず、そっと窓から玄関口を覗いてみることにした。
「……な、なんだあの黒髪イケメン! 超かっこいい! エルフ仲間かな?」
戸口に立つ絶世の美男に驚いている間にもチャイムは鳴らされ、やがて声が掛けられる。
「こんにちはー! どなたかいらっしゃいませんかー? お届け物でーす!」
「あ、なんだなんだ、宅配便の人か。なら出ても大丈夫だよな。はーい、今開けまーす」
「どうも……ってあれ? ここはエルフ様のお屋敷では?」
「ああ、今みんな出払ってるんで、留守番を任されてるんです。代わりに受け取りますよ」
白雪姫は底無しの阿呆であった。
「へぇ……じゃあ今、ここには貴方1人きりなんですか?」
「はい。あ、やっぱり本人じゃないとダメですかね?」
「こりゃ好都合……どうやら俺は強運も持ち合わせてるらしいな」
「どうしました?」
「いいえ、こちらの話です。ところで、貴方はとても可愛らしいですね。不躾ながら、ひと目で心を奪われてしまいました」
「えっ? い、いやぁ……そんな……」
白雪姫は好みドストライクの美男に甘く囁かれ、頬を赤らめて照れている。王妃は内心イラッとしつつも、ポーカーフェイスで懐から林檎を取り出した。
「ちょうど美味しそうな林檎を買っていたんですが、お近づきのしるしにひとついかがです?」
「うわぁ、真っ赤で綺麗! 俺の好物なんです! いただいて良いんですか?」
「もちろん。さあ、かじって」
「え……か、かじる?」
「そう。こうして両側から一緒に食べれば……ほら、仲良く半分こ出来るでしょう?」
そう言って口元へ捧げた林檎へ顔を寄せると、ぐっと互いの距離が近くなり、男の甘いマスクに白雪姫は瞳を蕩けさせる。
「さぁ早く、その可愛い口を開いて……」
「じゃあ、少しだけ……」
そして呆気なく毒林檎を食べて崩れ落ちる身体を受け止めると、王妃は元の姿に戻って溜め息をついた。
「ったく……あっさり騙されやがって。なんで俺がお前を殺さなきゃならないんだよ、くそ物語め……」
王妃は白雪姫をソファに横たえ、ひっそり毒づきながら城へ帰って行ったのだった。
その夜、仕事から戻ったエルフ達に発見された白雪姫は悲哀と号哭に包まれ、エルフの魔法によって作られた水晶の棺に納められた。棺の中にはたくさんの花が敷き詰められ、森の中に安置された。
昼となく夜となく、取りすがるエルフ達のすすり泣きが聖域を満たしている。
「どうして……! あれだけ言ったのに、ばかやろう……っ」
「可哀想な姫……。死に顔までこんなに綺麗で……とても埋められやしないよ……」
「埋めるな、土は冷たい。コイツが寂しがるだろ、俺たちが付いててやらないと」
「そうだな……」
「嘘やんな……? ホンマに死んだんちゃうよな……? やって頬も唇もまだこんなに赤いやんか……」
「呼吸も脈も無い……。確かにまるで眠っているようだが……残念だ……」
「……っ、こんなのひど過ぎる……」
1週間後──
「…………」
「…………」
「……な、なぁ、冠次……?」
「なんだ、荘紫」
「いくらなんでも、さ……おかしくないか……?」
「なにがだよ」
「普通、人間の遺体って、その……」
「バクテリアの分解が始まり、今頃はとうに腐敗が進んでいる……はずだ」
「しかし朱理姫はあの日のまま、何も変わっていない。さすがに普通ではないな」
「香づき、お前なんかしたん?」
「いいや、なんにもー。聖域パワーじゃない?」
「いや無理があるだろ! こんなポカポカ陽気の中に放置でこの状態は、どう考えてもおかしいって!」
「良いじゃねぇか、別に。綺麗なままに越したことないだろうが」
「そうだよー、可愛いは正義なんだからね!」
「お前らなぁ……」
奇妙なことに、毒林檎を食べた日から今まで、白雪姫の遺体は少しも腐敗せず、さすがのエルフ達も困惑の色を見せ始めていた。
と、そこへ森の中から姿を現したのは、従者を引き連れた隣国の王子である。
「何だ、あれ。エルフの祭壇か何かか?」
「うわ……最悪のタイミングで最悪の人が出て来た……」
「なにしてるお前ら! 早く朱理を隠せ!」
「もっとお花を増やしたら、見えないんじゃない?」
「馬鹿! 無理だっつの! この棺、水晶だぞ! どうしたって丸見えだわ!」
「ちょっと、なに? そんなに慌てて。何か見られちゃまずい物でもあるの?」
「アンタにはこれっぽっちも関係ないモンや。はよどっか行け、変態野郎」
「ひどっ。口悪いなぁ、エルフのくせにー。俺、仮にも王子よ? 隣の国のだけど」
「ええと……隣国の王子様がいったい、こないな所で何をなさってはるんどすか?」
「ちょっと嫁探しの旅に出たは良いものの、すっかり迷っちゃってさ。とりあえず聖域に来れば何とかなるかなと思って」
「でしたら、この先の道を真っ直ぐ行けば王都に出ますよ」
「うん、道は分かった。で、その棺はなに?」
ぎくり、とエルフ達は棺を隠すように立ちはだかる。
「な、何でもないです! 俺たちの儀式的なアレっていうか何ていうか……なぁ、つゆ李!」
「え、ええ! 非常に神聖な物ですので、あまり近付かれませんよう、お願い致します」
「んー? なんか怪しいなぁ。ちょっと見せてくれても良いじゃないか」
「ちょっ……ダメですって!」
「やめぇやボケ! こっち来んな!」
王子はかなり強引にエルフ達を押し退けて白雪姫の眠る棺へ近付くと、その姿をひと目見るなり溜め息のような感嘆のような吐息を漏らした。エルフ達は揃って頭をかかえてうなだれる。
「あーあ……終わった……」
「最悪、まじ最悪」
「おお……これぞまさに俺が34年間捜し求めてきた理想の人! この子はエルフなのか!?」
「まぁ、今さら隠しても仕方ないかぁ……。その人はこの国のお姫様、朱理姫だよ。その美しさを王妃に妬まれて、殺されちゃったんだよねぇ」
「ナイス王妃……じゃなかった、なんて酷い王妃だ! 許せないな!」
「そんな満面の笑みで言われても気持ち悪いだけやし。本音さらしたほうがマシやぞ、ネクロフィリア王子」
伊まりの刺々しいひと言に、王子はやおら真剣な顔付きで眼光鋭く問うた。
「死後、何日?」
「1週間」
「嘘だろまじか! なんで腐ってないの!? 魔法でもかけてんの?」
「いや、かけてない。だから俺たちにもさっぱりで」
「なんということだ! まさしく奇跡じゃないか!」
そう、この隣国の王子はネクロフィリアなのである。ゆえにこの歳まで結婚出来なかったという訳なのだ。
「はぁ……よりによってこんな時に来客とか、どんなバッドタイミングだよ……」
エルフ達にしつこく念を押されていたために返事はせず、そっと窓から玄関口を覗いてみることにした。
「……な、なんだあの黒髪イケメン! 超かっこいい! エルフ仲間かな?」
戸口に立つ絶世の美男に驚いている間にもチャイムは鳴らされ、やがて声が掛けられる。
「こんにちはー! どなたかいらっしゃいませんかー? お届け物でーす!」
「あ、なんだなんだ、宅配便の人か。なら出ても大丈夫だよな。はーい、今開けまーす」
「どうも……ってあれ? ここはエルフ様のお屋敷では?」
「ああ、今みんな出払ってるんで、留守番を任されてるんです。代わりに受け取りますよ」
白雪姫は底無しの阿呆であった。
「へぇ……じゃあ今、ここには貴方1人きりなんですか?」
「はい。あ、やっぱり本人じゃないとダメですかね?」
「こりゃ好都合……どうやら俺は強運も持ち合わせてるらしいな」
「どうしました?」
「いいえ、こちらの話です。ところで、貴方はとても可愛らしいですね。不躾ながら、ひと目で心を奪われてしまいました」
「えっ? い、いやぁ……そんな……」
白雪姫は好みドストライクの美男に甘く囁かれ、頬を赤らめて照れている。王妃は内心イラッとしつつも、ポーカーフェイスで懐から林檎を取り出した。
「ちょうど美味しそうな林檎を買っていたんですが、お近づきのしるしにひとついかがです?」
「うわぁ、真っ赤で綺麗! 俺の好物なんです! いただいて良いんですか?」
「もちろん。さあ、かじって」
「え……か、かじる?」
「そう。こうして両側から一緒に食べれば……ほら、仲良く半分こ出来るでしょう?」
そう言って口元へ捧げた林檎へ顔を寄せると、ぐっと互いの距離が近くなり、男の甘いマスクに白雪姫は瞳を蕩けさせる。
「さぁ早く、その可愛い口を開いて……」
「じゃあ、少しだけ……」
そして呆気なく毒林檎を食べて崩れ落ちる身体を受け止めると、王妃は元の姿に戻って溜め息をついた。
「ったく……あっさり騙されやがって。なんで俺がお前を殺さなきゃならないんだよ、くそ物語め……」
王妃は白雪姫をソファに横たえ、ひっそり毒づきながら城へ帰って行ったのだった。
その夜、仕事から戻ったエルフ達に発見された白雪姫は悲哀と号哭に包まれ、エルフの魔法によって作られた水晶の棺に納められた。棺の中にはたくさんの花が敷き詰められ、森の中に安置された。
昼となく夜となく、取りすがるエルフ達のすすり泣きが聖域を満たしている。
「どうして……! あれだけ言ったのに、ばかやろう……っ」
「可哀想な姫……。死に顔までこんなに綺麗で……とても埋められやしないよ……」
「埋めるな、土は冷たい。コイツが寂しがるだろ、俺たちが付いててやらないと」
「そうだな……」
「嘘やんな……? ホンマに死んだんちゃうよな……? やって頬も唇もまだこんなに赤いやんか……」
「呼吸も脈も無い……。確かにまるで眠っているようだが……残念だ……」
「……っ、こんなのひど過ぎる……」
1週間後──
「…………」
「…………」
「……な、なぁ、冠次……?」
「なんだ、荘紫」
「いくらなんでも、さ……おかしくないか……?」
「なにがだよ」
「普通、人間の遺体って、その……」
「バクテリアの分解が始まり、今頃はとうに腐敗が進んでいる……はずだ」
「しかし朱理姫はあの日のまま、何も変わっていない。さすがに普通ではないな」
「香づき、お前なんかしたん?」
「いいや、なんにもー。聖域パワーじゃない?」
「いや無理があるだろ! こんなポカポカ陽気の中に放置でこの状態は、どう考えてもおかしいって!」
「良いじゃねぇか、別に。綺麗なままに越したことないだろうが」
「そうだよー、可愛いは正義なんだからね!」
「お前らなぁ……」
奇妙なことに、毒林檎を食べた日から今まで、白雪姫の遺体は少しも腐敗せず、さすがのエルフ達も困惑の色を見せ始めていた。
と、そこへ森の中から姿を現したのは、従者を引き連れた隣国の王子である。
「何だ、あれ。エルフの祭壇か何かか?」
「うわ……最悪のタイミングで最悪の人が出て来た……」
「なにしてるお前ら! 早く朱理を隠せ!」
「もっとお花を増やしたら、見えないんじゃない?」
「馬鹿! 無理だっつの! この棺、水晶だぞ! どうしたって丸見えだわ!」
「ちょっと、なに? そんなに慌てて。何か見られちゃまずい物でもあるの?」
「アンタにはこれっぽっちも関係ないモンや。はよどっか行け、変態野郎」
「ひどっ。口悪いなぁ、エルフのくせにー。俺、仮にも王子よ? 隣の国のだけど」
「ええと……隣国の王子様がいったい、こないな所で何をなさってはるんどすか?」
「ちょっと嫁探しの旅に出たは良いものの、すっかり迷っちゃってさ。とりあえず聖域に来れば何とかなるかなと思って」
「でしたら、この先の道を真っ直ぐ行けば王都に出ますよ」
「うん、道は分かった。で、その棺はなに?」
ぎくり、とエルフ達は棺を隠すように立ちはだかる。
「な、何でもないです! 俺たちの儀式的なアレっていうか何ていうか……なぁ、つゆ李!」
「え、ええ! 非常に神聖な物ですので、あまり近付かれませんよう、お願い致します」
「んー? なんか怪しいなぁ。ちょっと見せてくれても良いじゃないか」
「ちょっ……ダメですって!」
「やめぇやボケ! こっち来んな!」
王子はかなり強引にエルフ達を押し退けて白雪姫の眠る棺へ近付くと、その姿をひと目見るなり溜め息のような感嘆のような吐息を漏らした。エルフ達は揃って頭をかかえてうなだれる。
「あーあ……終わった……」
「最悪、まじ最悪」
「おお……これぞまさに俺が34年間捜し求めてきた理想の人! この子はエルフなのか!?」
「まぁ、今さら隠しても仕方ないかぁ……。その人はこの国のお姫様、朱理姫だよ。その美しさを王妃に妬まれて、殺されちゃったんだよねぇ」
「ナイス王妃……じゃなかった、なんて酷い王妃だ! 許せないな!」
「そんな満面の笑みで言われても気持ち悪いだけやし。本音さらしたほうがマシやぞ、ネクロフィリア王子」
伊まりの刺々しいひと言に、王子はやおら真剣な顔付きで眼光鋭く問うた。
「死後、何日?」
「1週間」
「嘘だろまじか! なんで腐ってないの!? 魔法でもかけてんの?」
「いや、かけてない。だから俺たちにもさっぱりで」
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