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後日談【一般的とはほど遠い享楽的な休日】
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しおりを挟む「それで、センパイが好きな衣装って結局なんなんですかぁ?」
私服に着替えた矢車は、前髪に隠れていない方の目でジッと、松葉瀬のことを見つめた。
松葉瀬は矢車お手製のシチューを食べながら、眉を寄せる。
「ンなモン、考えたこともねェっつの。結局最後は脱がすんだから、どうだっていいだろ」
「ロマンがなぁい、下半身に直列しすぎぃ、きもぉいっ」
「そう言うテメェはあんのかよ」
「だからさっきも言った通り着ぐるみ──」
「テメェが冗談で返すなら、俺も同じようにするけどな」
先手を打った松葉瀬を見て、今度は矢車が眉を寄せた。
「……逆に訊きますけど、ボクの趣味嗜好を聴いてどうするんですぅ? 仮にボクが好きな衣装を知ったら、センパイは着てくれるんですかぁ?」
「テメェがそういう俺に犯されてェなら、頭の片隅には置いておいてやる」
「じゃあ教えませぇん」
「つまり、あるにはあるってことだな。今すぐ言え」
ジロリと、松葉瀬は矢車を睨み付ける。これでは【お願い】ではなく【命令】だ。
矢車はスプーンを齧りつつ、視線を松葉瀬から逸らす。
……それから。
「……学生の頃、です。今のボクは別に、そういうのは全然、ないですけど……」
「そういうクソくだらねェ前置きはいいから、サッサと言えっつの」
視線を松葉瀬から外したまま、矢車は呟く。
「──お医者さんごっこ、とか……。ちょっとだけ、ドキドキするかな……って」
ボソボソと、いつもの饒舌な矢車らしくない控えめな声。
松葉瀬は驚きを露わにしながら、矢車を見つめる。
「俺たちにとったら【医者】って存在は災厄以外の何者でもねェだろ。たった一言『アルファです』とか『オメガです』って言っただけで、俺たちの人生をメチャクチャにしたんだぞ?」
「だから、それが……っ。……運命的で、センパイが相手だと絶望的でいいんじゃないんですかね……っ。知りません、けど……っ」
「さっきは『学生の頃』とか言ってなかったか?」
「あぁぁもうっ! センパイ、うるさいですよ!」
矢車は強引に話を終えた後、スプーンの先を松葉瀬にビシッと向けた。
そのまま、矢車は松葉瀬に同じことを質問する。
「ホラ、次はセンパイの番です! 言っておきますけど『ナシ』って回答は絶対に許し──」
「──スーツ」
絶対に、答えてもらえないと思っていた。
それだけに、矢車はポカンと間抜けな表情を浮かべる。
松葉瀬はシチューを食べ進めながら、淡々と答えた。
「テメェのスーツを脱がすときが、一番しっくりくる。テメェ、夏でも長袖を着るだろ。そういうテメェの肌を好き勝手できるのは俺だけなんだと思うと、なんかイイ」
松葉瀬から送られる、あまりにも堂々とした回答。
矢車は即座に、耳まで赤くなり……。
「け、結局、脱がすことしか考えてないじゃないですか……っ! こ、このっ、ヘンタイアルファ……っ!」
「どうかしましたか、オメガさん? お顔が赤いですよ? 診察しましょうか?」
「あっ、うっ、うぅ~っ! センパイのバカっ! インポ! 不能ぅっ!」
「さっきまであれだけアンアン喘いでたくせに、さすがにそれは無理があるんじゃねェの?」
「センパイなんか大嫌いですっ! もう料理なんて作ってあげませんからねっ!」
カチャカチャと乱暴な手つきで、矢車はシチューを食べ進める。
松葉瀬はシチューを眺めて、矢車のご機嫌取りをピンと思いつく。
「……なぁ、野菜を全部同じタイミングで鍋に放り込んだせいでジャガイモを溶かした料理ベタ低能野郎」
「なんですかクソヤリチン下半身男」
「金、今すぐ返した方がいいか?」
「はぁ? もしかして、後輩に奢らせるつもりなんですかぁ? なにそれ、ホントにサイテーで──」
苦言を呈する矢車に、松葉瀬は口角を上げてみせた。
そのまま、矢車への【ご機嫌取り】を口にする。
「──それとも、同じだけの食材を【次の休み】に、テメェの部屋まで持って行った方がいいか?」
ピクリと、矢車の指が跳ねた。
すぐに矢車は顔を上げて、言葉を探す。
……そして。
「──ふ、ふんっ。ボクと同じ目に遭うがいいですよぉだっ」
矢車はすぐさま、機嫌を直したのであった。
【一般的とはほど遠い享楽的な休日】 了
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紋 様
コメントありがとうございます!(о´∀`о)
ひゃわぁ~っ!///喜んでいただけて嬉しいです~!(/ω\*)
これからも【スノードロップに触れられない】をよろしくお願いします!(o^-^o)
菊ちゃん 菊ちゃん
わかるよ わかる!
大好きって言えへんよなぁ (● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ムリヤネン
でも菊ちゃんには言える!言いたい!
菊ちゃんだいすきー❤︎
紋 様
コメントありがとうございます!(*'ω'*)
素直じゃない矢車に、なんて真っ直ぐで可愛くて嬉しいコメント~!///
矢車「センパイのことは全然好きでもなんでもないですけど、素直にボクを『好き』って言ってくれる紋サンはボクも好きですよぉ? 菊ちゃん呼びも大歓迎ですぅ。ありがとうございまぁすっ」
矢車もご満悦です!(>_<)
ありがとうございます!