スノードロップに触れられない

ヘタノヨコヅキ@商業名:夢臣都芽照

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4章【普遍的ゆえに模範的な、上司による裂傷】

5 *

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 書庫は、滅多なことがない限り誰も寄り付かない場所だった。


「センパイ、ちょっと……っ! 誰か、来ちゃうかも……っ」


 書庫に連れ込まれた矢車は、後ろ手に鍵をかける。

 扉の鍵は、外側からだとキーがないと開けられない。

 しかし今、キーを持っているのは松葉瀬だ。内側から鍵をかけてしまえば、外側からは誰も開けられない。


「そう思うなら、黙ってろ……ッ」
「や、ん……っ」


 段ボール箱が所狭しと棚に敷き詰められた、暗い部屋。

 そこで松葉瀬は、矢車を無理矢理押し倒した。


「あ……っ! お尻、そんな……乱暴、しないでくださいよぉ……っ」


 スラックスと下着を同時に下げ、松葉瀬は矢車の秘所に指を這わせる。

 松葉瀬になにがあったのか、矢車は訊かない。

 ただ、従順に……犯されることを、受け入れようとしていた。

 ――それがまた、松葉瀬は気に食わない。

 ――だから松葉瀬は、心にもないことを口走ってしまった。


「――オメガってのは便利だな。少し弄ればすぐに濡れる。……女より扱いが楽なんじゃねェの?」


 矢車から『アルファのくせに』とからかわれない限り。

 松葉瀬は自分から、矢車のことをオメガ扱いしなかった。

 その違和感に気付いた矢車は、自分に覆いかぶさる松葉瀬を振り返る。


「……センパイ? どうしたんですか? そんなこと、いつも――」
「黙ってろって言ったのが聞こえなかったのか」
「は、あ……っ!」


 少し指を挿入しただけで、矢車の秘所は濡れた。

 それは、オメガの特性。

 オメガはセックスをするのに、とても楽な生命体だと……松葉瀬は内心で考えて、反吐が出そうになった。


「挿れるぞ、クソオメガ」
「待って、まだ、ボク――んっ、あ、ぁあ……っ!」


 十分な準備を施されていない矢車は、当然慌てる。

 けれど松葉瀬は、矢車の制止を無視した。

 硬く反り立った逸物を、矢車の後孔に挿入する。

 ゆっくりなんて優しい動きではなく、突き穿つように、乱暴な動きで。


「や、だぁ……っ! もっと、ゆっくり、シてぇ……ん、っ!」
「グチャグチャに濡らしながら、なに言ってんだよ。……ハッ、笑えねェ」
「あっ、あ……っ! いきなり、奥、突かないでぇ……っ!」


 矢車の頭を、書庫の床に押し付ける。

 もう片方の手で腰を掴み、松葉瀬は八つ当たりのように腰を動かした。


「ふっ、んんっ! あっ、激しぃ……ぁあ、あっ!」
「声出していいのかよ? オメガのフェロモンってのは、ベータにも作用するんじゃねェのか?」
「そ、れは……特殊なとき、だけぇ……やっ、ソコ、気持ちい……ひ、あっ!」
「いきなり犯されて、乱暴にガツガツ突かれてンのに『気持ちいい』ってか? ……本当に、オメガってのは便利な玩具だなァ……ッ!」


 これが普通の女だったり、ましてや男なら。

 『痛い』と言って、泣き叫ぶだろう。

 しかし矢車は、痛みを訴えない。

 むしろ……快感による涙で、瞳を潤ませている始末だ。


「だめ、だめですぅ……っ! イっちゃ、イっちゃいますから……あっ、はぁ、っ! お願い、止まってっ、ひぅ……っ!」


 ビクリと、矢車が体を震わせる。

 書庫に白濁とした体液が飛び散ろうと、松葉瀬はどうでもよかった。


「うぜェんだよ、ザコオメガが……ッ! 黙って犯されてろ、クソビッチ種族……ッ!」


 射精をしながら、矢車は自身を犯す松葉瀬に声をかける。


「――もし、かしてぇ……っ? 茨田課長、です、かぁ……っ?」


 口角を、ゆるりと上げながら。




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