スノードロップに触れられない

ヘタノヨコヅキ@商業名:夢臣都芽照

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1章【運命的で偶発的、されど必然的な出会い】

9 *

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 押さえつけた矢車の体を、松葉瀬はそのまま、遠慮容赦なく揺さぶった。


『んあ、あっ! くる、し……ん、ふあ、っ!』
『テメェは自分のことを、俺の番になれるほど高尚な人間だとでも思ってんのか、あァ? テメェは、俺の憂さ晴らしに付き合うだけの……都合のいいオナホだ……ッ!』


 アルファの本能なんかに、屈しない。

 仮に、いつか屈してしまう日が来たとしても……その相手が、矢車だなんて。

 そんなこと、あってはならないのだ。

 オナホだと言い付けられた矢車は、体を激しく揺さ振られながら呻く。


『なん、ですか、それ……っ! 都合のいいオナホ、だなんて……そんな、んっ! ……そんな、のって……っ!』


 矢車の後孔に、深々と挿入された松葉瀬の逸物。

 それが不意に……キツく、締めつけられた。


『――そんなの、ボク……興奮しちゃいますよぉ……っ!』


 矢車の絶頂が、近い。

 そう察した松葉瀬は、矢車のナカを遠慮容赦なく蹂躙し始める。


『この、クソマゾが……ッ!』
『あっ、ぁあ、っ! はげ、し――ん、やあ、っ! ボク、マゾじゃ……あ、ぁんっ!』


 濡れた後孔が犯される度、淫らな水音が部屋に響く。


『だめっ、センパ……っ! ボク、んあっ! ボク、もっ、イく……っ!』
『そうかよ……ッ! なら、ケツだけでイってろ、ドヘンタイ……ッ!』
『ぁあっ! 奥、そんなにゴリゴリしちゃ――ふあっ、ぁああ、っ!』


 矢車の、最奥。
 ゴリッと、穿つように突き挿れた松葉瀬の逸物から……熱い劣情が迸った。

 その熱を受けて、矢車も体を硬直させる。


『あ、ついぃ……っ。センパイの精子……お腹の、奥まで……ん、っ』


 くたりと脱力した矢車は、乱れた呼吸のまま……幸福そうに、そう囁いた。





 ホテルのベッドで矢車は、並ぶように寝転んだ松葉瀬へすり寄る。


『オメガに誘われてまんまと抱いちゃった、カワイソウなアルファセンパイ。……ふふっ、楽しいなぁ……っ』
『死ね、マゾビッチ』
『ボクはマゾじゃないですよぉ。精神的苦痛が快感なだけで、物理的に痛いのは嫌いですもん』
『分かんねェわ、そんなさじ加減』


 腕にまとわりつく矢車を引き剥がそうと、松葉瀬は身じろいだ。

 しかし、矢車の一言で……動きを止める。


『――それと……ボクが死んじゃったら、センパイはひとりぼっちになっちゃいますよぉ?』


 動きを止め、松葉瀬は隣に寝転ぶ矢車を見た。


『気持ち悪い猫かぶりが必要無い相手……ボクくらいでしょう? ボクなら、大嫌いなセンパイの愛玩動物になってあげられます』
『……愛玩動物、ねェ?』
『はい。……性奴隷の方が、お好みですか?』
『くだらねェ』


 もう一度、矢車が松葉瀬の腕にすり寄る。


『愛玩動物でも、性奴隷でも……本当に、救われなくて、報われない。あぁ、本当……どうしてこんなに最高で、絶望的なんでしょう……っ?』


 恍惚とした様子で、矢車が噛み締めるように呟いた。

 ――馬鹿馬鹿しい。

 そう思った松葉瀬は、自身にすり寄る矢車を……振り払う気にも、なれなかった。





1章【運命的で偶発的、されど必然的な出会い】 了




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