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8章【親友の弟に真実を伝えて、】

14 *

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 奥に挿れていくにしたがって、冬人の呼吸が浅く、短いものになっていく。


「は……っ、は、ッ。……う、ぅ……っ」
「く、ッ! ……冬人。痛く、ないか?」
「だ、だいじょ……ぶ……ッ。んっ、うぁ……ッ」


 久し振りの冬人のナカは熱く、キツイ。
 思わず呻きながら訊ねたが、冬人は一先ず痛みを感じてはいなさそうだ。

 冬人を見ると、今にも自分の腕に爪を立てそうな勢いだ。すかさず、冬人の腕を掴む。


「腕は、俺の背中に回せ」
「え、っ? なっ、なんで……っ?」
「冬人が傷つくのは、見たくない」


 腕を引っ張ると、涙目になった冬人と目が合う。


「俺を引っ掻いていいから、な?」
「うっ、ん……ッ。……ん、あッ!」


 冬人が俺の背中に腕を回すと同時に、一気に奥まで突く。反射的に、冬人は俺の背中に爪を立てた。


「ふっ、ふか……ふかい……ッ! へえべ、さ……ッ」
「く……ッ、キツイな、相変わらず……ッ」
「んッ! あぁッ!」


 根元まで深々と突き刺すと、冬人が背中を仰け反らせて高い嬌声を上げる。

 痛いくらいに締め付けてくる冬人が、どうしたって愛おしい。加減ができなくなるほど、好きで好きで、堪らないのだ。


「好きだ、冬人……ッ!」
「あっ、あ……ッ! だめ、だめッ! うぁ!」


 耳元に唇を寄せ、囁くようにそう言いいながら、腰をゆっくりと動かす。
 冬人は力いっぱい俺にしがみつき、されるがままになっている。


「あっ、あぁ……ッ! そこ、ばっかり、ふあ、あッ!」
「すっげ……ッ。きゅんきゅん締め付けてくるぞ、冬人」
「ばっ、馬鹿っ! そんなこと、いちいち言わ、ないで……ッ! いやっ、あぁ……ッ!」


 浅いところまで引き抜き、冬人が感じるポイントまで一気に腰を落とす。
 弱いところを何度も攻められて、冬人が涙を流しながら俺に懇願した。


「お、おねがっ。さっ、さわって、平兵衛さん……っ!」


 深く突かれる度に俺へしがみつき、冬人は必死に懇願する。
 チラッと冬人の下半身を見ると、俺と繋がっている上で、ペニスが先走りの液によって濡れていた。

 冬人の頼み通り、ペニスを握って軽く扱く。たったそれだけで先走りが先端から溢れて、すぐさま俺の手も濡らしていった。


「あッ、やぁ……ッ! そんな、はげしく……ッ」


 腰の動きはそのままに、冬人のペニスを扱く手の速度は速めていく。
 先ほどまでの冬人の腕は【しがみつく】といった感じだったのに、今は【すがりつく】ような。……そんな抱き付き方だ。

 口の端からはよだれを垂らしながら、冬人は俺を見上げている。


「わ、たし……っ。もう、イッちゃ……んぁ、あッ!」
「あぁ、冬人……ッ! 俺も、もう……ッ」


 キツく締め付けてくる冬人のナカと、冬人のその言葉。それらに促されるよう、俺は絶頂へ向けて腰を動かす。

 冬人は恥じらいを捨てたかの様子で、素直に声を荒げる。


「すきっ、好きだ、平兵衛さん……っ! だいすきっ、平兵衛さ──んあっ! やっ、もう、私……ッ!」
「冬人……ッ! 俺も、冬人が好きだ……ッ!」


 ねだられるがまま、冬人の先走りで濡れたペニスを扱く。それによって締め付けが増す冬人のナカに、俺は自身の熱を、深々と突き刺す。

 瞬間──。


「んあぁ、ッ!」
「く、ッ!」


 熱くドロドロとした精液を俺に注ぎ込まれると同時に、冬人も俺の手の中で果てる。
 甲高い喘ぎに、絶頂の快感だけが理由ではない興奮。腰の辺りが、ゾクゾクした。


「ん、っ。はっ、あ……ッ」


 俺の下でブルブルと射精の快感に震える冬人は、満足げな吐息を漏らす。


「ふはっ。……エロいな、冬人は」
「っ。……うるさい、嘘吐き……ッ」


 紅潮した顔で冬人が、憎らし気に嫌味っぽくそう言う。


「そうだな。……だけど、俺はもう二度と、お前さんにウソは言わない」


 ティッシュで手を拭いてから、冬人を抱き締める。そうすると、冬人が身じろいだ。


「……変態」
「冬人の悪態はイヤじゃないな」
「なんだ、それは。本物の変態のようだ」


 そんな軽口が、ただただ純粋に嬉しい。


「好きだよ、冬人」


 耳元に唇を寄せて囁くと、背中に回された冬人の腕に力が込められる。


「あぁ。知っている」
「ははっ、そういうところも好きだ」
「あなたは本当に、変な人だ」


 お互いにお互いを抱き締めたまま。

 そして、しばらく繋がったまま……俺たちは軽口を言い合った。





8章【親友の弟に真実を伝えて、】 了
 



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