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5章【親友の弟の目的を知った俺は、】
9 *
しおりを挟むさすがに『女みたいだ』とまでは、言わない。
だが、腰を掴んで、そのまま力を入れたら折れてしまいそうだ。
色も白く、華奢で儚げな印象を与えてくる。
──ヤバイな。
完全に、引き際を見失っているぞ。
冬人は緊張しているのか、浅い呼吸を繰り返していた。……なのに、そんな姿を見ても、止めてやれそうにない。
むしろ、煽られているような気さえしてくるほどだ。
──触れられたら、諦めるか?
冬人の考えを、改めさせたい。
そんな大義名分をなんとか用意し、俺は手を動かした。
「やめ、ろ……っ。触るな、っ」
イヤがる冬人をうつ伏せにさせ、ベッドに押し付ける。
露わになった素肌──背中を、人差し指でそっと撫でた。
「ん、っ」
冬人は、体を大きく跳ねさせる。突然触られて、驚いたのだろう。
そのまま冬人は、シーツを強く握った。
「されるがままになってるぞ。止めなくていいのか?」
顔を寄せ、肩甲骨に舌を這わせる。
冬人はブルブルと震えたまま、首を横に振った。
「やめ、ない……っ! 私は、兄に、なる……っ」
怯えているのに、強情だ。
──なら、最後の手段。
「あ、っ!」
冬人の下半身を隠している布を、全て剥ぎ取る。
驚いている冬人に気付いていながらも、俺は小振りな冬人の尻を揉んだ。
「う、あ。や、やだ……っ」
「なんでだ? 俺はさっき『止めなくていいのか』って確認しただろ」
「は、ぁ……っ!」
尻の穴を、指で撫でる。そうすると、冬人は耳まで赤くなった。
だが、そんな自分を少しでも隠そうとしているのか……冬人は顔を、枕に埋めてしまう。
「やだ、いやだ……っ! そんな……そんなところ、触るな、っ」
「笑えない冗談だな? 今からここに突っ込むんだから、触るしかないだろ?」
「は、っ? ……えっ?」
冬人の理解は、待ってやらない。
自身の人差し指を、唾液で湿らせる。
そして、その指を。
──俺は冬人の尻穴に、そっと差し込んだ。
「あ、あ……ッ! いやだ、やだ、やめて……ッ!」
当然、冬人は大きな拒絶を示す。
「キッツいなぁ。まっ、処女なら当然か」
「やだ、やだって! いやだ、動かさないで……ッ!」
「オイ冬人。暴れると痛いぞ?」
いつもの聡明な言葉遣いではなく、年相応の反応だ。
ジタバタと暴れようとする冬人の足の上に、押さえつけるように座る。
ならばと、冬人は両手を振って邪魔してきた。無論、使っていない方の手で冬人の両手を押さえ付けたが。
「やだ、いやだ……ッ! こ、怖い……ッ! 平兵衛さん、やめて……っ」
抵抗ができなくなった冬人の内側を、角度を変えて愛撫する。
人差し指を根元まで入れて、グリグリと乱暴に動かす。
すると、ある一点が擦れた途端……。
「いやだ、やだ……っ! や、やめ──んん、ッ!」
──冬人が、艶めかしい嬌声を上げた。
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