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6話・大事にするのが好き
16 *
しおりを挟む「本当に、しないと……駄目、なのか……っ?」
美鶴の上に跨って、俺は視線を彷徨わせる。
美鶴は俺の腰に手を添えて、ニッと笑っていた。
「俺様の許可なく、口に出しただろ? なら、責任はとれよな?」
「だからって……こんなの、んっ」
尻を撫でられたせいで、息を呑む。
口の中に射精した罰として、美鶴はひどいことをオーダーしてきた。
――美鶴の上に跨って、自分で腰を振れ。って。
恥ずかしいし、そんなこと俺にできっこない。
なのに。
「ホラ、真冬。……許してほしいんじゃねェのかよ?」
「ふ、あ……っ」
下半身に、美鶴のペニスが擦りつけられる。
「お前が上手に挿入できたら、奥まで突いてやるよ」
――美鶴のが、奥まで……っ?
そう考えるだけで、また……下半身に熱が溜まっていく。
「ハハッ。……俺様のがほしくてたまんねェって顔だなァ?」
「あ、っ」
後ろに、美鶴の長い指が挿入される。
まるでほぐすように、それでいて……どのくらい欲しているのか、確かめるように。
「んっ、ん……っ」
無意識に、腰が揺れる。
もっと美鶴に、弄られたい。
ほしくて、たまらないって思ってしまう。
「奥までほしいなら、自分でしてみろよ……な?」
「ひぅ……っ!」
指が、引き抜かれる。
そして今度は、ペニスの先端が押しつけられた。
「……ん、っ」
美鶴のが、当たっている。
硬くて、熱くなっていて。
(美鶴もきっと、限界なんだ……っ)
そう思うと。
「あっ、んん……っ! ふ、ぁあ、っ!」
尚更、ほしくてたまらなくなった。
自分から腰を沈めたくせに、背を仰け反らせる。
俺は今、自分の意思で……美鶴と、繋がったんだ。
「ぃあっ、んん……っ! ぁ、あっ!」
奥まで、美鶴の熱が伝わってくる。
それをこんなに嬉しいと思うだなんて……初めてセックスしたときは、考えてもいなかった。
「オイ、真冬……ッ。締めつけすぎだ……ッ」
「だって、だ、ってぇ……っ! 美鶴、美鶴ぅ……っ!」
手を握って、潤んだ瞳で美鶴を見つめる。
傷ついた手を気にしてか、美鶴の手はどこまでも優しい。
痛みを与えないようにって、気にしてくれてる。
「お願い、美鶴……っ。奥まで、突いてぇ……っ」
ほしい。
美鶴、が。
美鶴に愛されているっていう、実感がほしい。
ゆっくりと腰を上げて、落とす。そうすると、内側で美鶴のペニスが更に硬くなった。……気がする。
「真冬……ッ!」
「ひぁ、んっ! あっ、やぁっ! みつるぅ……っ!」
ノロノロと動く俺に、じれったさを感じたのか。
それとも。俺がお願いしたからなのか。
美鶴が突然、腰を動かし始めた。
「ぁあっ、あっ! 美鶴、そんなっ、奥まで……ひぁ、っ!」
「奥までほしいんじゃなかったのかよ……ッ?」
「そ、だけど――やぁ、っ! いきなりは、だめっ、あっ!」
ベッドが軋む音さえ、俺にとっては十分な快感だ。
痛みを我慢して手を強く握ると、美鶴が握り返してくれる。
だから俺は、必死に腰を動かしてみた。
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