大嫌いな幼馴染みは嫌がらせが好き

ヘタノヨコヅキ@商業名:夢臣都芽照

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3話・振り回すのが好き

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 喉の奥いっぱいに注がれた、精液。

 それを必死に飲み込むと、俺はすぐに、高遠原のペニスから口を離した。


「げほっ! ぇほ、ごほ……っ!」


 思い切りむせている俺を見て、高遠原はご満悦だ。
 ニヤニヤと口角を上げて、俺を眺めている。


「あぁ、ヤベェ……最高」
「こほっ、こほ……っ」
「何だよ? そんなに睨むなっつの」


 苦笑しながら、高遠原は俺の額に唇を当てた。


「水でも飲むか?」
「いっ、要らない……っ」
「まァ、そう言うなよ。……ホラ」


 あらかじめ用意されていたペットボトルを、高遠原は掴む。
 そのまま、ペットボトルを俺に渡す。


「飲まねェなら、このまま続き……しちまうぞ?」
「死ね……っ!」
「そこは『ありがとうございます』だろうが」


 暴君からペットボトルを奪い取り、わざと音を鳴らして飲み始める。

 冷たい水を一気に飲み始めると、口の中いっぱいに広がった変な味が、少しずつ薄れていった。


「んぐ、ん……っ! ぷはっ! ……もう、いいだろ……っ! 満足したなら、帰せよ……っ!」


 ペットボトルを握ったまま、高遠原を見上げる。

 すると。


「な、何だよ……その、目は……っ」
「お前、俺様がさっき何て言ったか……忘れたのか?」
「さっきって――う、わっ!」


 ペットボトルを握っている手を、そのまま掴まれる。
 そして高遠原は、床に座る俺を強引に引っ張り上げた。


「お礼……シてやるっつったろ? お前のことも、気持ち良くさせてやるってことだ」
「……っ!」


 逃げようとしても、もう遅い。

 掴んだ手が、強引に引かれる。
 そのままベッドに押し倒されると、床に、ペットボトルが転がった。


「い、いやだ……っ! もう、お前とセックスなんかしたくないっ!」
「別に俺様は『抱いてやる』なんて言ってねェだろ」
「へ、っ?」


 顔に、熱が集まる。


(て、てっきり……抱かれるのかと、思った……っ)


 でも、じゃあ。
 セックスじゃないなら、何で俺はベッドに引っ張られたんだ?

 盛大な勘違いをした俺は顔を赤くしたまま、俺の上に覆いかぶさった高遠原を見上げる。


「まァ、後で抱きたくなったら……そんときは知らねェけど」
「だ、騙したのかっ!」
「今はちげェってこと。今は……お前と同じこと、シてやる」


 制服のベルトが、呆気なく引き抜かれた。


「同じ、こと、って……?」


 ズボンのチャックを下ろして、そのままずり下ろす。

 あっという間に下着姿に変えられた俺は、怯えながら高遠原を見つめた。
 パンツに手を添えた高遠原は、俺とは対照的に。


「――フェラ」


 ヤッパリ、笑っている。




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