大嫌いな幼馴染みは嫌がらせが好き

ヘタノヨコヅキ@商業名:夢臣都芽照

文字の大きさ
上 下
19 / 84
2話・無理矢理が好き

5 *

しおりを挟む



 玄関でされたのと、同じように。

 何の躊躇いもなく、高遠原は俺のペニスを扱き始めた。


「あっ、んぅ……っ!」


 さすがは同じ男、なのだろうか。
 緩急をつけて、どうしたらより一層気持ち良く感じるのか。

 高遠原はそれを、心得ている。


「真冬、お前さァ……敏感すぎだろ」
「ひぁ、んっ! は、はな……せ……っ! ん、ん……っ!」


 抵抗したくても、体が上手に動かない。
 いやでいやで、堪らないのに。


「エロい音たててるくせに、離せってのは可笑しな話じゃねェか? ん?」


 ――先端が、濡れている。

 俺が高遠原をいやがる以上に。
 体は、快感に正直だ。


「はっ、ぁ……ぅ、んっ!」


 こんなこと、コイツにされたくない。
 なのに。


(さっき出したばっかりなのに、また……っ!)


 体が、熱くて仕方ない。
 認めたくないけど、認めるしかないだろう。

 俺は……俺、は。

 ――イきたくて、仕方ないんだ……っ。


「ぃ、やだ、っ! やだっ、手、はな――んんっ、ひっ、あ……あぁ、っ!」


 頭では、しっかりと拒絶している。
 なのに、体は……どうしたって、貪欲だ。


「ふ、あっ、ぁあっ!」


 『射精したい』という欲求のままに。
 精液が、吐き出された。


「んん、ん……っ!」


 白濁としたそれは、大嫌いな男の手と服を、瞬く間に汚していく。

 汚されている張本人はそれを不快に思った様子も見せず、ただただ、口角を上げている。


「はぁ、は……っ」


 二度目の射精による疲労感で、俺はぐったりと脱力した。

 すると、視界の端で高遠原がなにかをし始めている。
 よく見ると……自分の手についた俺の精液を、指で弄んでいるらしい。

 かと思うと。


「……っ! なっ、なに……っ?」


 ――いきなり……俺の体を、うつ伏せに寝かせてきた。


「なぁ、真冬。……男同士のヤり方、知ってるか?」
「は、っ? そ、そんなの知ら――やっ、いやだっ! 俺はそんなこと、シたくないっ!」


 『知らない』と答える前に、直感が伝える。

 ――高遠原は今……俺と【男同士のセックス】をしようとしているのだ、と。

 慌てて振り返ろうとするが、高遠原が背後で笑っている。


「お前、拒否できる立場なのかよ?」


 玄関で、射精したこと。
 そして……たった今、イかされたことも。

 ほんの一日で、握られた弱みが……多すぎる。


(拒否したら、どうなるか……そう考えたら、拒否なんて……できっこ、ない……っ)


 男同士のヤり方なんて、俺は本当に知らない。
 だからこそ俺は、今から高遠原になにをされるのか、分からなかった。

 脱がされかけていたズボンに手を添えられた俺は……怯えるように、目を閉じた。




しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

いとしの生徒会長さま

もりひろ
BL
大好きな親友と楽しい高校生活を送るため、急きょアメリカから帰国した俺だけど、編入した学園は、とんでもなく変わっていた……! しかも、生徒会長になれとか言われるし。冗談じゃねえっつの!

Take On Me

マン太
BL
 親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。  初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。  岳とも次第に打ち解ける様になり…。    軽いノリのお話しを目指しています。  ※BLに分類していますが軽めです。  ※他サイトへも掲載しています。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

たまにはゆっくり、歩きませんか?

隠岐 旅雨
BL
大手IT企業でシステムエンジニアとして働く榊(さかき)は、一時的に都内本社から埼玉県にある支社のプロジェクトへの応援増員として参加することになった。その最初の通勤の電車の中で、つり革につかまって半分眠った状態のままの男子高校生が倒れ込んでくるのを何とか支え抱きとめる。 よく見ると高校生は自分の出身高校の後輩であることがわかり、また翌日の同時刻にもたまたま同じ電車で遭遇したことから、日々の通勤通学をともにすることになる。 世間話をともにするくらいの仲ではあったが、徐々に互いの距離は縮まっていき、週末には映画を観に行く約束をする。が……

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

幼馴染は俺がくっついてるから誰とも付き合えないらしい

中屋沙鳥
BL
井之原朱鷺は幼馴染の北村航平のことを好きだという伊東汐里から「いつも井之原がくっついてたら北村だって誰とも付き合えないじゃん。親友なら考えてあげなよ」と言われて考え込んでしまう。俺は航平の邪魔をしているのか?実は片思いをしているけど航平のためを考えた方が良いのかもしれない。それをきっかけに2人の関係が変化していく…/高校生が順調(?)に愛を深めます

処理中です...