88 / 99
【先輩は綺麗でいながら】 *
13 *
しおりを挟むこのまま抜かれてしまうのかという小さな不安を、抱き始める。
するとまた、奥まで遠慮なく突かれた。
「──あぁ、ッ!」
「素直じゃないなぁ」
「や、やだ! いきなり、そんなっ! あ、あん……ッ! 激しくしちゃ、だめです、ッ!」
浅水先輩の熱が、何度も何度も俺の内側を擦り上げて。勝手に、変な声が出てしまう。
硬くて、熱くて……変に、なる……ッ。久し振りの交わりは、ずっと性的なことを禁欲していた俺にとって、過激すぎた。
しかも、なぜか浅水先輩は全然遠慮とか配慮がなくて。何度も何度も乱暴に突き刺してくるから、それがまた耐えられない。
「だめっ、だめだめ、いやです……っ! そんなに激しくされたら俺、おれ……っ! ……先輩っ、せんぱいぃ……っ!」
力強くしがみつくことしかできない俺を、浅水先輩もギュッと抱き締めてくれる。
「いいよ。……今日は、いっぱいイかせてあげる」
「むり、や、やだいや……っ! 後ろだけで、イきたくない……ッ! あっ、あッ! お願い、止ま──あっ、あぁ、ッ!」
されるがまま。……俺は呆気無く、射精してしまった。
「あっ、はぁ……あぅ、っ! ……あ、や、先輩ぃ……っ!」
「岡本がエロすぎるから悪い……ッ」
「あっ、あッ! あッ、俺、イッたばかりなのにぃ……っ」
浅水先輩は、俺を犯す腰の動きを全く緩めない。それどころか、ずんずんと奥深くばかりを狙って突いてくる。
久し振りにした射精の余韻にすら浸らせてくれない、強引な腰遣い。それなのに、俺の下半身は……まったく、熱が治まっていないようだ。
一回射精したはずなのに、浅水先輩に内側を擦られる度に……快感が全身を駆け巡って、下半身に熱を集める。
「あッ、あぁッ! や、駄目です、あッ! 激しくしな、ぁんッ!」
水泳の練習をした後とは思えないほど、激しい動き。浅水先輩は俺の首筋に舌を這わせて、突然、強く吸い上げる。
「ひあ……っ!」
それは一回では、飽き足らず。位置をずらしては、また吸い上げ。……時には強く、噛み付く。
キスマークや歯形を付けているのだと気付くと、羞恥心で体に力が籠る。
そのはずみで、浅水先輩の背中に……爪を、立ててしまった。
「あ……っ!」
俺の首は、服で隠そうと思えば隠せる。けれど浅水先輩は、部活動中は隠せない。慌てて浅水先輩の背中から手を離そうとすると、腕を掴まれた。
「引っ掻いていいよ」
「で、でも……っ!」
背中に引っ掛かれたような痕が残っていたら、水泳部やファンの女子生徒になんて言われるか。
それが不安で、俺は言葉を詰まらせてしまった。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
目が覚めたら、カノジョの兄に迫られていた件
水野七緒
BL
ワケあってクラスメイトの女子と交際中の青野 行春(あおの ゆきはる)。そんな彼が、ある日あわや貞操の危機に。彼を襲ったのは星井夏樹(ほしい なつき)──まさかの、交際中のカノジョの「お兄さん」。だが、どうも様子がおかしくて──
※「目が覚めたら、妹の彼氏とつきあうことになっていた件」の続編(サイドストーリー)です。
※前作を読まなくてもわかるように執筆するつもりですが、前作も読んでいただけると有り難いです。
※エンドは1種類の予定ですが、2種類になるかもしれません。
幼馴染は俺がくっついてるから誰とも付き合えないらしい
中屋沙鳥
BL
井之原朱鷺は幼馴染の北村航平のことを好きだという伊東汐里から「いつも井之原がくっついてたら北村だって誰とも付き合えないじゃん。親友なら考えてあげなよ」と言われて考え込んでしまう。俺は航平の邪魔をしているのか?実は片思いをしているけど航平のためを考えた方が良いのかもしれない。それをきっかけに2人の関係が変化していく…/高校生が順調(?)に愛を深めます
キンモクセイは夏の記憶とともに
広崎之斗
BL
弟みたいで好きだった年下αに、外堀を埋められてしまい意を決して番になるまでの物語。
小山悠人は大学入学を機に上京し、それから実家には帰っていなかった。
田舎故にΩであることに対する風当たりに我慢できなかったからだ。
そして10年の月日が流れたある日、年下で幼なじみの六條純一が突然悠人の前に現われる。
純一はずっと好きだったと告白し、10年越しの想いを伝える。
しかし純一はαであり、立派に仕事もしていて、なにより見た目だって良い。
「俺になんてもったいない!」
素直になれない年下Ωと、執着系年下αを取り巻く人達との、ハッピーエンドまでの物語。
性描写のある話は【※】をつけていきます。
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
選択的ぼっちの俺たちは丁度いい距離を模索中!
きよひ
BL
ぼっち無愛想エリート×ぼっちファッションヤンキー
蓮は会話が苦手すぎて、不良のような格好で周りを牽制している高校生だ。
下校中におじいさんを助けたことをきっかけに、その孫でエリート高校生の大和と出会う。
蓮に負けず劣らず無表情で無愛想な大和とはもう関わることはないと思っていたが、一度認識してしまうと下校中に妙に目に入ってくるようになってしまう。
少しずつ接する内に、大和も蓮と同じく意図的に他人と距離をとっているんだと気づいていく。
ひょんなことから大和の服を着る羽目になったり、一緒にバイトすることになったり、大和の部屋で寝ることになったり。
一進一退を繰り返して、二人が少しずつ落ち着く距離を模索していく。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる