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【先輩は綺麗でいながら】 *
11 *
しおりを挟む浅水先輩に触られるのは、久し振り。だけど、つい数十分前まで自分で慣らした秘所は、アッサリと快感を見出してしまっている。
その様子を見れば、俺が答えなくたって……浅水先輩は、分かるだろう。
「期待、していた感じかな?」
「や、だ……っ、言わないでくだ──あっ!」
予告無しに、奥まで指を挿れられて。勝手に、甘い響きを含んだ声が漏れる。
「結構、念入りに弄った? 久し振りなのに、すんなり指が入る」
「やだ、嫌です……っ。言わないで、くださいっ」
「顔が真っ赤だよ、あははっ。……エロいなぁ、岡本は」
相変わらず穏やかな口調なのに、指の動きはどんどん激しさを増していく。まさか指だけでイかせようとしているのかと思うくらい、何度も何度も乱暴に抜き差しされて……。俺は堪らず、浅水先輩にしがみついた。
「そっ、んなに、あっ! 乱暴に、しないでっ」
「可愛すぎてムリ」
「いや、いやです……っ!」
浅水先輩の広い背中にしがみつきながら、乱暴な指使いに耐える。
ただ、抜き差しされるだけじゃない。指の腹で内側を擦られ、どんどん体が熱くなっていく。
「恥ず、かしい……っ」
浅水先輩と、エロいことをしたくなかったわけじゃない。
だけど、こんな風に辱められて。……顔から、火が出そうだ。
だと言うのに、体は貪欲になっていく。
「あっ、ぁんっ! ん、はぅ……っ! 先輩、せんぱいぃ……っ!」
「イキそう?」
わざと、俺の好きなところを浅水先輩が指でかすめる。
「ひぅっ!」
何日も射精していなかったせいで。……体はもう、限界だ。
「やだ、いやですっ! 指じゃなくて、俺……っ!」
ギュッと抱き付いて、浅水先輩の首筋に顔をうずめる。このままだと、浅水先輩は俺を後ろだけでイカせるだろう。そのくらいの調教を、俺の体は浅水先輩にされているのだ。
──だけど。
──指じゃ、嫌だ。
「──浅水先輩のが……いいん、です……っ」
俺の言葉を聞いてか。指の動きが、緩やかなものに変わっていく。
「岡本って……前から、そんなにスケベだったっけ?」
「だから、言わないでください……ッ」
「こら、噛み付くなっ」
首筋を甘噛みすると、可笑しそうに浅水先輩が笑う。
恥ずかしくて死にそうなくらいなのに、なんで浅水先輩は羞恥心を助長させるようなことを言ってくるのか。……全然、考えが分からない。
浅水先輩は俺の頭にキスをしてから、一度離れようとする。
「鞄の中にゴムあるから、ちょっと待って」
「あっ。あの……浅水、先輩」
「ん?」
コンドームを取るために離れようとしている浅水先輩を、俺はしがみついたまま呼び止めた。
どうして自分を解放してくれないのか、不思議なのだろう。浅水先輩は、小首を傾げているのだから。
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