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【家族以上】 *
5 *
しおりを挟む俺とシチの関係を、他の誰かに知られるわけにはいかない。
だから俺は、シチに三つの約束を取り付けた。
――叔父である俺と、甥であるシチが、触れ合ったり……ましてや、セックスをしていることは、誰にも言わない。
……これは、当たり前のことだろう。
だが、もう二つの約束。
【一人で自慰行為をしない】という約束と【俺以外を好きにならない】という約束は。
……ただの大人げない、独占欲だ。
だと言うのに、シチは素直だから……疑いもせず、三つの約束をきちんと守っているらしい。
「おじ、さ……ぼく、もぉ……んっ!」
最後にシチとセックスをしたのは、三ヶ月前だ。
溜まっていたっておかしくない期間だろう。
限界を訴えているシチに応えるよう、俺は逸物を扱く手の速度を上げる。
それだけでは飽き足らず、俺はシチの胸元に添えていた左手で、シチの乳首をつねった。
「――やぁ、あっ!」
不意に与えられた快感に、シチが一際大きな声を上げる。
「出していいぞ、ほら」
左手で乳首を弄り、右手で強く逸物を扱く。
二ヶ所へ与えられる快感に、シチの体が大きく跳ねた。
「あ、あぁっ! おじさ、あっ、んん……っ!」
ビクビクと、体を震わせながら。
――シチは浴衣の下で、勢いよく精液を吐き出す。
シチが射精している最中も、愛撫の手は止めない。
まるで手の動きに合わせるているかのように、数回に分けて精液が迸る。
「は、ぁ……はぁっ、ん……っ」
三ヶ月ぶりの射精に、シチは満足そうに息を吐く。
普段は涼やかな瞳が、今ではトロンと蕩けきっている。
しがみついていた手を上げたままにしている余力も、無いらしい。
ダラリと腕を下ろし、そのまま肩で息をしている。
完全に惚けきっているシチは、ぼんやりと俺を見ていた。
「凄い量だな。……手が、ベトベトだ」
扱くのをやめて、浴衣の下から手を出す。
手に付いたシチの精液を眺めて、思わずひとりごちた。
まるで俺に続くかのように、シチも俺の手を見る。
「はぁ……いっぱい、でた……っ?」
「あぁ。凄くドロドロして、かなり濃いやつがな」
「うれ、しぃ……っ?」
視線を手から俺の顔に戻したシチが、未だに惚けたままの表情で、俺を見上げた。
この量と濃さは、シチが俺との約束を守っていた証。
……不快に思うはずがない。
「そうだな。嬉しいよ」
「そう……」
俺の返事に、シチが口角を上げる。
――クソ、可愛い。
上気させた頬と、蕩けきった瞳。
うっすらと開かれた唇の中から覗く、赤い舌。
――その全てが、愛おしくて仕方ない。
「あ……っ」
突然、シチが小さく跳ねた。
「どうした?」
逸物を扱いてもいないし、乳首も弄っていない。
いったいなにに反応したのかと、腕の中にいるシチを見つめる。
するとシチは、視線をさまよわせた。
「…………あ、た……ってる……っ」
恥ずかしそうに視線を逸らしながら、シチはなにかを訴える。
――『当たってる』って言ったのか?
そこで、シチの言いたいことに気付く。
「あぁ。……コレか?」
「ふぁっ!」
シチの尻に、わざと。
――『当たってる』モノを、押し付けた。
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