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【ハッピーエンドと誰が決めた】
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しおりを挟むここまでは、良かった。
……いや、全然良くないけど。まぁ、仕方無い。
だってよ、マジでオレがバカだったんだぜ?
何で花も恥じらうお年頃の少年が、見ず知らずのリンゴ売りオバサンの前で口開けてジャグリングするんだって話だよ。
オレは当然、死を覚悟していた。
というかぶっちゃけ、もう死んだと思っていたし……いっそ死んだ方がマシだったのかもしれない。
──なのに。
──奴が、現れた。
……次に目を覚ましたとき。
オレが見たものが何だったか……想像つくか?
青い空でも、綺麗な緑でも、七人の小人でもない。
『──んぅうっ』
謎の声を発しながら。
オレに、キスをかましている。
──見ず知らずの、男だった。
『──ホギャアアァッ!』
目覚めた瞬間。
目にも止まらぬ速さで起き上がり、縁起でもない棺から、オレは飛び出た。
『やった! 白雪姫が起きた!』
『白雪姫~! 心配したよ~!』
七人の小人はキャッキャとはしゃいでいる。
が、オレはそれどころじゃなかったッ!
『何だよこの目覚めッ! 何で初対面の男がオレにキスしてるんだッ! この治療法っつぅか蘇生法、おかしくないかッ!』
『なんて幸せなんだ!』
『幸せ? 今、幸せって言ったのかこのヘンタイッ! ヤロウにファーストキス奪われたのになにを幸福と感じたんだゴラッ!』
オレの復活に小人が喜ぶ中。
いきなり現れた謎のドヘンタイ男は『幸せだ』とのたまった後。
突然、オレの手を握った。
『──白雪姫、結婚しましょう』
胸キュン?
……ないですね!
『──誰でもいいからオレの話を聞けエエエェッ!』
それから。
オレ自身の許可も取らずに。
──地獄の日々が、始まった。
* * *
そして。
カボチャパンツを穿いた、標準装備が白タイツのドヘンタイ男。
ソイツからの告白……という冒頭に至る。
「──ムリ」
オレは笑みすら浮かべず、ドヘンタイにそう答えた。
「『ごめんなさい』より効きますねっ!」
「何でオレが謝らなくちゃいけないんだよ」
「凛々しいですね、好きです」
「ムリ」
ドヘンタイで変人なこの男は、あれから毎日。
オレに告白する為だけに、この森へ通っている。
話によると、この男はどっかの王子様らしいが……そんなのはどうだっていい。
……って言うか、そもそも、だ!
──何でオレは、キスなんかで目が覚めたんだ……!
おかげで小人たちも『運命の赤い糸で結ばれてるんだ~!』とか言うし。
……頼むぜ、神様。
いっそ結ばれててもいいから、その糸を見えるようにしてくれ。
……じゃないと、切れない。
「オイ。ハサミとか持ってないか?」
「はい、持っていますよ」
「気持ち悪いなッ!」
「何でですかっ!」
何で王子がハサミなんて常備してるんだよ!
オレは震える手で、王子からハサミを受け取った。
……これまた、可愛らしいデザインなことで。
「……白雪姫? なにを切ろうとしているのですか?」
「運命の赤い糸」
「白雪姫……! そのようなものを信じているのですね! ふふっ、意外とロマンチストなのでしょうか。愛らしいです、お慕いしております」
「死ね」
オレは迷わず、ハサミ突き返した。
王子は怯むことなく、ハサミを受け取る。
……クソ、刃先を向けたんだから、少しは動じろ。
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