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第4話【解放】

後編 *

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 全速力で、自分が住んでいるアパートに戻った真駒は、泣きじゃくりながら玄関に蹲る。

 殺人未遂だと思われても、おかしくない行動。謝罪もきちんとせず、逃げ出してしまった自分。
 罪悪感で、胸が痛い筈なのに……真駒は、椎葉の首を絞めたことに対して、興奮していた。

 真駒の逸物は、恥ずかしいくらいに存在を主張している。スラックスの下できつそうに収まっている逸物を、真駒は解放した。


「は……あ、ぅ……っ」


 両手に残った確かな温もりに、真駒は想いを馳せる。下着から露わにした逸物へ右手を伸ばし、何度も上下に扱く。すると、真駒自身でさえ驚く程、先端から先走りの蜜が溢れて止まらない。

 右手で扱く度にいやらしい水音を立てる逸物が、嫌で仕方ないのに……真駒は右手を、止められなかった。


「か、ちょ……課長、かちょぉ……っ」


 動脈、喉仏の動き、夜とはいえ蒸し暑い外を歩いてきたからか、しっとりとした肌……それら全てが、真駒の劣情を煽る。


「ん、ふ……あ、はぁ……っ」


 目を閉じて、椎葉の首を思い出す。指の痕がハッキリと残った首筋を、何度も頭の中で思い返し……真駒は、体を強張らせた。


「……ッ! ふ、ぁ……ッ!」


 呆気無く射精する自分に、反吐が出る。それでも右手は止められず、真駒は断続的に精液を迸らせた。
 玄関を汚し、右手もスーツもベトベトに汚した真駒は、とめどなく涙を溢れさせながら、再度蹲る。

 罪悪感を抱いている筈なのに、首を絞めた感触が忘れられない。忘れなくてはいけない筈なのに、思い返して……鼓動が跳ねる。


「ぅ、く……ふ……ッ」


 真駒は一人、嗚咽を漏らしながら涙を流し続けた。

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