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混沌へ

114.崩壊の足音

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 ジン、マルコム、リラン、ライガを先頭にし、それぞれの隊員が後ろに続いていた。更にその後ろには防衛隊が並んでいた。



 帝都近くの詰め所に先頭が着くと、後ろの防衛隊が展開され始めた。



「探索隊は作戦通り四つに分かれろ。」

 ジンは横に並ぶマルコム、リラン、ライガを見て言った。



 マルコムは片手を挙げた。

「俺に続け。遅いと置いて行く。」

 マルコムは後ろの騎士たちを睨みつけながら言った。

 彼は言い終えると馬を飛ばし始めた。



 マルコムの隊の騎士たちは表情を引き締め、マルコムに食らいつくように馬を走らせた。

 彼らは王城とは逆方向から包囲する隊であるため、一番移動が多い。



「俺達は馬を温存させろ。」

 リランも片手を挙げて言った。



 リランは、マルコムとは対照的にゆっくりと馬を走らせていた。

 何故なら彼らはマルコムと違ってこれから山に登る。

 ライガたちが滞在していた小屋方面の山から包囲する隊だ。



 ジンは検問を装い、市場入り口で準備ができるまでの待機だ。



 時間がかかるマルコムとリランが、包囲が完了すると狼煙を上げる段取りだ。

 万一何かあったら、攻撃されない限りは夜まで待機し、闇に紛れて討つ作戦だ。



 ライガは手を挙げた。

「…俺に続け。」

 ライガは見回りのような足取りで馬を走らせた。

 ライガたちはマルコムやリランの動きを誤魔化すように探索隊の巡回を装い、市場に入り込む。



 反対方向の出口の見張りと注意を引く役目だ。

 ライガの外見は知られている可能性が高いため、フルフェイスの兜を纏っている。







 ライガを先頭にして、ライガの隊は市場に見回りのように入る。

 目線をあちこちに向ける。



 やはり、ライガが来た時とは店の人間も違う。



 全て入れ替わったような様子だ。



「…?」

 ライガは建物の中にいる人は見えるが、何か足りない気がした。



 周りを見渡した。



 やはりおかしい。



 ライガは後ろに並ぶ自分の隊の者に寄った。



「どうしました?」

 ライガが何かを察した様子に隊員も周りを警戒した。



「…馬は…移動手段がどこかにあるはずなのに、どこにも見当たらない。」

 ライガは人が潜んでいるのは考えられるが、馬や馬車が見当たらないのが気になった。



 ミラや一族の者を運び、あれだけの兵を移動させているのだから馬や馬車も沢山いるはずだ。

 なのに、見当たらない。



「…そういえば…」

 隊員たちも気付いて周りを見渡した。



「…近くに隠せる場所は無い…。」

 ライガは何やら見落としているのは無いかと不安になった。



「団長に……と、…と知らせてくれ。」

 ライガは一人の隊員に、周りに聞こえないように耳打ちをして、ジンが待機する検問に走らせた。



 ライガは周りの土地を考えた。

 隠れられる場所に上げられるライガも滞在した森は、市場からは少し遠い。

 なら、他にどこがあるのか。



 ミラはどこにいるのだろう。

 ライガは辺りに皇国の人間はいる気配はあるのに、彼女がいる気がしないのが不安で仕方なかった。



 彼女がいるから、彼女にまた会うために動いていた。



 ライガは馬から降りた。

 かつて、ミラと滞在するために食料品を買った店は、異国の工芸品を売っている。

 その店にライガは目を向けた。



 ライガの動きが作戦と違うことに気付いた隊員は慌ててライガの跡を追った。



「動きが違う。お前…」

 隊員はライガを咎めるように囁いた。



「彼女がどこにいるか吐かせる。」

 ライガは顔まで覆う鎧の隙間から店を睨んだ。



 あまり激しく止められない隊員は舌打ちをした。



「すみません。」

 ライガは工芸品を売っている男に声だけにこやかにかけた。



 男は接客用の笑みをライガに向けた。



「騎士様が、また何の用ですか?」

 男は少し警戒するような目をライガとその後ろの隊に向けた。



「探索に出ているんですよ。」

 ライガは工芸品を一つ手に取った。



 綺麗な石のブレスレットだった。真っ黒な石の。



「大変ですね。じゃあ、今はしらみつぶしですか?」

 男は周りを見渡し、店の中を見たりしている。





「綺麗ですね。これ…」

 ライガは工芸品を丁寧に置いた。



「ええ。今度来てください。いい値段で売りま…」

 ガゴン



 男が言い終える前にライガは男の顔の横に剣を突き出した。



 男はライガを睨んだ。



「…こいつを捕えろ。」

 ライガは男を睨み返し、後ろにいる隊員に指示した。



「隊長!!そんな横暴ですよ!!」

 隊員は作戦にないライガの動きに慌てた。



「いいから。捕らえろ。」

 ライガは男を押さえつけて、強い口調で言った。



「…隊長…」

 隊員はしぶしぶと言った様子で男を拘束した。



 ライガは周りを睨んだ。

「何見ているんだ!!」

 怒鳴り散らしながらライガは入った方向とは別の市場の出口から出た。

 そこに行きつくまでも馬の気配は無かった。



 市場から離れ、ライガは捕らえた男を市場や人目から隠すように林に連れて行った。



 勿論マルコムやリランの動きに重なるような場所ではない。



 ライガは隊員たちに耳打ちをし、周りを見張らせた。



 拘束された男は、ライガと二人っきりになった。



 男はライガを睨んだ。

「騎士さん。これはやり過ぎですよ。」



「お前、皇国兵だな。」

 ライガは男を見下ろして言った。

 そして、顔に被っている鎧の兜を脱いだ。



「せめて、剣にビビることだな。」

 ライガは腰にかけている剣に手をかけて言った。



「…お前、精鋭の一人か?」

 男はライガを睨んだ。



「他の皇国兵はどこにいる?」

 ライガは男の質問に答えず、訊いた。



「…」



「答えたら、俺のことも教えてやる。」

 ライガは男に目線を合わせるようにしゃがんだ。



 男は何も答えずライガを睨んだ。

「…」





「…答えないなら、ここにこのまま縛り付けておこう。」

 ライガは男を木に縛り付け拘束をした。



「帝国騎士団は今、皇国が憎くて仕方ないんだよ。」

 ライガは男の耳に囁いた。



 男はライガを睨んだ。



「…戻るぞ。」

 ライガは男を放置したまま、他の隊員の元に戻った。



「…お前…」

 隊員がライガを少し咎めるような目を向けた。



「探索だけは生ぬるいんだよ…戦力不足でも皇国に痛手を負わせることはできるだろ!!」

 ライガは隊員を怒鳴るように言った。



「伯爵の元に行った奴らにこっちに来るように言え!!」

 ライガはさらに怒鳴るように言った。



 その様子を探るように拘束された男は見ていた。



 



 リランは山道を馬で駆けていた。

 リランが率いる隊は、リランを含めて20人。

 他の隊に比べて少しだけ少ない。



 一番多いのはジンが率いる30人とその次にマルコムが率いる28人だ。



「…待て。」

 リランは何か引っかかることに気付いた。



「どうしましたか?」

 他の隊員は馬を止めた。



「…こいつが、少しそわそわしている。」

 リランは自分の馬を指した。



「そりゃあ、リラン殿の馬は元々騎士団の馬じゃないですから、少し繊細ですよ。」

 隊員の一人はリランの馬を見て答えた。



 言われたことは確かなことだが、リランは気になった。



「少しの動きのミスで命が落ちる。…慎重に越したことは無い。」

 リランは周りを見渡した。

「この近くにライガが滞在していた」



 リランは市場にアクセスがしやすくライガが隠れることに選んだこの地を考えた。



 小さな山になっている。

 帝国騎士団も把握している場所だ。

 ここには、沢山の痕跡がある。



 捜索した跡も、踏み荒らしたものも。



 アランと帝都でコソ泥の真似事をしていた時のことを思い出した。

 いつも水場で体を洗って、足跡を残らないようにした。



 一番隠すべきは跡だ。



 焼けた臭いが漂う。

 焼けた跡、焦げ臭さがまだ漂っているのだろう。



「…油…?」

 リランは、ふと昔忍び込んだことのある食事処を思い出した。



 ブルルン



 と他の隊員の馬も騒ぎ始めた。



 リランは慌てて手綱を引いた。



「俺に続け!!」

 リランは隠密作戦にも関わらず大声を出した。



 隊員たちは驚いていた。



 リランは自分の後に隊員がついて来るかは確認していられなかった。



 リランは頭の中に付近の地図を広げた。



 川辺がある。



「リラン殿!!」

 とうとう他の隊員も気付いたようだ。



 周りが白くなってきた。



 最近雨が降ったのは、リランがブロック伯爵の元に向かった時ぐらいだ。

 周りは乾燥しているだろう。



 そうだった。向こうはブロック伯爵と元帝国騎士団団長だ。



 皇国への進軍は把握できなくても、市場を嗅ぎつけられるのはわかっている。

 その場合、どう攻めるかも考えている。



 リラン達だってそのリスクを四等分するために分かれた。



「…狼煙どころじゃない。」

 リランは燃え上がる背後の山を見て顔を顰めた。



 おそらくリラン達が山に入った段階を察知して、待機していた馬たちを反対方向から下ろしているだろう。

 完全に準備をしてから火を放っている。



 火の勢いからして、下手したら市場も巻き込む。



「もう、帝都に行く気満々かよ。」

 リランは舌打ちをした。



「リラン殿!!」

 後ろで逃げるのが遅れている隊員が叫んでいる。

 だが、気にしている余裕はない。



「踏ん張れ!!」

 リランは自分の乗る馬を叱咤するように叫んだ。



 火の手は迫っている。



 無心で逃げることは出来ない。

 無駄に働く頭は、伝えられるか分からない情報を整理している。



 この位置からの反対方向で進軍させたなら、向かう場所は…



「マルコムの方だ。」

 リランは一瞬、手綱を握る手を緩めた。



 一心不乱で走る馬に対して油断はあってはならない。



 バランスを崩して馬から落ちそうになった。

 慌てて体勢を整えたが、圧倒的な時間ロスだった。



 火の手は迫っている。



 





 マルコムは遠回りをして帝都側とは逆方向から市場に回り込む作戦だ。



 リランが向かった山を大きく迂回していく。



 ただ、気付いた。



 山から狼煙が上がったと思った。

 最初は早いなと思ったが、よくよく考えるとおかしかった。



「…早すぎる。」

 マルコムは後ろに続いている隊員たちを見た。彼等も変化に気付いているようだ。

 しかし、今更打ち合わせしなおす時間はない。



 火を放たれたとしたら、リランが危ない。

 それはマルコムもだ。



 皆が危ない。



 だが、タイミングを見ると、リランが登ってきたことを確認していから火を放っている。

 その場合、どう逃げるか。



 ヒュン



「があああ!!」

 後ろを走っている隊員が叫んだ。

 マルコムは馬を走らせたまま後ろを向いた。



 矢がのどに刺さり、痛みに悶えている。



「…こっちかよ…」

 マルコムは顔を歪めた。



 馬を走らせたまま周りを見渡した。



 山の方角から集団が降りて来る。

 どうやら、あの山に馬などを隠していたようだ。

 帝国騎士団の襲撃を予想して、反撃を考え、対策を取っていたようだ。



「マルコム殿!!」

 後ろを走る隊員が泣きそうな声を上げている。



 マルコムは手綱を握った。



「走れ。予定通り、回り込んで市場に向かう。」

 マルコムは前を見たまま言った。



「そんな…我々は、餌になるという…」



「リスクの話もしている。それを踏まえたうえで別れたんだろ。」

 マルコムは隊員の泣き言を一蹴した。



「そうですけど…こんなこと…」

 隊員は、出撃の時に見せた勇ましさが嘘のような表情だった。



 その顔を見てマルコムは舌打ちをした。

「他に何ができる?」

 マルコムは後ろを顎で指した。



 迫る集団はマルコムも合わせて29人の集団よりも多いだろう。いや、今は28人だ。

 向こうはいる位置の標高も高い。



 圧倒的にこちらの手の先に回っている。



「…やっぱり、強い奴っていいね。」

 マルコムは周りの戦力を確認すると、笑った。



 







 ジンは空を見上げて顔を顰めていた。

 空には狼煙が上がったと思った。



 早いなと思ったが、それは違う。



 煙だ。

 何か大規模なものが燃えている空だ。



 一週間以上雨が降っていないからきっと火の手は直ぐに回るだろう。



「…何かがあったな。」

 ジンは呟いた。



「団長…動かなくていいのですか?」

 ジンの傍に付いている隊員が心配そうに訊いた。



「俺は今は隊長だ。それに、作戦を打ち合わせしている時間はない。」

 ジンは首を振った。



「ですが…リラン殿やマルコム殿の方角です…」

 隊員はやはり心配そうだった。



「何のために四つに分かれたと思っている?」

 ジンは呆れたように言った。



 隊員は不安そうに見ている。





「団ちょ…隊長!!」

 別の隊員がジンの元に駆け寄ってきた。



「どうし…」

 ジンは駆け付けた隊員たちを見て表情を険しくした。



「お前は…ライガの隊…」

 ジンは自分の隊ではない騎士を確認すると、手を挙げて隊員たちを集めた。



「何だ?」

 ジンは警戒するようにライガの隊の騎士を見た。



「市場には馬や大規模な馬車等を置く場所がないとのことです。…それで…」

 ライガの隊の騎士は、狼煙のように上がる煙を見上げた。

 どうやら彼も異変に気付いているようだ。





「今更どうにも変更はできない。作戦のまま動く。マルコムの隊の狼煙が確認出来たら動く。」

 ジンは断言した。



「そのことで…」

 ライガの隊の隊員は、周りを見渡した。

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