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24話「Blues Drive Monster」
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「よし、そんじゃバンド名決めようぜ! 真柴と淳一、ちゃんと考えてきただろうな?」
「モチのロンだよー! ね、淳一くん!」
「あ、ああ。 勿論だ。 か、考えてきたに決まってるだろ!」
忘れていた。 前の練習の時に次の練習でバンド名決めるって言ってたんだっけな……
完全に忘れてた……
スタジオ練習後、近くのファーストフード店でただ駄弁るだけだと思っていたがそうだった……
今日、バンド名決めるんだったな……
「じゃあ、真柴から考えてきたやつを発表してくれ」
石田がそう言うと真柴はハーイと元気よく返事をした。
スゥーッと息を吸い、ニコッと微笑み、
「バンド名はねぇ……『真柴弓月と愉快な仲間たちバンド』!!」
と高らかに叫んだ。
そして発表した途端ドヤ顔でこちらを見つめてくる。
…………バカかこいつ。 あ、バカだったわ。
「はい、じゃあ俺の考えたやつ発表するわー」
石田は真柴の発表に笑いもせず真顔で進行しようとする。
「ちょ! 私の考えたバンド名は!」
「いや、ねーだろ」
「えー、淳一くん酷い!」
こいつは本当にこのバンド名で通ると思って発表したのだろうか……
「真柴は無視して俺の考えてきたバンド名発表するわー。 俺が考えたバンド名は…………『それゆけ石田カンパニーズ』だ!」
……お前もじゃねえか!!
自己主張激しすぎだわ!
「……石田くんは無視して淳一くん、発表お願い!」
「おい、真柴」
さっきの石田同様、真柴は真顔で話を進行させる。
「あーっと、えーっとだな……」
「なんだよ淳一。 お前考えてねえのかよ。 それだったらやっぱり俺の考えたやつで!」
「石田くんは黙っててー。 今は淳一くんの番だからー。 はい、淳一くん発表お願い!」
真柴は両掌を俺へと向けた。
そんな感じでされると逆に言いにくいだろ……
……わかったよ。 もうヤケクソだ! 今頭の中で思いついたやつでいいや!
「俺の考えたバンド名は……『Blues Drive Monster』だ!!」
そう叫び2人を見ると2人とも「おー!」と感心したような表情で俺を見つめていた。
「かっこいいよ! 淳一くん! どういう意味かわからないけど!」
「ああ、なんかわからないけどいいんじゃねえか?」
「ま、まじで?」
「うん! もしかしてBlues Driveってギターのエフェクターから取ってる?」
「あ、ああ。 そうそう」
俺は慌てて頷く。
そういえばエフェクターにあったけな。 「Blues Driver」って。 それを咄嗟に思い出して『Blues Drive Monster』って言ったんだな。
きっと「Monster」はさっきハンバーガーを買う時、セットのおまけのモンスターなんちゃらを見たからだろう。
「淳一くん!」
真柴はそう言うと俺の手を引っ張った。
俺の手の上に石田、そして真柴と手が重なっていく。
「Blues Drive Monster、今ここに結成! これから頑張るぞ~! はい、淳一くん、石田くん、せーの!」
「おー!!!」
3人の声が響いた。
何だか照れ臭い気持ちとこれから始まるバンドにワクワクする気持ちが入り混じって胸がいっぱいになった。
こんな気持ちは久しぶりだ。
俺は今、青春というやつをしているのではないかとそう感じた。
「モチのロンだよー! ね、淳一くん!」
「あ、ああ。 勿論だ。 か、考えてきたに決まってるだろ!」
忘れていた。 前の練習の時に次の練習でバンド名決めるって言ってたんだっけな……
完全に忘れてた……
スタジオ練習後、近くのファーストフード店でただ駄弁るだけだと思っていたがそうだった……
今日、バンド名決めるんだったな……
「じゃあ、真柴から考えてきたやつを発表してくれ」
石田がそう言うと真柴はハーイと元気よく返事をした。
スゥーッと息を吸い、ニコッと微笑み、
「バンド名はねぇ……『真柴弓月と愉快な仲間たちバンド』!!」
と高らかに叫んだ。
そして発表した途端ドヤ顔でこちらを見つめてくる。
…………バカかこいつ。 あ、バカだったわ。
「はい、じゃあ俺の考えたやつ発表するわー」
石田は真柴の発表に笑いもせず真顔で進行しようとする。
「ちょ! 私の考えたバンド名は!」
「いや、ねーだろ」
「えー、淳一くん酷い!」
こいつは本当にこのバンド名で通ると思って発表したのだろうか……
「真柴は無視して俺の考えてきたバンド名発表するわー。 俺が考えたバンド名は…………『それゆけ石田カンパニーズ』だ!」
……お前もじゃねえか!!
自己主張激しすぎだわ!
「……石田くんは無視して淳一くん、発表お願い!」
「おい、真柴」
さっきの石田同様、真柴は真顔で話を進行させる。
「あーっと、えーっとだな……」
「なんだよ淳一。 お前考えてねえのかよ。 それだったらやっぱり俺の考えたやつで!」
「石田くんは黙っててー。 今は淳一くんの番だからー。 はい、淳一くん発表お願い!」
真柴は両掌を俺へと向けた。
そんな感じでされると逆に言いにくいだろ……
……わかったよ。 もうヤケクソだ! 今頭の中で思いついたやつでいいや!
「俺の考えたバンド名は……『Blues Drive Monster』だ!!」
そう叫び2人を見ると2人とも「おー!」と感心したような表情で俺を見つめていた。
「かっこいいよ! 淳一くん! どういう意味かわからないけど!」
「ああ、なんかわからないけどいいんじゃねえか?」
「ま、まじで?」
「うん! もしかしてBlues Driveってギターのエフェクターから取ってる?」
「あ、ああ。 そうそう」
俺は慌てて頷く。
そういえばエフェクターにあったけな。 「Blues Driver」って。 それを咄嗟に思い出して『Blues Drive Monster』って言ったんだな。
きっと「Monster」はさっきハンバーガーを買う時、セットのおまけのモンスターなんちゃらを見たからだろう。
「淳一くん!」
真柴はそう言うと俺の手を引っ張った。
俺の手の上に石田、そして真柴と手が重なっていく。
「Blues Drive Monster、今ここに結成! これから頑張るぞ~! はい、淳一くん、石田くん、せーの!」
「おー!!!」
3人の声が響いた。
何だか照れ臭い気持ちとこれから始まるバンドにワクワクする気持ちが入り混じって胸がいっぱいになった。
こんな気持ちは久しぶりだ。
俺は今、青春というやつをしているのではないかとそう感じた。
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