あの空の向こう

血液検査

(健介)
「じゃあ大きく吸ってーはいてー、上手だ！もう1回。」

(蒼)「スー、、、ハー、、、ヒック。」

(陸斗)
「蒼くん、偉いね。上手に出来てるよ～。」

僕は陸斗さんに固定されて身動きがとれず、聴診器をあてられても静かに涙を流して時間ぎ過ぎるのを待つ。

(健介)「OK！終わりだ。よく頑張ったなあ。」

(陸斗)「蒼くん、終わったよ。よく頑張ったね～。」

(やっと、終わった、、、ヒック)

僕は終わったことにホッと胸を撫で下ろした。

それなのに、、、、

(健介)「じゃあ、次は血液検査するか！北村、準備してくれるか。」

(陸斗)「わかりました。ちょっと、蒼くんここで待っててね。」

(えっ！もぅ、終わりじゃなぃの、、、)


数分後、、、、


(陸斗)「お待たせしました。」

陸斗さんが、注射器を持って帰ってきた。

(健介)「おー、ありがとー。じゃあ蒼、利き手じゃない方の腕を出してくれ」

先生はお礼を言うとさっそく注射器を持って、僕に腕を出すように要求してくる。

(やだ。あんな尖ったものを腕に突き刺すなんて痛いに決まってる)

僕は無言で首をふった。

(健介)

「嫌かー。でもこれは蒼の身体のことを知るための大事なことで、今日しなければならない。
今日できないなら、病院に泊まっていくか？」


(病院に泊まる？地獄じゃん！いやだー！！)

(蒼)「帰る！僕帰ります。」

扉に向かって歩く。

スタスタスタ

もう少しで扉という所で陸斗さんに目の前をふさがれた。

(蒼)「陸斗さん退いて下さい。僕、もう帰ります」

(陸斗)「まあまあ、蒼くん。そう言わずに、少し血を調べるだけ。頑張ってみよう」

僕の中で何かがきれた。

(蒼)「やだやだやだ、帰る。ウェーン帰る。どけて～(泣)ズビッ」

地団駄を踏み、そのまま強行突破をはかろうとした僕だったけど、軽々と陸斗さんに抱きしめという形で捕まえられた。