あの空の向こう

麒麟

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病院

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何回か上下に降って、「フゥ~」と思い切り息を吐き出してから僕は吸入薬を吸った。

(にがい、、、)

僕の目には涙がたまっていたが、それを爽兄に見られるのは何だか恥ずかしくて、服の袖でゴシゴシ拭く。

(はあ~)

朝の薬を終え心の中でため息をついてると、「さっそく行こうか」と爽兄の言葉に抗えず、僕は爽兄の運転する車に乗り込み病院に向かった。

(爽兄)
「じゃあ手続きは僕がしとくから、これを脇に 入れて 音がなったら看護師さんに渡してね。
 蒼が診察室に呼ばれたら僕も呼んでもらえるようにし とくから、頑張ろうね。」

コクッ。

頷くと、爽兄は自分の仕事に行ってしまった。

ここは小児科。
15歳以下の子供を主に診ている科。

今日は平日なのに、季節の変わり目で大混雑。

僕は邪魔にならない椅子の端で1人渡された体温計を脇にはさみ静かに待つ。

「ピピピピピ、、、、」

しばらく待っていると体温計が測定終了の音を鳴らした。

脇から体温計を出し、重い足取りで看護師さんの集まっている所に歩いて行く。

(蒼)
「あ、あの~、体温計の測定が終わったんですけど、、」

僕のか細い声に一番近くにいた男の看護師さんが気づいてくれた。

(陸斗)
「ん、体温計の測定が終わった?
はい、36.8℃。お熱はないね。しんどいところもないかなあ~?」

コクッ。

(陸斗)
「そっかぁ~。
じゃあ、名前が呼ばれるまでもう少し椅子に座って待っていてくれるかい?」

コクッ。

また首を縦に降って頷いて、僕は元の席に戻って座った。
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