あの空の向こう

麒麟

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朝食

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(蒼)「おはようございます」

(爽希)「蒼、おはよう」

挨拶をしながらリビングのドアを開けると、爽兄が椅子に座りながら挨拶を返してくれた。

(爽兄は今日も優しくて、かっこいいなあ~)

嬉しくて、頬が緩んだが何事もなかったように、スタスタ歩き、爽兄の横の椅子に腰を下ろす。


座ったテーブルには、既に朝食は用意されていて、とても美味しそうだ。

(爽希)「それじゃあ、いただきますしようか。」

(蒼)「は、はい、いただきます。」

彩りの良いサラダ、温かいスープ、斜めに切られた食パン、そして牛乳。

今まで食べてきたどの食事よりも、あたたかくて美味しかった。


(蒼)「ご馳走さま。」

(爽希)「はい、お粗末様でした。」

僕は食器を片付けようと席を立ち上がった。

(爽希)
「あ、蒼、食器は良いから。
 今日の分の薬と朝の診察をしよう!」

(えっ、やだ!薬は苦いし、聴診器は冷たいし、、、)

僕が何も言わずに、呆然と立っているから、見かねた爽兄が僕の身長位まで屈んで、顔を覗きこんできた。

(爽希)
「蒼、イヤだよね。
でも、蒼が元気に過ごす為には必要なことだから、お兄ちゃんと少し頑張ろう。」

コクッ。

僕はイヤだったけど、爽兄を困らせるわけにはいかず無言で首を縦にふった。
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