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4章 奇想組曲
第53音 牽衣頓足
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【牽衣頓足】けんいとんそく
非常に辛い別れを惜しむ事の形容。
===============
一方、ルカは出兵の為に荷物をまとめていた。
「ルカ兄、戦争には何も要らないよ」
ツウは言う。
ルカは悲しげな表情をしていた。
「おう…わかってるよツウ…」
「ダニエル行くよー」
ツウがダニエルを呼ぶと、ダニエルは困った表情で言う。
「あなた平気そうねぇ」
ツウは目を丸くすると、それから笑顔。
「何言ってるのさ。平気じゃないよ。
でもルカ兄もダニエルもいるから心強いじゃん?」
「あらそう?」
するとルカは、涙ながらに言った。
「俺!命懸けでツウを守る!」
それを聞いたツウは、笑ってから言う。
「ありがとうルカ兄。
でも、本当に僕が助からない時は逃げてもいいよ。」
それに二人はギョッとする。
まさかツウから、そんな言葉が出るとは思わなかったからだ。
呆然とするルカ、思わずダニエルは二人を抱き寄せて言った。
「私が二人を守るわっ!」
「俺も俺も!」
「みんなで守り合えばいいんだよ!」
ツウの言葉に二人は賛成して、部屋を出る。
「あ、ちょっとウォータークローゼット」
とルカは言って、廊下を小走りして行った。
「急いでねー」
「先に行きましょう」
ダニエルに言われ、ツウはダニエルと一緒に外へ向かった。
一方ルカは、コッソリとシナの部屋に入る。
そして、シナの部屋の机の上に一通の手紙を置いた。
(姉さん…。ありがとう…)
そうルカは心で言い、部屋を後にした。
突然出兵を宣告され、突然に連れて行かれる児童達。
シナは次々と出て行く児童の一人一人の名を呼んだ。
涙を溜めつつ、苦しい心の中、戦争を憎んだ。
ふと、シナの肩をポンと叩く者がいた。
「行ってきます!姉さん」
と言ったのはルカだった。
笑顔のルカを見て、シナはついに涙を流した。
「ルカっ…」
「俺帰ってくるよ!…その時は……後のお楽しみ。
行ってきま~スーパーエクセレント~!」
と言ってルカは、ツウ達のところまで走っていった。
「……ルカ…」
シナは黙り込んでしまう。
大事な家族達が、戦争へ行ってしまった。
アールはテノに言われた方向に走っていると、向こうで誰かが倒れているのが見えた。
そこまで走ってみると、なんとレイだった。
レイは肩に傷を負っており、気絶していた。
周りの地面や雪には血の跡が残っている。
「レイ様!」
アールは声をかけた。
とにかく止血しようと、肩を覆う程の布はない。
そこで、自分の上着を使おうと上着を脱いだ。
その時、レイは目が覚めたようで起き上がってきた。
アールはズボンのポケットからカッターを出すと、それに気づいた。
「…レイ…様…。」
「アールさん…おはよう」
レイがそう言うと、アールは思わずカッターを落とした。
レイはそんなアールを見て言う。
「あら、止血しようとしてくれたの?
…アールさんが。…嬉しいわ。
でも、お洋服は大事にしないと。」
「レイ様が死んでは、私がペルド様に殺されます。」
そう言って上着をカッターで切ろうとしたが、レイが手を乗せて止めた。
「…あのね、アールさん…」
「どうかなさいましたか?」
アールが聞くと、レイは目に涙を溜めて言った。
「ペルちゃん…止めようと思ったんだけど…。
逆に攻撃されちゃって…止められなかったの…。
ごめんなさい…。きっと貴方を探しているわ…。」
アールは驚いた。
何がどうあって自分を探しているかはわからないが、レイは自分を守るためにこうなったのだと。
彼女は安易に嘘をつく女性でもない。
彼女の涙が胸の辺りに刺さる。
「左様でございましたか…。心のお怪我の方は…?」
アールが聞くと、レイは首を横に振った。
「そんなのないわ!ちょっと悲しいけど…。
それよりも貴方にまた会えて嬉しいわ…。」
レイのその言葉を聞き、アールは少し黙った。
大事な親戚であるペルド。
そんなペルドに攻撃されてしまったレイ。
彼女はとても傷ついているようだが、あまり心配かけまいとそう言うのであった。
「…事情は後で教えるわ。」
とレイは言う。
その時、テノが走ってきた。
「アルにゃん!新入生の様子はッ?
おい新入生大丈夫か!?」
レイは相変わらずそっぽ向く。
テノは怒り顔。
「せっかく心配してやってんのに…ッ」
そこにルネア達も来て、ルネアとユネイは言う。
「レイさん!」
「大丈夫?」
それでもレイは無視なので、ユネイは呟く。
「平気そうかな」
テノはさっきからキョロキョロしている。
ルネアがどうしたのかと聞くと、テノは言う。
「いや、実は新入生を見た時誰かいてよ」
するとアールは言った。
「どんな人だ?」
「女で、黒髪のツインテール」
それにアールは首を傾げる。
レイも知らないような表情だ。
アールはとりあえず、レイを背負った。
「とにかく児童園の様子を見に行こう。
軍がいなければ、すぐにレイの手当をする。」
そう言って歩き出した。
ルネアは言う。
「イエッサ!」
しかしテノは、さっきの女性が気になる様子。
「じゃ、あの女誰?」
それに対し、ユネイは言った。
「ポッと出だろう 気にする必要はない」
と、若干メタな発言をするのである。
アール達は児童園に着く。
児童園の周りには誰もいない。
「行くか。」
それをルネアが止めた。
「アールさん!中にいたらどうするんですか!」
「大丈夫だ。知っている人の声しか聞こえない。」
ルネアは一瞬驚いたが、そう言えばアールは地獄耳だった。
(異常に耳がいい気がする…)
扉を開けて、廊下を歩く。
虚しい廊下。いつもなら児童で騒いでいる廊下が今はとても静かで、音一つ鳴らない。
聞こえるのはアール達の歩く音だけ。
アールは奥の食堂を見た。
「そこ…。」
そう言って真っ直ぐ向かう。
みんなもそれについてきた。
顔見知りがいなくなった児童園。
どんなに虚しく、寂しいか。
いなくなった瞬間やっと痛感する。
アールは食堂の扉を開いた。
すると、そこにはパートリーダー達がいた。
「アールにルネアにユネイ!テノ…レイまで!」
と、ラムは言った。
シナも立ち上がって、レイに駆け寄った。
「レイちゃん!」
「レイの手当をしたい。話は後でな。」
そう言ってアールはレイを運んでいってしまった。
閉まる扉。静まり返る食堂。
それに耐えられないのか、テノは威勢良く言った。
「なぁに湿気た顔してんだよッ!
俺等が戦争止めればいいだけだろ?
大将共をブン殴りに行くんだよ!」
流石にテナーも険しい顔をしていた。
更にはノノも元気がない様子。
「…まあ、仕方ないのう。
私達が今できる事。なんじゃろうか…」
すると、シナは言った。
「革命よ!革命起こしましょう!」
それにラムは顔を引き攣る。
「革命!?
一歩間違えればみんな処刑だし、魔法封じ専門の兵士がいたら多分勝目ないぜ…?」
その言葉に悔しがるシナ。
(私達だけじゃ、児童園のみんなを救えないの…?)
「もう!どうすればいいのよっ!」
手当てをして、レイを寝かすアール。
そして、彼女から一連の話を聞く。
「ペルちゃん、容姿魔法を持った児童の力を欲してたでしょ?
いつまで経っても見つからないから、アールさんがその魔法を持っているんじゃないかって疑い始めたの。
だからアールさんを殺そうと、ペルちゃん企んでいるのよ…!」
「…ペルド様が…。」
ペルドを止めようとしたレイは、攻撃をされて止むを得なく逃げたらしい。
確かにここまで容姿魔法の生徒が見つからないと、近い者を疑いたくなる気持ちもわからなくもないが。
ペルドにとっては相当緊急なのだろう。
ただでさえ短気なので仕方ない。
レイはアールに言う。
「アールさん。ここにいては危険だわ。
一緒に逃げましょう。私の故郷にでも…」
しかし、アールはそれを承知できない。
「お気遣いはありがたいです。
しかし、私もやらなければならない事がありまして。
ご安心ください。ペルド様と契約した私には、あのお方のお気持ちがよくわかるのです。
近くにいれば尚更でございます。」
その言葉にレイは俯く。
「…ラムの事よね…。」
「はい…。」
彼はやはり、ラムに心が一直線だ。
レイはアールに聞いた。
「…ペルちゃんが貴方に私を殺せって言ったら、貴方は私を殺すの?」
アールはレイを見つめる。
レイの悲しげな瞳。アールの心が変にざわつく。
しかしアールは言った。
「…勿論でございます。」
するとレイは、目に涙を溜めた。
(そう…よね…。
この人は主の言う事に従うだけの奴隷。
心を奪おうと頑張ってきたけど、結局彼はペルちゃんに従ってきただけ。
私になど心奪われるわけない。)
レイがそう思っている中、アールは彼女の涙を見つめていた。
非常に辛い別れを惜しむ事の形容。
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一方、ルカは出兵の為に荷物をまとめていた。
「ルカ兄、戦争には何も要らないよ」
ツウは言う。
ルカは悲しげな表情をしていた。
「おう…わかってるよツウ…」
「ダニエル行くよー」
ツウがダニエルを呼ぶと、ダニエルは困った表情で言う。
「あなた平気そうねぇ」
ツウは目を丸くすると、それから笑顔。
「何言ってるのさ。平気じゃないよ。
でもルカ兄もダニエルもいるから心強いじゃん?」
「あらそう?」
するとルカは、涙ながらに言った。
「俺!命懸けでツウを守る!」
それを聞いたツウは、笑ってから言う。
「ありがとうルカ兄。
でも、本当に僕が助からない時は逃げてもいいよ。」
それに二人はギョッとする。
まさかツウから、そんな言葉が出るとは思わなかったからだ。
呆然とするルカ、思わずダニエルは二人を抱き寄せて言った。
「私が二人を守るわっ!」
「俺も俺も!」
「みんなで守り合えばいいんだよ!」
ツウの言葉に二人は賛成して、部屋を出る。
「あ、ちょっとウォータークローゼット」
とルカは言って、廊下を小走りして行った。
「急いでねー」
「先に行きましょう」
ダニエルに言われ、ツウはダニエルと一緒に外へ向かった。
一方ルカは、コッソリとシナの部屋に入る。
そして、シナの部屋の机の上に一通の手紙を置いた。
(姉さん…。ありがとう…)
そうルカは心で言い、部屋を後にした。
突然出兵を宣告され、突然に連れて行かれる児童達。
シナは次々と出て行く児童の一人一人の名を呼んだ。
涙を溜めつつ、苦しい心の中、戦争を憎んだ。
ふと、シナの肩をポンと叩く者がいた。
「行ってきます!姉さん」
と言ったのはルカだった。
笑顔のルカを見て、シナはついに涙を流した。
「ルカっ…」
「俺帰ってくるよ!…その時は……後のお楽しみ。
行ってきま~スーパーエクセレント~!」
と言ってルカは、ツウ達のところまで走っていった。
「……ルカ…」
シナは黙り込んでしまう。
大事な家族達が、戦争へ行ってしまった。
アールはテノに言われた方向に走っていると、向こうで誰かが倒れているのが見えた。
そこまで走ってみると、なんとレイだった。
レイは肩に傷を負っており、気絶していた。
周りの地面や雪には血の跡が残っている。
「レイ様!」
アールは声をかけた。
とにかく止血しようと、肩を覆う程の布はない。
そこで、自分の上着を使おうと上着を脱いだ。
その時、レイは目が覚めたようで起き上がってきた。
アールはズボンのポケットからカッターを出すと、それに気づいた。
「…レイ…様…。」
「アールさん…おはよう」
レイがそう言うと、アールは思わずカッターを落とした。
レイはそんなアールを見て言う。
「あら、止血しようとしてくれたの?
…アールさんが。…嬉しいわ。
でも、お洋服は大事にしないと。」
「レイ様が死んでは、私がペルド様に殺されます。」
そう言って上着をカッターで切ろうとしたが、レイが手を乗せて止めた。
「…あのね、アールさん…」
「どうかなさいましたか?」
アールが聞くと、レイは目に涙を溜めて言った。
「ペルちゃん…止めようと思ったんだけど…。
逆に攻撃されちゃって…止められなかったの…。
ごめんなさい…。きっと貴方を探しているわ…。」
アールは驚いた。
何がどうあって自分を探しているかはわからないが、レイは自分を守るためにこうなったのだと。
彼女は安易に嘘をつく女性でもない。
彼女の涙が胸の辺りに刺さる。
「左様でございましたか…。心のお怪我の方は…?」
アールが聞くと、レイは首を横に振った。
「そんなのないわ!ちょっと悲しいけど…。
それよりも貴方にまた会えて嬉しいわ…。」
レイのその言葉を聞き、アールは少し黙った。
大事な親戚であるペルド。
そんなペルドに攻撃されてしまったレイ。
彼女はとても傷ついているようだが、あまり心配かけまいとそう言うのであった。
「…事情は後で教えるわ。」
とレイは言う。
その時、テノが走ってきた。
「アルにゃん!新入生の様子はッ?
おい新入生大丈夫か!?」
レイは相変わらずそっぽ向く。
テノは怒り顔。
「せっかく心配してやってんのに…ッ」
そこにルネア達も来て、ルネアとユネイは言う。
「レイさん!」
「大丈夫?」
それでもレイは無視なので、ユネイは呟く。
「平気そうかな」
テノはさっきからキョロキョロしている。
ルネアがどうしたのかと聞くと、テノは言う。
「いや、実は新入生を見た時誰かいてよ」
するとアールは言った。
「どんな人だ?」
「女で、黒髪のツインテール」
それにアールは首を傾げる。
レイも知らないような表情だ。
アールはとりあえず、レイを背負った。
「とにかく児童園の様子を見に行こう。
軍がいなければ、すぐにレイの手当をする。」
そう言って歩き出した。
ルネアは言う。
「イエッサ!」
しかしテノは、さっきの女性が気になる様子。
「じゃ、あの女誰?」
それに対し、ユネイは言った。
「ポッと出だろう 気にする必要はない」
と、若干メタな発言をするのである。
アール達は児童園に着く。
児童園の周りには誰もいない。
「行くか。」
それをルネアが止めた。
「アールさん!中にいたらどうするんですか!」
「大丈夫だ。知っている人の声しか聞こえない。」
ルネアは一瞬驚いたが、そう言えばアールは地獄耳だった。
(異常に耳がいい気がする…)
扉を開けて、廊下を歩く。
虚しい廊下。いつもなら児童で騒いでいる廊下が今はとても静かで、音一つ鳴らない。
聞こえるのはアール達の歩く音だけ。
アールは奥の食堂を見た。
「そこ…。」
そう言って真っ直ぐ向かう。
みんなもそれについてきた。
顔見知りがいなくなった児童園。
どんなに虚しく、寂しいか。
いなくなった瞬間やっと痛感する。
アールは食堂の扉を開いた。
すると、そこにはパートリーダー達がいた。
「アールにルネアにユネイ!テノ…レイまで!」
と、ラムは言った。
シナも立ち上がって、レイに駆け寄った。
「レイちゃん!」
「レイの手当をしたい。話は後でな。」
そう言ってアールはレイを運んでいってしまった。
閉まる扉。静まり返る食堂。
それに耐えられないのか、テノは威勢良く言った。
「なぁに湿気た顔してんだよッ!
俺等が戦争止めればいいだけだろ?
大将共をブン殴りに行くんだよ!」
流石にテナーも険しい顔をしていた。
更にはノノも元気がない様子。
「…まあ、仕方ないのう。
私達が今できる事。なんじゃろうか…」
すると、シナは言った。
「革命よ!革命起こしましょう!」
それにラムは顔を引き攣る。
「革命!?
一歩間違えればみんな処刑だし、魔法封じ専門の兵士がいたら多分勝目ないぜ…?」
その言葉に悔しがるシナ。
(私達だけじゃ、児童園のみんなを救えないの…?)
「もう!どうすればいいのよっ!」
手当てをして、レイを寝かすアール。
そして、彼女から一連の話を聞く。
「ペルちゃん、容姿魔法を持った児童の力を欲してたでしょ?
いつまで経っても見つからないから、アールさんがその魔法を持っているんじゃないかって疑い始めたの。
だからアールさんを殺そうと、ペルちゃん企んでいるのよ…!」
「…ペルド様が…。」
ペルドを止めようとしたレイは、攻撃をされて止むを得なく逃げたらしい。
確かにここまで容姿魔法の生徒が見つからないと、近い者を疑いたくなる気持ちもわからなくもないが。
ペルドにとっては相当緊急なのだろう。
ただでさえ短気なので仕方ない。
レイはアールに言う。
「アールさん。ここにいては危険だわ。
一緒に逃げましょう。私の故郷にでも…」
しかし、アールはそれを承知できない。
「お気遣いはありがたいです。
しかし、私もやらなければならない事がありまして。
ご安心ください。ペルド様と契約した私には、あのお方のお気持ちがよくわかるのです。
近くにいれば尚更でございます。」
その言葉にレイは俯く。
「…ラムの事よね…。」
「はい…。」
彼はやはり、ラムに心が一直線だ。
レイはアールに聞いた。
「…ペルちゃんが貴方に私を殺せって言ったら、貴方は私を殺すの?」
アールはレイを見つめる。
レイの悲しげな瞳。アールの心が変にざわつく。
しかしアールは言った。
「…勿論でございます。」
するとレイは、目に涙を溜めた。
(そう…よね…。
この人は主の言う事に従うだけの奴隷。
心を奪おうと頑張ってきたけど、結局彼はペルちゃんに従ってきただけ。
私になど心奪われるわけない。)
レイがそう思っている中、アールは彼女の涙を見つめていた。
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