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第3章 平穏―ピースフル―
029 ソシオパス失格 後半
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数男とサチはうどん屋にて、昼飯を食べていた。
湯煙が立ち込め調理音で騒がしいうどん屋。
なかなか渋いため客の半数が中年男性だった。
サチは大きめの丼に盛られた冷やしうどんを食べ、数男はごく普通の暖かいうどんを食べていた。
「…仕事は楽で嫌か?」
数男はサチに聞いた。
サチはムスっとすると言う。
「少しだけ。なんだか、みんな頑張って働いているのに私だけこんなのでいいのかなって思います。」
数男は笑う。
「そうか。普通ならもっと喜ぶべき話だけどな。楽して金を得られるなど、最早大人の夢だろう?」
「いいえ、もっと仕事らしい仕事をしてみたいです。」
あまりに真面目なサチを見て、数男は思わず微笑んでしまった。
「いいぞ、そういう真面目な女は嫌いじゃない。」
「またセクハラ発言をしようとしているんですか?」
サチが言うと、数男は首を横に振った。
「ふざけた女、下らない女が増える中、お前の様な馬鹿に真面目な女が光ると言っている。」
「でもあたし、女らしくないってよく言われます。」
「それがまたいいんだ。お前はそこらの女と違ってなよなよしていない、私はそれに惚れたのだ。」
「やっぱりセクハラじゃないですか。」
その言葉に、数男は笑った。
「そうだな、九重という男の前だけなよなよするのが勿体無い。私の前だけでなよなよすればいいものを。」
「こ!九重先輩は仕方がないじゃないですか!」
「そうか?まあそうなんだろうな。」
そう言ってお茶を飲む。
沈黙が広がる席。
ふと、サチは誠治が植物人間の力を得ている事を思い出す。
サチは同時に、表情が暗くなった。
「私、何の為にこの仕事やったんでしょう。」
サチの言葉に、数男は目を丸くした。
サチは続けた。
「先輩を植物人間の驚異から守る為に、引き受けた仕事なのに…なのに、先輩は植物人間になっちゃって…」
サチは悔しそうな顔をして、若干涙を浮かべていた。
数男は呆れた顔をして溜息。
「どうしようもない事をそういつまでも…。
どうでもいいだろう。」
「良くないです!」
サチが思わず言い放つと、数男は冷静に聞き返す。
「じゃあなんだ?例えアイツが決めた道でも、サチは悔しい思いをするのか?
植物人間になって欲しくなかったと言うのか?…それはお前のエゴだろう。」
「エゴ?」
「ああ、エゴだ。
一個人の行動が他人の人生に及ぼす影響など、たかが知れている。先輩と後輩の関係なら尚の事な。
奴が植物人間になった所で、なぜお前が後悔する必要があるのか。
それともなんだ?二十四時間体制でアイツを監視する必要があったのか?」
そう言われると、サチは黙ってしまう。
数男はもう話すのは嫌なのか、話題を変えた。
「もういい。こういう話は嫌いだ。」
そう言って、数男は不機嫌ながらもお茶を飲んだ。
それからサチの冷やしうどんを見ると言う。
「お前本当に冷やし麺が好きなんだな。」
「そうですよ。」
「子供の頃から好きなのか?」
「そうです。」
それを聞いた数男は、何かに反応を見せる。
それから言った。
「お前の親はどんな奴だった?」
「そうですね、普通に愛情深い親です。両親とも共働きだったので、あんまり一緒に過ごせませんでしたけど。」
それを聞いた数男は意外そうな顔をしてサチに言った。
「家事はどうしていたんだ?」
「出来る事なら自分でしました。料理は得意じゃなくて、いつも市販の冷やし麺を食べてました。」
「それで冷やし麺が好きなのか。」
「そう言う五島さんは、家ではいつも暴力食らってたんですってね。」
サチが逆に聞くと、数男は「そうだな。」と言った。
「父がいつも殴ってきたのはよく覚えている、何度殺してやろうと思った事か。
母もこんな容姿の私を『呪われている』と言って殺されかけた事が何度もあったな。」
「え…」
「だが父が世間体を気にしていたのでな、殺すなと念押しされていたから命拾いしてたな。」
「そんな親もいるんですね。普通は子供を愛するものなんですけど。」
「化物みたいな容姿の子供を、子供だと思える奴等だったらな。」
「そうですね。あなたも守君の事、大事に思えないくらいですからね。」
淡々と話すサチを、ただ眺める数男。
サチは数男の視線が気になって言った。
「なんですかさっきから。」
数男は言う。
「お前の両親、植物人間になって死んだんだろ。」
それを聞くと、サチは思い出したような顔をした。
数男は続けた。
「きっと、ミンスの力のせいで植物人間になったんだろうな。そしてミンスの栄養になった…。」
サチは眉を潜めたが、何か言う事はなかった。
サチは呟く。
「変…です。あたし、以前は両親が死んで悲しいと思っていたのに…」
それを聞いた数男は、窓の外を眺めながらも言った。
「消えたんだ、副作用で。」
「植物人間になった反動…ですか?」
「ああ。」
それを聞いたサチは、少し焦った様子に。
「じゃあ、知らず知らずの内に、あたしは何か忘れて…」
数男は頷いた。
「あるだろうな。…そしてやがて、忘れた事にも焦りを感じなくなる。
…他の連中も、お前の知ってる奴なら三笠もそうだったからな。」
サチは緊迫した様子で、そのまま黙り込んだ。
すると数男は言う。
「心…取り戻したいよな。」
「え?」
「……サチも、三笠も、今までマリモに殺されてきた奴等も…みんなみんな返して欲しかったはずだ、自分の感情を。」
サチは瞬きをしながら数男を見ていると、数男は溜息をついた。
「こんな事で罪悪感を感じるとはな…ソシオパス失格だ。」
サチは見入ったように数男を見ていた。
数男の無表情からは、虚しさが感じられるからだ。
その虚しさが、数男の葛藤を何よりも表しているからだ。
数日後。
誠治はもみじ公園にて綺瑠とゴミ拾い中。
綺瑠は笑顔で言う。
「いやぁ、誠治と一緒に拾うの久々!」
「私も寂しかったですよ…!」
誠治は嬉しそうにしていると、綺瑠は笑った。
「ごめん、仕事があってさ。」
「研究…ですか?」
「うん。」
すると、綺瑠はゴミ拾いを中断。
「ごめんね誠治、今日はうちの博物館に大物さんが来るから行かなきゃなんだよね。」
「大丈夫、後は私がやっておきますから、お仕事頑張ってください。」
「うん!なんせ砂漠の国の王様が来るんだもん!」
綺瑠が笑顔を見せると、誠治は急に真顔になった。
綺瑠が誠治の顔を見て表情を落ち着かせると、誠治は言った。
「砂漠って…まさかサウザ王子?」
「そうそう、よく知ってるね誠治」
それを聞くと、誠治は目を鋭くする。
「…私も博物館に行ってもよろしいですか?」
「え?いいよ、減るもんじゃないし。」
すると誠治は綺瑠の手をとって握手。
「ありがとうございます…!」
「へ、変なの誠治ったら。」
そう言って綺瑠は苦笑。
しかし、そこに守が走ってきた。
「待てーーーーー!誠治さんと博物館に行くのはーー、この僕!超キュートなオトコオトメ守クンなのだーー!」
綺瑠は急に登場する守に驚いて苦笑。
「男乙女って、あまりそんなイメージしないけどな。」
「うるさいさいさいさいのくにぃ!誠治さん!僕もついていきますから!」
守は誠治にグッドラックサインを送る。
誠治はそんな守に満面の笑みを見せながらも言った。
「いいと思うよ、奈江島さんがいいって言うなら。」
すると守は綺瑠を見る。
威圧を感じた綺瑠は、苦笑したまま言う。
「おいで、大歓迎だよ。」
守は拳を作って喜んだ。
すると綺瑠は言う。
「えっとそれで…頼みがあるんだ。」
「はい?」
誠治が言うと、綺瑠はベンチに置いてあった大きな紙袋から変装セットを出す。
誠治は目を丸くした。
「変装…でもするんですか?」
それに対し、綺瑠は頷いた。
すると綺瑠は白衣の上を脱ぎ、変装セットを着て髪をセットする。
その慣れた手つきに誠治と守は呆然と見ていると、変装を終えた綺瑠がポーズを決めてウインクしてきた。
「じゃーん!一時間練習した!
最近は、風船ガムの練習してるんだ!」
守は呆然としながら思う。
(タンデム乗ってそう…)
そして綺瑠は落ち着くと言った。
「その博物館さ、父さんの博物館なんだ。そして今日、王様と一緒に父さんが来る。
僕ね、今は父さんに避けられてるから、父さんに僕の正体を知られたくないんだ。
僕はこの格好でついてくけど、僕を名前で呼ばない事、父に教えない事、約束してくれない?」
「あ、はい!勿論です!」
「わかった。」
と守も返事をした。
綺瑠は笑顔。
「ありがとう。」
「にしても、なぜ変装までして見に行くんですか?何か気になる事でも?」
誠治が言うと綺瑠は頷く。
「心配事があってねー。」
「心配…そうですね、綺瑠さんの大切な、たった一人のご家族ですものね。」
「そ。」
綺瑠はそう言って、植物で塞がれた青い青い空を見上げた。
誠治は一緒に空を見上げるが、守だけはその変装セットの入った紙袋を触っていた。
その中で、銃の形をした機械を発見。
守は首を傾げた。
(水鉄砲かな。)
そんな訳ないのに。
湯煙が立ち込め調理音で騒がしいうどん屋。
なかなか渋いため客の半数が中年男性だった。
サチは大きめの丼に盛られた冷やしうどんを食べ、数男はごく普通の暖かいうどんを食べていた。
「…仕事は楽で嫌か?」
数男はサチに聞いた。
サチはムスっとすると言う。
「少しだけ。なんだか、みんな頑張って働いているのに私だけこんなのでいいのかなって思います。」
数男は笑う。
「そうか。普通ならもっと喜ぶべき話だけどな。楽して金を得られるなど、最早大人の夢だろう?」
「いいえ、もっと仕事らしい仕事をしてみたいです。」
あまりに真面目なサチを見て、数男は思わず微笑んでしまった。
「いいぞ、そういう真面目な女は嫌いじゃない。」
「またセクハラ発言をしようとしているんですか?」
サチが言うと、数男は首を横に振った。
「ふざけた女、下らない女が増える中、お前の様な馬鹿に真面目な女が光ると言っている。」
「でもあたし、女らしくないってよく言われます。」
「それがまたいいんだ。お前はそこらの女と違ってなよなよしていない、私はそれに惚れたのだ。」
「やっぱりセクハラじゃないですか。」
その言葉に、数男は笑った。
「そうだな、九重という男の前だけなよなよするのが勿体無い。私の前だけでなよなよすればいいものを。」
「こ!九重先輩は仕方がないじゃないですか!」
「そうか?まあそうなんだろうな。」
そう言ってお茶を飲む。
沈黙が広がる席。
ふと、サチは誠治が植物人間の力を得ている事を思い出す。
サチは同時に、表情が暗くなった。
「私、何の為にこの仕事やったんでしょう。」
サチの言葉に、数男は目を丸くした。
サチは続けた。
「先輩を植物人間の驚異から守る為に、引き受けた仕事なのに…なのに、先輩は植物人間になっちゃって…」
サチは悔しそうな顔をして、若干涙を浮かべていた。
数男は呆れた顔をして溜息。
「どうしようもない事をそういつまでも…。
どうでもいいだろう。」
「良くないです!」
サチが思わず言い放つと、数男は冷静に聞き返す。
「じゃあなんだ?例えアイツが決めた道でも、サチは悔しい思いをするのか?
植物人間になって欲しくなかったと言うのか?…それはお前のエゴだろう。」
「エゴ?」
「ああ、エゴだ。
一個人の行動が他人の人生に及ぼす影響など、たかが知れている。先輩と後輩の関係なら尚の事な。
奴が植物人間になった所で、なぜお前が後悔する必要があるのか。
それともなんだ?二十四時間体制でアイツを監視する必要があったのか?」
そう言われると、サチは黙ってしまう。
数男はもう話すのは嫌なのか、話題を変えた。
「もういい。こういう話は嫌いだ。」
そう言って、数男は不機嫌ながらもお茶を飲んだ。
それからサチの冷やしうどんを見ると言う。
「お前本当に冷やし麺が好きなんだな。」
「そうですよ。」
「子供の頃から好きなのか?」
「そうです。」
それを聞いた数男は、何かに反応を見せる。
それから言った。
「お前の親はどんな奴だった?」
「そうですね、普通に愛情深い親です。両親とも共働きだったので、あんまり一緒に過ごせませんでしたけど。」
それを聞いた数男は意外そうな顔をしてサチに言った。
「家事はどうしていたんだ?」
「出来る事なら自分でしました。料理は得意じゃなくて、いつも市販の冷やし麺を食べてました。」
「それで冷やし麺が好きなのか。」
「そう言う五島さんは、家ではいつも暴力食らってたんですってね。」
サチが逆に聞くと、数男は「そうだな。」と言った。
「父がいつも殴ってきたのはよく覚えている、何度殺してやろうと思った事か。
母もこんな容姿の私を『呪われている』と言って殺されかけた事が何度もあったな。」
「え…」
「だが父が世間体を気にしていたのでな、殺すなと念押しされていたから命拾いしてたな。」
「そんな親もいるんですね。普通は子供を愛するものなんですけど。」
「化物みたいな容姿の子供を、子供だと思える奴等だったらな。」
「そうですね。あなたも守君の事、大事に思えないくらいですからね。」
淡々と話すサチを、ただ眺める数男。
サチは数男の視線が気になって言った。
「なんですかさっきから。」
数男は言う。
「お前の両親、植物人間になって死んだんだろ。」
それを聞くと、サチは思い出したような顔をした。
数男は続けた。
「きっと、ミンスの力のせいで植物人間になったんだろうな。そしてミンスの栄養になった…。」
サチは眉を潜めたが、何か言う事はなかった。
サチは呟く。
「変…です。あたし、以前は両親が死んで悲しいと思っていたのに…」
それを聞いた数男は、窓の外を眺めながらも言った。
「消えたんだ、副作用で。」
「植物人間になった反動…ですか?」
「ああ。」
それを聞いたサチは、少し焦った様子に。
「じゃあ、知らず知らずの内に、あたしは何か忘れて…」
数男は頷いた。
「あるだろうな。…そしてやがて、忘れた事にも焦りを感じなくなる。
…他の連中も、お前の知ってる奴なら三笠もそうだったからな。」
サチは緊迫した様子で、そのまま黙り込んだ。
すると数男は言う。
「心…取り戻したいよな。」
「え?」
「……サチも、三笠も、今までマリモに殺されてきた奴等も…みんなみんな返して欲しかったはずだ、自分の感情を。」
サチは瞬きをしながら数男を見ていると、数男は溜息をついた。
「こんな事で罪悪感を感じるとはな…ソシオパス失格だ。」
サチは見入ったように数男を見ていた。
数男の無表情からは、虚しさが感じられるからだ。
その虚しさが、数男の葛藤を何よりも表しているからだ。
数日後。
誠治はもみじ公園にて綺瑠とゴミ拾い中。
綺瑠は笑顔で言う。
「いやぁ、誠治と一緒に拾うの久々!」
「私も寂しかったですよ…!」
誠治は嬉しそうにしていると、綺瑠は笑った。
「ごめん、仕事があってさ。」
「研究…ですか?」
「うん。」
すると、綺瑠はゴミ拾いを中断。
「ごめんね誠治、今日はうちの博物館に大物さんが来るから行かなきゃなんだよね。」
「大丈夫、後は私がやっておきますから、お仕事頑張ってください。」
「うん!なんせ砂漠の国の王様が来るんだもん!」
綺瑠が笑顔を見せると、誠治は急に真顔になった。
綺瑠が誠治の顔を見て表情を落ち着かせると、誠治は言った。
「砂漠って…まさかサウザ王子?」
「そうそう、よく知ってるね誠治」
それを聞くと、誠治は目を鋭くする。
「…私も博物館に行ってもよろしいですか?」
「え?いいよ、減るもんじゃないし。」
すると誠治は綺瑠の手をとって握手。
「ありがとうございます…!」
「へ、変なの誠治ったら。」
そう言って綺瑠は苦笑。
しかし、そこに守が走ってきた。
「待てーーーーー!誠治さんと博物館に行くのはーー、この僕!超キュートなオトコオトメ守クンなのだーー!」
綺瑠は急に登場する守に驚いて苦笑。
「男乙女って、あまりそんなイメージしないけどな。」
「うるさいさいさいさいのくにぃ!誠治さん!僕もついていきますから!」
守は誠治にグッドラックサインを送る。
誠治はそんな守に満面の笑みを見せながらも言った。
「いいと思うよ、奈江島さんがいいって言うなら。」
すると守は綺瑠を見る。
威圧を感じた綺瑠は、苦笑したまま言う。
「おいで、大歓迎だよ。」
守は拳を作って喜んだ。
すると綺瑠は言う。
「えっとそれで…頼みがあるんだ。」
「はい?」
誠治が言うと、綺瑠はベンチに置いてあった大きな紙袋から変装セットを出す。
誠治は目を丸くした。
「変装…でもするんですか?」
それに対し、綺瑠は頷いた。
すると綺瑠は白衣の上を脱ぎ、変装セットを着て髪をセットする。
その慣れた手つきに誠治と守は呆然と見ていると、変装を終えた綺瑠がポーズを決めてウインクしてきた。
「じゃーん!一時間練習した!
最近は、風船ガムの練習してるんだ!」
守は呆然としながら思う。
(タンデム乗ってそう…)
そして綺瑠は落ち着くと言った。
「その博物館さ、父さんの博物館なんだ。そして今日、王様と一緒に父さんが来る。
僕ね、今は父さんに避けられてるから、父さんに僕の正体を知られたくないんだ。
僕はこの格好でついてくけど、僕を名前で呼ばない事、父に教えない事、約束してくれない?」
「あ、はい!勿論です!」
「わかった。」
と守も返事をした。
綺瑠は笑顔。
「ありがとう。」
「にしても、なぜ変装までして見に行くんですか?何か気になる事でも?」
誠治が言うと綺瑠は頷く。
「心配事があってねー。」
「心配…そうですね、綺瑠さんの大切な、たった一人のご家族ですものね。」
「そ。」
綺瑠はそう言って、植物で塞がれた青い青い空を見上げた。
誠治は一緒に空を見上げるが、守だけはその変装セットの入った紙袋を触っていた。
その中で、銃の形をした機械を発見。
守は首を傾げた。
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そんな訳ないのに。
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