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第2章 正体―アイデンティティ―
014 彼等が植物人間である理由 前半
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サチ達は無事、第二故郷病院に到着。
子供達は砂田に任せ、近くの第一故郷病院へと運んでもらうようだ。
サチ達は久坂の仕事部屋へ行き、そこにいた久坂と綺瑠に言った。
「大変なんです!守君が、植物人間だったんですよ!」
「ハァ~~~!?」
と驚いたのは久坂。
しかし、綺瑠は驚いていない様子。
サチは続けた。
「しかも五島さんの力を借りたわけじゃないみたいなんです。橋の下で人間のエネルギーを奪っていました。」
「嘘だろアイツ、産まれた時に検査した時は正常な人間だったろ…!?」
「本当に?」
そう言ったのは綺瑠だった。
綺瑠は微笑みながらも、久坂の本棚の資料を手に取って開いた。
「第五研究グループ五班のモルモット。それは君達、五島一家なのはわかるよね?」
それに対し、数男は眉を潜める。
綺瑠は続けた。
「彼等の目的は、自我を持った植物人間を作る事。その先には、もっと大きな夢がある。」
「夢?」
「植物人間を使って、新しい事業を発案するんだよ。例えば、植物人間を兵器の代わりに使うとか…ね。」
「そんな…!」
と言ったのはサチ。
綺瑠は苦笑してしまう。
「まあ、当分叶いっこないと僕は思うよ。植物人間の制御方法もわからないんだ、夢のまた夢さ。」
すると数男は言った。
「その野望を叶える為に、守に何かしたのか?」
数男の問いに、綺瑠は首を横に振った。
「正確には五島さんも込だね。だって君を植物人間にしたのは五班だからね。」
それを聞いた途端、数男は怒りの形相。
久坂は面を食らったように頭を抱えた。
(言っちまったよ…相変わらず口が軽いな奈江島…)
数男は綺瑠に掴みかかって言った。
「おい、その研究グループのリーダーは誰だ。」
「僕だよ。」
綺瑠が平然と答えると、数男は綺瑠の頬を拳で殴った。
サチは思わず止めた。
「五島さん!」
久坂も流石に焦る。
「おい、コイツに乱暴するのやめろ…!」
しかし、綺瑠は特に変わった様子もなく苦笑。
「わあ、顔を殴られるなんて生まれて初めてだ。」
「もう一発殴ってやる。」
数男はもう一発殴ろうとするが、今度は受け止められてしまう。
「もう一つ言うのを忘れていたよ。
君が植物人間になった原因は、とあるウィルスが君の体を植物人間に変えてしまった為。
それを作ったのは僕なんだ。ごめんなさい。」
数男は更に拳を強く握ると、綺瑠は受け止めていた手を離した。
すると数男は更に二発、綺瑠を殴る。
三発目になろうとする時、久坂が無理に数男を剥がした。
「やめろ数男!」
そしてよろめく綺瑠を、サチが支えてあげた。
「目が回るなぁ…」
と綺瑠。
サチは綺瑠に言った。
「大丈夫ですか?」
「うん。彼の苦しみに比べたらこのくらい平気。
…気は晴れたかい?」
「まだだ、死ぬまで殴らせろ。」
それに対し、綺瑠は苦笑してしまう。
「困ったなぁ…守君の話もそろそろしてあげたいんだけどな。」
「守?あんなヤツどうでもいい。あんなお荷物、とっとと死んでしまえばいい。」
それを聞いた綺瑠は眉を潜めた。
そして数男を真っ直ぐ見つめて言う。
「自分の息子を荷物だって?」
「ああ。」
綺瑠は視線を下に落とし、何か考えている様子だった。
久坂はその様子を見ていると、綺瑠は言う。
「君みたいな親は、いつか子供に寝首を掻かれるよ。」
「は?守程度の人間が私に適うとでも?」
綺瑠はそう言って、珍しく真面目な表情を見せた。
右手を白衣のポケットに突っ込むと溜息。
「生物的には君の方が劣っているね。なんせ彼は、君を元にグレードアップして作った最新作だ。
人間の特徴だけ持って産まれたから失敗に思えたけど……今頃研究員は大はしゃぎだろうね。彼を捕まえる準備を始めているかも。」
すると久坂は言う。
「なんだって…!?早く守を取り返さねぇと!」
「どうでもいいだろあんな奴。」
と言ったのは数男。
綺瑠は続けた。
「世間の注目を集めたい五班の事だ…守を捕まえたら、君達親子が植物人間である事を世に報道するかもね。それでもいいのかい?」
それを聞くと、数男は躊躇った顔。
すると言った。
「チッ、本当に迷惑な奴だ。」
それに対し、綺瑠は再び溜息。
綺瑠の珍しく落ち着いた様子に、久坂は目を丸くしていた。
綺瑠はもう片方の手も白衣のポケットに手を入れ、サチの方へやってくる。
サチは綺瑠の方を見ると、綺瑠はこっそりポケットから謎の注射をサチに渡した。
「これ、植物人間を捕獲するのにいつも研究所が使ってる鎮静剤だ、十五分だけ効果がある。
守君をどうしても止められないと言うのなら、これを使うといい。」
「あ、ありがとうございます。」
サチは雰囲気の違う綺瑠に驚きつつもそう答えると、綺瑠は数男を見た。
「まあ、あっちに使ってくれても構わないけどね。」
その言葉に思わずサチは苦笑。
「そういう事態にならないといいです…。」
「僕もだよ。」
綺瑠はそう言うと、みんなに言った。
「申し訳ないけど、植物人間の動きを止める方法は現在、これしかない。
根の無い植物人間は植物を焼くか刈ればどうにかできるが、そうでない植物人間は無敵だ。
彼の処遇は君達に任せよう。更生を考えるのなら協力する、殺処分したいのなら…他の研究員を当たってくれ。」
そう言って綺瑠は部屋を出るので、サチは呆然。
数男は舌打ちをして言う。
「さっさと行くぞ。アイツ、連れ帰ったらどうするかな。」
「…はい。」
サチはそう言って、数男についていった。
シュンも赤子を抱えてニコニコで出て行くので、久坂はその様子を見送る。
それから久坂は綺瑠を追いかけた。
綺瑠は自分が今朝目覚めた部屋の前で立って考え事。
久坂は声をかけた。
「おい。」
「ごめん久坂、僕は彼を人間に戻す方法なんて考えたくない。」
それを聞いた久坂は驚いた顔。
「…数男の事か?」
綺瑠は頷く。
「いいや、言い方を間違えたね。
例えその方法を確立できたとしても、彼に使用するのは嫌だと思っている。」
「確かにアイツは、かなり残忍な奴だけどよ。」
「人間にさせる。これは君の欲求でもあるかもしれないが、彼自身の欲求でもある。
彼は自身の欲求を満たす為だけに行動するソシオパスなんだろう。これは、赤の他人の僕達が満たすほどの価値があるものかい?」
それに対して久坂は黙ると、綺瑠は続けた。
「彼は今、植物人間になっているからこそ自分の血を与えた植物人間に親身になっていられる。
でもきっと、人間になったらそうではなくなる。愛を忘れた化物になると僕は思うね。」
すると久坂は黙り込み、決めたのか言う。
「…そうだな。今のアイツじゃ、戻ってもそれがオチだわな。
わかった、数男の事は今は諦めよう。」
「今は?」
綺瑠が聞くと、久坂は続ける。
「てめぇが『いい』って認めたら戻せばいい。まあ、その方法が確立できればの話だけどよ。」
「まあどちらもほぼ不可能に近いね。彼は社会病質であるわけだし。
植物人間を人間にしようなんて以ての外だよ。」
「全く、普段は人に与えてばっかのお前が、まさか「与えない」とか言い出すとはな。」
久坂がそう言うと、綺瑠は少し黙る。
そして久坂は綺瑠に言った。
「お前さ、また別の人格だろ。」
それを聞くと、綺瑠は笑った。
「何を言うかと思えば。急になんだい?」
「おーおーそれそれ、その笑顔だよ。」
そう言われて、綺瑠は笑顔のまま固まった。
久坂は綺瑠の笑顔を見る。
口は笑っているが、目が笑っていない。
「ポケットに右手突っ込む癖と、目が笑ってない顔は、いつも彼女を苦しめてる人格かな?」
その言葉に、綺瑠は一瞬にして無表情に。
「ちょっとした仕草でバレてしまうものだね。」
「当たり前さ、何年てめぇを見てきたと思ってやがる。」
「病気の事は、つい最近知ったくせにね。」
「まあな。てめぇに話があるから、ちょっとオレの部屋まで来いや。」
「…わかった。」
綺瑠はそう返事をし、久坂の後ろを歩いてついてった。
子供達は砂田に任せ、近くの第一故郷病院へと運んでもらうようだ。
サチ達は久坂の仕事部屋へ行き、そこにいた久坂と綺瑠に言った。
「大変なんです!守君が、植物人間だったんですよ!」
「ハァ~~~!?」
と驚いたのは久坂。
しかし、綺瑠は驚いていない様子。
サチは続けた。
「しかも五島さんの力を借りたわけじゃないみたいなんです。橋の下で人間のエネルギーを奪っていました。」
「嘘だろアイツ、産まれた時に検査した時は正常な人間だったろ…!?」
「本当に?」
そう言ったのは綺瑠だった。
綺瑠は微笑みながらも、久坂の本棚の資料を手に取って開いた。
「第五研究グループ五班のモルモット。それは君達、五島一家なのはわかるよね?」
それに対し、数男は眉を潜める。
綺瑠は続けた。
「彼等の目的は、自我を持った植物人間を作る事。その先には、もっと大きな夢がある。」
「夢?」
「植物人間を使って、新しい事業を発案するんだよ。例えば、植物人間を兵器の代わりに使うとか…ね。」
「そんな…!」
と言ったのはサチ。
綺瑠は苦笑してしまう。
「まあ、当分叶いっこないと僕は思うよ。植物人間の制御方法もわからないんだ、夢のまた夢さ。」
すると数男は言った。
「その野望を叶える為に、守に何かしたのか?」
数男の問いに、綺瑠は首を横に振った。
「正確には五島さんも込だね。だって君を植物人間にしたのは五班だからね。」
それを聞いた途端、数男は怒りの形相。
久坂は面を食らったように頭を抱えた。
(言っちまったよ…相変わらず口が軽いな奈江島…)
数男は綺瑠に掴みかかって言った。
「おい、その研究グループのリーダーは誰だ。」
「僕だよ。」
綺瑠が平然と答えると、数男は綺瑠の頬を拳で殴った。
サチは思わず止めた。
「五島さん!」
久坂も流石に焦る。
「おい、コイツに乱暴するのやめろ…!」
しかし、綺瑠は特に変わった様子もなく苦笑。
「わあ、顔を殴られるなんて生まれて初めてだ。」
「もう一発殴ってやる。」
数男はもう一発殴ろうとするが、今度は受け止められてしまう。
「もう一つ言うのを忘れていたよ。
君が植物人間になった原因は、とあるウィルスが君の体を植物人間に変えてしまった為。
それを作ったのは僕なんだ。ごめんなさい。」
数男は更に拳を強く握ると、綺瑠は受け止めていた手を離した。
すると数男は更に二発、綺瑠を殴る。
三発目になろうとする時、久坂が無理に数男を剥がした。
「やめろ数男!」
そしてよろめく綺瑠を、サチが支えてあげた。
「目が回るなぁ…」
と綺瑠。
サチは綺瑠に言った。
「大丈夫ですか?」
「うん。彼の苦しみに比べたらこのくらい平気。
…気は晴れたかい?」
「まだだ、死ぬまで殴らせろ。」
それに対し、綺瑠は苦笑してしまう。
「困ったなぁ…守君の話もそろそろしてあげたいんだけどな。」
「守?あんなヤツどうでもいい。あんなお荷物、とっとと死んでしまえばいい。」
それを聞いた綺瑠は眉を潜めた。
そして数男を真っ直ぐ見つめて言う。
「自分の息子を荷物だって?」
「ああ。」
綺瑠は視線を下に落とし、何か考えている様子だった。
久坂はその様子を見ていると、綺瑠は言う。
「君みたいな親は、いつか子供に寝首を掻かれるよ。」
「は?守程度の人間が私に適うとでも?」
綺瑠はそう言って、珍しく真面目な表情を見せた。
右手を白衣のポケットに突っ込むと溜息。
「生物的には君の方が劣っているね。なんせ彼は、君を元にグレードアップして作った最新作だ。
人間の特徴だけ持って産まれたから失敗に思えたけど……今頃研究員は大はしゃぎだろうね。彼を捕まえる準備を始めているかも。」
すると久坂は言う。
「なんだって…!?早く守を取り返さねぇと!」
「どうでもいいだろあんな奴。」
と言ったのは数男。
綺瑠は続けた。
「世間の注目を集めたい五班の事だ…守を捕まえたら、君達親子が植物人間である事を世に報道するかもね。それでもいいのかい?」
それを聞くと、数男は躊躇った顔。
すると言った。
「チッ、本当に迷惑な奴だ。」
それに対し、綺瑠は再び溜息。
綺瑠の珍しく落ち着いた様子に、久坂は目を丸くしていた。
綺瑠はもう片方の手も白衣のポケットに手を入れ、サチの方へやってくる。
サチは綺瑠の方を見ると、綺瑠はこっそりポケットから謎の注射をサチに渡した。
「これ、植物人間を捕獲するのにいつも研究所が使ってる鎮静剤だ、十五分だけ効果がある。
守君をどうしても止められないと言うのなら、これを使うといい。」
「あ、ありがとうございます。」
サチは雰囲気の違う綺瑠に驚きつつもそう答えると、綺瑠は数男を見た。
「まあ、あっちに使ってくれても構わないけどね。」
その言葉に思わずサチは苦笑。
「そういう事態にならないといいです…。」
「僕もだよ。」
綺瑠はそう言うと、みんなに言った。
「申し訳ないけど、植物人間の動きを止める方法は現在、これしかない。
根の無い植物人間は植物を焼くか刈ればどうにかできるが、そうでない植物人間は無敵だ。
彼の処遇は君達に任せよう。更生を考えるのなら協力する、殺処分したいのなら…他の研究員を当たってくれ。」
そう言って綺瑠は部屋を出るので、サチは呆然。
数男は舌打ちをして言う。
「さっさと行くぞ。アイツ、連れ帰ったらどうするかな。」
「…はい。」
サチはそう言って、数男についていった。
シュンも赤子を抱えてニコニコで出て行くので、久坂はその様子を見送る。
それから久坂は綺瑠を追いかけた。
綺瑠は自分が今朝目覚めた部屋の前で立って考え事。
久坂は声をかけた。
「おい。」
「ごめん久坂、僕は彼を人間に戻す方法なんて考えたくない。」
それを聞いた久坂は驚いた顔。
「…数男の事か?」
綺瑠は頷く。
「いいや、言い方を間違えたね。
例えその方法を確立できたとしても、彼に使用するのは嫌だと思っている。」
「確かにアイツは、かなり残忍な奴だけどよ。」
「人間にさせる。これは君の欲求でもあるかもしれないが、彼自身の欲求でもある。
彼は自身の欲求を満たす為だけに行動するソシオパスなんだろう。これは、赤の他人の僕達が満たすほどの価値があるものかい?」
それに対して久坂は黙ると、綺瑠は続けた。
「彼は今、植物人間になっているからこそ自分の血を与えた植物人間に親身になっていられる。
でもきっと、人間になったらそうではなくなる。愛を忘れた化物になると僕は思うね。」
すると久坂は黙り込み、決めたのか言う。
「…そうだな。今のアイツじゃ、戻ってもそれがオチだわな。
わかった、数男の事は今は諦めよう。」
「今は?」
綺瑠が聞くと、久坂は続ける。
「てめぇが『いい』って認めたら戻せばいい。まあ、その方法が確立できればの話だけどよ。」
「まあどちらもほぼ不可能に近いね。彼は社会病質であるわけだし。
植物人間を人間にしようなんて以ての外だよ。」
「全く、普段は人に与えてばっかのお前が、まさか「与えない」とか言い出すとはな。」
久坂がそう言うと、綺瑠は少し黙る。
そして久坂は綺瑠に言った。
「お前さ、また別の人格だろ。」
それを聞くと、綺瑠は笑った。
「何を言うかと思えば。急になんだい?」
「おーおーそれそれ、その笑顔だよ。」
そう言われて、綺瑠は笑顔のまま固まった。
久坂は綺瑠の笑顔を見る。
口は笑っているが、目が笑っていない。
「ポケットに右手突っ込む癖と、目が笑ってない顔は、いつも彼女を苦しめてる人格かな?」
その言葉に、綺瑠は一瞬にして無表情に。
「ちょっとした仕草でバレてしまうものだね。」
「当たり前さ、何年てめぇを見てきたと思ってやがる。」
「病気の事は、つい最近知ったくせにね。」
「まあな。てめぇに話があるから、ちょっとオレの部屋まで来いや。」
「…わかった。」
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